CoinPostで今最も読まれています

ビットコインとAmazonが中流階級に与える影響

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

アメリカ経済は問題点を抱えている
アメリカ経済の現状は従来の発展途上経済で資本家的部門(近代部門)と生存維持的部門(伝統的部門)が分裂したように、約20%の米国雇用者は金融、ハイテック、エレクトロニクスなどの高賃金の職に就き、残りの80%は低賃金の職に就きます。
ビットコインとAmazon
最新の資本主義の理想は、ものづくりや誰かに生活賃金を払うことなく、儲けを出すことです。そして、これにはビットコインとAmazonが当てはまります。

アメリカ議会が逆進税(課税対象額が高いほど税率が下がる税制)を認める

2017年も終わり、アメリカ議会は既に裕福な富裕層に富を再配分する税制法案を可決しました。

これは金メッキ時代以来初めての立案になります。

今回の税制法案は逆進税(課税対象額が高いほど税率が下がる税制)であり、現状の経済システムを考慮した上で、合理的な法案になります。

アメリカ経済の現状

我々は過去数か月間、末期の資本主義の例を多数目の当たりにしました。

Forbes社は、米国で最も裕福な3人(ビルゲイツ、ウォーレン・バフェット、ジェフベゾス)は米国人口過半数の合計よりも富裕だと報じました。

11月27日の報告によると、Amazon社の株価は過去最高の$1,213.41(13.7万円)に達し、CEOであるジェフ・ベゾス氏は世界で唯一1000億ドル(11.2兆円)の個人財産を持つ人物となりました。

McKinsey Global Instituteはアメリカでは2030年までに機械などのオートメーション(自動化)により7300万の雇用を削除すると予想しました。

これには無関係ですが、同時にビットコインは1万7900ドル(201.8万円)を記録し、デジタル通貨市場の時価総額は3000億ドル(33.9兆円)に達しました。

これらのデータはPeter Temin氏の著作“The Vanishing Middle Class: Prejudice and Power in a Dual Economy”の内容と比例し、作品の中でTemin氏は金融市場が過去最高値を記録し、失業率は経済が成長していると証明しているにも関わらず、多くの米国人は経済悪化を経験していると指摘しました。

Temin氏は、米国経済は従来の発展途上経済で資本家的部門(近代部門)と生存維持的部門(伝統的部門)が分裂したように、二つのセクタに割れたと指摘します。

約20%の米国雇用者は金融、ハイテック、エレクトロニクスなどの高賃金の職に就き、残りの80%は低賃金の職に就き、毎日生活を送るために奮闘しています。

資本主義の理想

1950年代の時は、中産階級は大人一人が週40時間働き、一家族を養うことができました。

家と車を所有し、負債を負うことなく日計を満たし、子供たちは学生ローンを組むことなく大学を卒業し、安定し快適な老後を得ることができました。

殆どの白人が経験したことのあるそのライフスタイルを現在得るには、米国平均所得の2倍にあたる$57,617(649万円)が必要です。

分裂した米国経済の二つのセクターは驚くほどに“資本家的部門”と“生存維持的部門”という銘柄が当てはまります。

資本家は既に裕福な富裕層をさらに豊かにさせることに集中してきました。

そして最新の資本主義の理想は、価値あるものを生産する工程(ものづくり)や誰かに生活賃金を払うことなく、儲けを出すことです。

これらの資本主義の理想にビットコインとアマゾンが当てはまります

ビットコインとAmazon

現状金融界のスターであるビットコイン唯一の役割は、コンピュータで生成された通貨の価格が金融バブルによって上昇し続けるというアイデアだけに基づいて新しい財産を創出することです。

ビットコインと(デリバティブのような実在する資産の価格を基にした)他の金融バブルの違いは、ビットコインは一年間のアイスランド全土の電気消費量以上の巨大なコンピューターパワーを必要とするという点です。

ビットコインの成功は他の資産家を魅了し、人材などの資源を投資させ、更にユニークな仮想通貨(CryptoKittiesなど)を誕生させました。

その裏で経済は、生存部門セクター内の数十億の人々の本質的な必要性を無視しています。

もう一方の資本主義のスターはAmazon社です。

一見便利なオンラインリテーラーですが、実は生産・消費者の関係を急速に独占するテック企業なのです。

Amazon社の成功は、人間による小売取引を取り除く非常に高度なオートメーションに由来しています。

Amazon社は既に倉庫のヒューマンレス化を視野に入れています。

Wired Magazine社は以下のように述べました。

『フェニックス州にあるAmazonのフルフィルメントセンターに訪れると、人間ではなく機械が支配する世界にいるように感じる』

現状の問題点

金融とテックセクタは我々の生活手段、我々が求め必要とする製品やサービスへのアクセス、コミュニケーション方法、生活変化を報じる情報源などを制御することによって巨大化を続けます。

特別なスキルを持った人材はこのセクタの巨大化に必須な存在として活躍します。

つまり彼らは米国経済で高賃金を所得し、快適な生活を過ごす20%の人々です。

しかし将来、技術が発展し、資本主義がより巨大化すれば、これらの人々のための雇用数は低下するでしょう。

よって高熟練労働者は仕事を失い、中産階級が存在しない生存部門に追いやられます。

このプロセスは当然のことながら、一度中産階級ライフスタイルを味わった白人や、一瞬の間アメリカの夢を掴むことを夢見た有色人種を不満にし、彼らを裏切るのです。

我々はジェフ・ベゾスを含むすべての人の未来を危険にさらすであろう、この崩壊するシステムの重大さに対面しています。

単純に少数の女性や有色人種に雇用の機会を与えるだけではこの問題は解決されません。

YES! Magazineは近日、以下のように報じました。

『米国と世界各地の人々が人種、性別、階級を超えて、連帯経済(社会連帯を基盤とする経済活動)を成長させようとしています。彼らは世界中の人々とのコミュニティ関係を再構築しながら、生産や商品取引によって自活をしています』

