CoinPostで今最も読まれています

最高価格を更新し続けるイーサリアムの様々な技術的問題点

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

取引手数料問題
取引手数料を決定するソフトウェア(gas oracle)の欠陥により取引手数料が跳ね上がっています。
ブロックチェーン同期問題
Warp sync機能の故障によりネットワークノードがブロックチェーンに同調し辛くなっています。
テストネットワーク問題
Casperのテストネットワークが両立しがたいフォークにスプリットしています。

イーサリアムの価格が最高値を記録

一時的にリップル社のXRPトークンに越されてしまった時価総額を、イーサリアムが先週初めて$1000(約11万1600円)を超え、2番目としての立場を取り戻しました

しかし、イーサリアムの価格上昇は現在イーサリアムが抱える多くの技術問題を世間の目から遠ざけてしまっていることは確かです。

問題については内部開発チャンネルでは大いに論じられていますが、世間にはあまり公表されていません。(Reddit、Twitter、および他のイーサリアムフォーラムではほとんど取り上げられていません)

しかし、心配すべきは世間の反応不足ではなく、問題の根本的な性質なのかもしれません。

なぜならほとんどの問題はブロックチェーンの最も基本的な機能と直接関係しているからです。

その一つは取引手数料を決めるソフトウェア(gas oracle)の欠陥による手数料の膨張です。

これにより、取引に必要な手数料を大幅に超える分を払わされる事例が増えています。

これは新規ユーザーにとってうれしくないことですが、他にも問題はあります。

例えばイーサリアムをフルウォレットなどで扱うコンピューターが、全取引履歴のダウンロードのデータ量が多すぎるため苦戦を強いられています。

さらに、進歩的な計画にも懸念点が残っています。

現在、Casperのテストネットワークは両立しがたいフォークにスプリットしています。

仮想通貨で成功したい人のための注意として、イーサリアム有力者Vlad Zamfir氏がこれらの問題に以下のように応えました。

「(イーサリアムは)まだ安全ではなく、またスケーラブルでもありません」

斯くして、このコメントはイーサリアムの現状と仮想通貨のwork-in-progress性質のより概括的な注意として受け入れるべきです。

膨張する取引手数料

おそらく一番の問題は取引手数料を概算するアルゴリズムにあるでしょう。

現在ウォレットおよび取引所ユーザーは手数料を最大70%過払いしています

イーサリアム開発者Nick Johnson(以下ジョンソン氏)は、イーサリアムの内部自動ガス(取引手数料:gas)価格決定機能に欠陥があることを説明しました。

CryptoKittiesアプリやICOの人気により急上昇した取引量はコードによって維持されましたが、最近では推定ガス価格が異常なことになっています。

ジョンソン氏によると、gas oracle(現在MyEtherWallet、MetaMask、Shapeshiftなどの人気ウォレットが利用する)は最新イーサリアム取引の手数料を元に取引手数料を概算しています。

しかし、ジョンソン氏はEメールにて、以下の様に述べました。

「より低い価格で取引することは可能ですが、gas oracleはますます高い推定値を出してしまっています」

ジョンソン氏によると、問題の核心はユーザーの一部が単純にブロックチェーン利用に余分な料を払っていたことにあります。

その結果、gas oracleの概算が跳ね上がりました。

分散型チャリティーGiveth創業者Griff Green(以下グリーン氏)は異常なほどに高い手数料に気づき、ツイッターを用いて他のユーザーに取引手数料を手動計算するように伝えました。

グリーン氏は他のメジャー取引所およびウォレットが対応していない中、Bittrexがこの問題を取り上げたこと(新たなイーサリアムおよび資産アカウントの作成停止)を称賛しました。

グリーン氏はイーサリアム開発者が新しいアルゴリズムをすみやかに実装することを期待し、以下のように語りました。

「これらは開発者がネットワークを存続させるために対処しなければならない技術問題です」

ブロックチェーン同期問題

以上の事に加え、開発者はネットワークノードをブロックチェーンに同期させることに苦戦しています。

テストを行う人は失敗するか、または長い時間待たされてしまうのが現状です。

イーサリアムマイニングまたはウォレットへのブロックチェーン応用を目的とした新たなノードも同じ問題にぶつかります。

この問題はしばらく前から循環していましたが、近頃より深刻化しています。

Bitflyマイニングプールを運営するPeter Pratscher氏によると、イーサリアムSTATE(全イーサリアム計算 – ノードによって保管されている)の大きさによる「warp sync」機能の故障が原因としています。

Pratscher氏は、この機能の故障によって起きる問題を述べました。

「新たなノードは時間がかかり(数日程度)、従来のイーサリアムブロックチェーンに同期をしなければなりません」

現在イーサリアムSTATEの大きさを減らす方法について議論がされています。(例えば「ダストアカウント(長い間無活動で中身のないアカウント)」の削除)

Pratscher氏はまとめとして以下のように述べました。

「開発チームが問題を解決し、なんらかの改良がされることを願っています」

テストネットワーク停滞

活動中のイーサリアムネットワークに直接影響がないため、上記の問題と比べて重大さに劣りますが、Casperテストネットワークが直面している問題はイーサリアムが技術としてまだ初期段階にある証拠です。

スケールしなければならないというプレッシャーにより、Casperの開発意欲はここ数ヶ月で急上昇したのかもしれません。

しかし、現在テストネットワークは分裂しており、ノードはブロックチェーンに接続できない状態にあります。

結果、テスト環境に新たな一面をもたらすと期待されていたテストネットワークは静まり返りました。

Casper開発者Karl Floersch氏は、Casperコード自体は「問題なく作動している」ので今回の問題とは全く関係がないことを主張しました。

テストネットの新たな性質上、開発者は考えられる問題と解決策を提案しており、素早い再発進が見れるかもしれません。

Ethereum Price Highs Overshadow New Wave of Tech Issues

Jan 9, 2018 by Rachel Rose O’Leary

参考記事はこちらから
イーサリアムニュース一覧
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/20 土曜日
18:00
TON、Telegramのユーザーに照準 トンコイン奨励金を提供
Telegramのウォレットがサポートするブロックチェーン「TON」の手数料削減と、1,100万TONのインセンティブプログラムを開始。特に500万単位の暗号資産(仮想通貨)TONがTelegramユーザーに報酬として付与される。
16:30
日銀、CBDC戦略の中間報告を公表 想定モデルと5つの課題
日本銀行が公表したCBDC中間整理報告書の主要論点や影響について解説。CBDCの導入方針やデジタル通貨の未来についての展望を探る。
12:30
コスモス基盤のInjective、Web3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能提供
レイヤー1ブロックチェーンInjectiveは、Jamboテクノロジーと提携してWeb3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能を提供すると発表した。
12:00
知らずに損しているかも?取引所選び 3つの注意点
ビットコインなどの投資初心者に大事な暗号資産(仮想通貨)取引所選びと、後悔しがちな代表的な失敗事例3つを解説。手数料、価格、取扱銘柄の違いを比較し、最適な仮想通貨取引所を見極めるポイント、賢い投資戦略と失敗回避のためのチェックリストも提供。
10:30
ソラナWeb3ゲーム「Nyan Heroes」、Epicのストアでトップ30入り
ブロックチェーンゲーム「Nyan Heroes」はEpic Games Storeで最もプレイされたゲームでトップ30以内に入った。今後NFT機能や独自の仮想通貨も導入する予定だ。
09:15
ビットコイン、4度目の半減期完了 報酬が3.125 BTCに
直近の米経済指標(3月の雇用統計やCPI等)が景気の堅調さを改めて示しているため、FRBが利下げを急ぐ必要がなくなりつつあるとの観測が高まってきており、仮想通貨や株のようなリスク資産をさらに押し上げる力は弱まってきたようだ。
08:25
BTCクジラが1900億円相当のビットコイン押し目買い、エヌビディアなど大幅安|金融短観
19日のアジア時間はイスラエルがイランに対して報復攻撃を実施したとのメディア報道が嫌気され日経平均指数や上海総合指数などは大きく下がったが、その後攻撃の規模が限定されており核施設に被害はなかったとの報道を受け米国の株式市場ではこのニュースへの反応は見られなかった。
06:45
Magic Eden、BaseチェーンのNFTに対応へ Open Editionミントも予定
Magic Edenは現在NFTマーケットプレイスのランキングで1位。ビットコイン半減期を背景に需要が高まるビットコインOrdinalsおよびビットコイン上の「Runes」への期待が出来高を押し上げている。
06:15
マイクロストラテジーのセイラー会長、自社株売却で570億円の利益
マイクロストラテジーの株価は仮想通貨ビットコインの3月の高騰に伴い3月27日に1,919ドルまで値上がりした。同株は年初来+71.37%のパフォーマンスを見せた。
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