これらの連帯経済は我々のお金への依存を減らし、食糧の栽培と生産、若者の教育、老人の介護などをする労働者の生活を保護し、住居、水道、電気、通信、輸送などの必要なサービスを提供するシステムを維持します。

地球と共同生産的な関係を保つための真の民主的社会に移行し始めている今、我々は邪悪な資本主義と抑圧的な社会主義を抜け出すための初段階にいます。

これは私たちを一致団結させる、2018年の抱負とも言えるでしょう。

What Bitcoin and Amazon Are Doing to the Middle Class

Dec 29, 2017 by David Korten

参考記事はこちらから
ビットコインニュース一覧
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/17 水曜日
06:30
10万円のイーサリアムOS搭載スマホ「ethOS」、一般販売開始 
ブロックチェーン基盤のethOSフォンは、グーグル「Pixel 7a」機種にイーサリアムのOSがプレインストールされた端末で、分散型のメッセージ機能や決済機能の利用が可能だ。
06:00
a16zが新ファンドで1.1兆円調達、Web3ゲームにも投資か
調達した資金がどのように投資されるかは不明だが、同社のゲーム・ベンチャーは以前、Web3・ブロックチェーンゲーム分野に関心を示したことから、関連の仮想通貨銘柄にも投資すると期待されているようだ。
04/16 火曜日
17:08
暗号資産取引関連の損益計算、約15%が「今回が初めて」と回答|Gtaxアンケート
株式会社Aerial Partnersが実施した「Gtax」利用者向けの2024年暗号資産(仮想通貨)確定申告アンケート結果。取引用途が多岐にわたり、計算処理が複雑化する中で、損益計算の計算ツールへの切り替え需要が高まっていることが示された。
16:23
テレ朝グループのBCGアクセラレータープログラム、競走馬育成ゲームを発表
株式会社テレビ朝日と株式会社テレビ朝日ミュージック、extra mileがブロックチェーンゲームアクセラレーター「tv asahi Blockchain Games」を立ち上げ。インキュベーションからパブリッシングまでのサポート。初のゲームタイトル「NEOBRED」も注目。
14:25
リップル裁判、23日の公判前にSECと和解する可能性は
米証券取引委員会対リップル社の公判が4月23日に迫る中、16日に公判前会議が予定されていることから、両者が和解するのではないかとの憶測が広まっている。
12:12
ビットコインなど仮想通貨相場リスクオフムード、中東情勢不安強まる
イランとイスラエルを巡る中東情勢は予断を許さず、仮想通貨相場は米株指数の下落に伴いリスクオフに傾いた。ビットコインの反発も限定的で、アルト市場にも強い下押し圧力が掛かっている。
11:30
アービトラム、不正防御プロトコルBOLDをテストネットローンチ
仮想通貨イーサリアムL2アービトラムの開発企業であるOffchain Labsは、テストネットで不正防御プロトコルBOLDを立ち上げたと発表した。
11:10
不動産RWAプロトコル「Parcl」、エアドロップ確認を開始
仮想通貨PRCLエアドロップに関しては現在Parclの公式ページからユーザーへの付与額を確認することができる。取得はまだ始まっておらず、同16日21時59分より始まる予定だ。
09:45
ドイツ最大の州立銀行が仮想通貨取引提供へ、LBBWとBitpanda提携 
仮想通貨取引プラットフォームBitpandaはドイツ最大の連邦州立銀行LBBWとの提携を発表した。法人顧客にビットコインなどの取引・保管を提供する。
08:45
ソラナブロックチェーン、混雑軽減のパッチを導入
今回正式にリリースされた「v1.17.31」は複数のアップデートにおける最初のものとなる。このパッチには、データパケットの処理方法と最適化の改善、特定のノードをその利害関係に基づいて分類する方法の変更、システムのローカルテスト環境におけるデフォルト設定の更新などが含まれている。
07:45
香港の仮想通貨現物ETF、アナリストが影響を分析
香港における仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFへの流入額は、最大5億ドルだとブルームバーグアナリストは分析。米国のETF市場と規模を比較している。
07:00
ビットコイン半減期まであと4日、コインベースが動画で価値の変遷辿る
米仮想通貨取引所大手コインベースは1週間を切った半減期カウントダウンに合わせて、ビットコイン関連のソーシャルメディアCMを公開した。
06:20
OKX、ソラナミームコイン2銘柄新規上場
これらの仮想通貨銘柄はこれまで価格が大きく上昇してきてソラナの代表的なミームコインとなった。MEWは前日比で25.7%値上がりしている。
05:50
STEPNとアディダス提携、NFTスニーカーリリースへ
NFTの第一段階ラッフルミントは、日本時間4月17日9時よりアローリストのメンバーのみを対象とする。このコラボNFTを保有しているユーザーには、特典が今後付与される予定だ。
04/15 月曜日
16:12
香港当局、ビットコインとイーサリアムの「現物ETF」を上場承認
香港当局は15日、アジア初となるビットコインETFとイーサリアムETFの上場承認を行なった。中国マネーの流入や米SEC(証券取引委員会)におけるイーサリアム現物ETFへの影響が注視される。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア