CoinPostで今最も読まれています

リップル社プロダクト(RippleNet、xCurrent、xRapid、xVia)の違いと採用企業まとめ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Ripple社のプロダクト:
Ripple社が運営する国際送金ネットワークであるRippleNetに接続するために、Ripple社は3つの主要なプロダクトを提供しています。xCurrentは銀行向け、xRapidは送金業者向け、xViaは一般企業向けのプロダクトです。
xRapid採用企業
XRPを利用したソリューションであるxRapidを採用または試験的に運用している企業はCuallix、MoneyGram、Western Union、IDT Corporation、MercuryFXです。さらに大手国際送金企業がもう一つ加わる予定です。
提携先企業がどのプロダクトを採用するかが重要
RippleNetに加盟している企業は200にも及びますが、実際にXRPを使用する企業はxRapidを採用する企業のみです。したがって、Ripple社が企業と提携する際には、その企業がどのプロダクトを利用するかが重要になります。

最近、Ripple社と提携する金融機関や企業が急増しています。

しかし、一概に「Ripple社と提携」と言っても、提携企業が利用するプロダクトは異なっています。

以下では、Ripple社の主要な提携先を、提携企業がどのようなプロダクトを利用するかまで含めてまとめます。

RippleNetと3つのプロダクト

Ripple社はブロックチェーン技術(分散台帳技術)を基盤として、銀行や企業間、顧客などの国際送金を効率的かつ安全に実行するためのシステムを提供します。

RippleNetは、Ripple社が運営する、ブロックチェーンを基盤とした国際送金ネットワークです。

Ripple社が企業と提携するとき、その企業は通常RippleNetに参加することになります。

RippleNetに接続するための手段として、Ripple社はいくつかのプロダクトを金融機関などに提供しています。

  • xCurrent:金融機関とRippleNetを接続するためのソリューション
  • xRapid:XRP通貨を利用し、新興国市場への支払いにおける流動性コストを最小限にするためのソリューション
  • xVia:一般企業とRippleNetを接続し、請求書などの豊富な送金情報を送信するためのソリューション

xCurrent

xCurrentは、銀行による即時国際送金の決済を可能にし、すべての送金プロセスを可視化するソリューションです。

xCurrentを利用することで、銀行間でのリアルタイムメッセージングが可能となり、取引前に決済内容の確認や決済後の着金確認ができるようになります。

xRapid

xRapidは、流動性コストを最小化したい送金業者やその他の金融機関のためのソリューションです。

新興市場への送金においては事前に現地通貨を用意する必要があり、流動性コストは高くなります。

xRapidでは、XRPをブリッジ通貨とすることで、流動性面での資本要件を大幅に引き下げることができます。

多くのXRP保有者にとって、最も重要な関心事が、XRP通貨が実際に利用されるかということですが、RippleNet上のプロダクトのうち、実際にXRP通貨を利用するのは(xCurrent、xViaではなく)xRapidです。

したがって、3つのプロダクトの中では、xRapidの利用が公表されることがXRPの価格上昇に最も大きな影響を与えます。

xVia

xViaは、標準インターフェースを使用してさまざまなネットワークにまたがって支払いを送金したい法人、支払いプロバイダおよび銀行向けのシンプルなAPIです。

xViaでは、請求書のような重いデータを送信内容に添付することができます。

このようなデータの移動については、従来多くのコストや時間、手間がかかっていましたが、より速くて低コストな送金を可能にします。

xViaのシンプルなAPIはソフトウェアのインストールが不要で、新規のユーザーであっても、シームレスな送金を行うことができます。

それぞれのプロダクトは、過去記事でもまとめられています↓

【前編】Ripple社の戦略:パートナーと再建
Ripple社は、金融機関と組むことで国境越え決済に関する3つの根本原因問題に取り掛かることが出来ます。戦略その1では、金融機関同士のリアルタイム決済情報伝達を可能にし、決済を即座に処理するxCurrentの速度と確実性を活かすことが挙げられています。
【後編】Ripple社の戦略:パートナーと再建
Ripple社公式が今後の戦略について発表 Ripple公式ページで国境越え決済に関する問題に取り掛かるた...

xCurrentを採用する企業:主に銀行向け

xCurrentを採用する企業は数多く存在しますが、以下では、最近採用を表明した主要な法人をまとめます。

①中央銀行

中央銀行がRippleNetに参加することは、その国の銀行全体にRippleNetへの参加を促す可能性があるため、極めて重要な意味を持ちます。

2月14日には、Ripple社がサウジアラビア中央銀行(SAMA)の試験的プログラムを実施する契約をし、サウジアラビア国内銀行間でRipple社のネットワークシステムを利用する方針を明らかにしました。

SAMAは、国内銀行にRippleソリューションを利用するためのリソースを提供する、初めての中央銀行になります。

リップル社とサウジアラビア通貨庁が提携、国内銀行を主導する
リップル(Ripple)社はサウジアラビア通貨庁(SAMA)と提携を結びました。国内銀行にリップルのブロックチェーンソリューションを導入するためのプログラムを提供する初めての中央銀行となります。中央銀行主導でブロックチェーンの普及に努めます。

このプログラムに参加する国内の銀行は、xCurrentを利用することになります。

②海外銀行

1月31日、スペイン最大手のSantander銀行は、xCurrentを利用した一般消費者向モバイル決済アプリを年内にリリースすると発表しました。

サンタンデール銀行はリップル社の技術で稼働するAppを4カ国で展開予定
サンタンデールは2017年の業績説明会でリップル社の技術で稼働するアプリをスペイン、ブラジル、イギリス、ポーランドの四か国で運用開始することを公表しました。

実現すれば、銀行が運営するブロックチェーンベースの消費者向けアプリとしては世界初の事例になります。

③国内銀行(内外為替一元化コンソーシアム)

内外為替一元化コンソーシアムは、SBI Ripple Asia株式会社による、次世代送金インフラ整備を目的としたプロジェクトです。

内外為替一元化コンソーシアムは、内国為替と外国為替を一元化し、24時間リアルタイムでの送金インフラを構築することを目標にしています。

内外為替一元化コンソーシアムのRCクラウドで構築されているのは、xCurrentです。

現在、みずほフィナンシャルグループ、三菱東京UFJ銀行など61行が参加しています。

内外為替一元化コンソーシアム参加企業一覧はこちら↓

【SBI発表まとめ】リップルの技術を利用した外国為替を2017年度実行予定
SBIとSBI Ripple Asiaが主導する内外為替一元化コンソーシアムにおいて、外国為替商用利用が2017年度内に行われる予定と発表されました。このプロジェクトには、三井住友銀行やゆうちょ銀行等のメガバンクも含めた61行が参加しています。

④一般企業

xCurrentは、主に銀行によって採用されていますが、一般企業が採用する事例もあります。

2月7日、中国決済サービスプロバイダーのLianLian Payが、xCurrentソリューションを採用することを明らかにしました。

中国の決済サービスプロバイダーがRippleNetに参加
2月7日にLianLian Payが、既存の顧客に向けてブロックチェーン上で同日に国際間取引を完了させるリップル社のxCurrentソリューションを採用することを明らかにしました。

xRapidを採用する企業:主に送金業社向け

現在のところ、以下の5つの企業がxRapidの採用または試験的運用を表明しています。

Cuallix

XRP通貨が実際に使われるかについて長らく懐疑的な意見が多く挙がっていましたが、2017年10月10日、Cuallixが米国からメキシコへの試験送金を行い、xRapidを利用したクロスボーダー決済に成功した世界最初の事例となりました。

リップルの功績と将来性、16日のSWELLまでに知っておくべきこと
リップル仮想通貨トークンXRPを使用しているxRapidを活用した世界で初めての実送金が成功しました。アメリカメキシコ間で送金が実施され、XRPがブリッジ通貨として入った形です。

MercuryFXとIDT Corporation

1月24日には、個人間決済サービスを行うIDT Corporationと、外貨両替事業を行うMercuryFXが、xRapidを採用すると報じられました。

IDTとMercuryFXがXRPを採用する新たなRipple社のパートナーに
IDTとMercuryFXの2社はRipple社のxRapid(XRPを利用した送金方法)を利用し、取引の迅速化を目指します。xRapidはMoneyGramとCuallixにも採用され、XRPの実用化が進んでいることが分かります。

大手国際送金企業:MoneyGramとWestern Union

Ripple社CEOは1月5日、5大送金企業のうち3つの企業が、今年中にXRPトークンを使用することをTwitter上で明らかにしました。

リップル社は3つの大送金企業が2018年度XRPを使用する見通しを公言
リップル社はTwitterで、今年世界規模の5大送金企業のうち3つの企業が、リップルのXRPトークンを会社の支払いシステムで使用することを明らかにしました。

1月11日、MoneyGramはXRPを使用することを公式発表し、xRapidを実験的に運用しています。

MoneyGramは米国テキサス州を拠点とする、大手国際送金サービス企業です。

世界200の国と地域に約35万拠点の取扱店ネットワークを構築しており、世界中の400以上の銀行口座に直接送金することができます。

MoneyGram「早い、簡単、信頼できる」送金をモットーにしており、XRPを用いた送金は、MoneyGramの理念に則っています。

MoneyGram社、XRPを活用し決済迅速化へ
世界大手送金企業MoneyGram社がRipple社のxRapidを活用し、クロスボーダー決済の低コストかつ迅速化を目指します。XRPの活用によって多くの金融機関が長年抱えてきた流動性問題が解決するでしょう。

また、2月15日には、Western UnionがXRPの送金テストを行っていることが明らかになりました。

今後XRPの使用を正式に表明する可能性があります。

Western Union社は、米国を拠点とする、金融および通信事業の会社です。

160年の歴史を持ち、全世界の約200ヶ国で個人送金、企業支払と貿易業務を代行しています。

Western Unionの取扱店は全世界500,000ヶ所、日本でも210ヶ所以上あります。

世界最大級の送金企業Western Unionがリップル社と共にブロックチェーン試用開始
世界最大の送金サービスを提供するWestern Unionが、ブロックチェーン基盤決済の試用をリップル社と行います。Western Unionは、160年の歴史を持ち、全世界の約200ヶ国で個人送金、企業支払と貿易業務を代行を行う企業です。

xViaを採用する企業:主に一般企業向け

Ripple社は、2017年10月、IFX、Currencies Direct、TransferGoと、xViaの契約を報じています。

IFXは、英国を拠点とするFXコンサルタント会社です。

Currencies Directは、英国に本拠を置く国際送金サービス・プロバイダーです。

TransferGoは、英国を拠点とする、出稼ぎ労働者向けの決済サービスプロバイダーです。

まとめ

上記のように、Ripple社はxCurrent、xRapid、xViaなどのいくつかのプロダクトを提供しています。

このうち、XRPを利用するxRapidを企業が採用することこそが、XRPの価格上昇に最も大きな影響を与えると考えられます。

xRapidではなくても、企業がRipple社のプロダクトを採用すれば、その企業が将来的にXRPを利用する期待からXRPの価格が上昇する可能性もあります。

銀行がリップルプラットフォームのみを採用、XRPを利用しなかったら価格はどうなるか?
銀行によってXRPが直接的に使われなかったとしても、支払いをする企業にとって、XRPは活動をより低コストで迅速にするための非常に魅力的な通貨です。今後銀行にどのような形で取り入れられても需要は上がっていき、結果価値も上昇していくのではないかと考えています。

Ripple社と企業との提携が発表された時、その企業がどのプロダクトを採用するのかについても注意する必要があります。

リップルニュース一覧
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/19 火曜日
16:29
世界最大の機関投資家GPIF、ビットコインや金対象の運用資産多様化について情報提供求める=報道
株式市場のクジラとして知られる年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、仮想通貨ビットコインや金を含む「低流動性資産」等に関する情報やアイデア募集を開始した。将来的に分散投資・資産運用の一環でポートフォリオにBTCを組み入れる可能性を示唆した。
13:02
ビットコイン1000万円台割り込む、高騰していたアルト急反落にも警戒感
暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコインが続落。日本円建て価格で1000万円台を割り込んだ。イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などアルトコイン相場の方が下げが顕著で警戒感が強まりつつある。
11:35
CZ氏、世界の子どもに向けた「Giggleアカデミー」を立ち上げ
仮想通貨取引所バイナンスのCZ前CEOは、世界の子どもに基礎教育を無料で提供するプログラム「Giggle Academy」を立ち上げると発表した。
11:00
アバランチ財団、ミームコイン5種の保有を発表 
アバランチ財団が暗号資産(仮想通貨)AVAXのエコシステム支援のため、Coq InuやTechなど5種類のミームコイン保有を公表。コミュニティ活性化の一環として選ばれた。
10:20
今後ビットコイン現物ETFにさらなる資金流入可能性 CoinShares分析
仮想通貨投資企業CoinSharesのアナリストは、ビットコインには今後数か月の間に需要急増が起こる可能性があるとの見解を述べた。
08:20
ミームコイン熱狂でソラナのGoogle検索数急増、2018年ICOブームに類似との懸念も
次にヒットするミームコインを探すトレーダーや投資家は「BOME」プレセール型ローンチをはじめ、さまざまなプレセール型ミームコインに資金を流入させ、その多くが「出口詐欺」であることが確認されている。
07:15
SCB銀、イーサリアム現物ETF承認の今後の影響を分析
仮想通貨イーサリアムの現物ETF承認なら最初の1年で6兆円超の資金が流入する可能性があると、英大手銀行のスタンダードチャータード銀行が分析。今後のイーサリアムやビットコインの価格予想もしている。
06:20
OKX、欧州でUSDT通貨ペアを廃止 MiCA法準拠で
USDTはOKXやバイナンス、Bybitなど集権型取引所の出来高の根幹となっているためUSDTペアの廃止は取引所の収益に打撃を与えることになる。
05:50
AI・DePIN関連銘柄「Akash」、コインベースに新規上場
半導体大手エヌビディアが今週「NVIDIA GTC AI 2024」を開催することから、思惑買いで先週末にAKTやRender、ワールドコインなどのAI仮想通貨銘柄は一時的に値上がりしたが、その後反落。
03/18 月曜日
19:46
プライバシー保護と相互運用性に特化した「Partisia Blockchain」の魅力とは 専門家が動画解説|WebX STUDIO
企業や自治体からも注目される、秘匿マルチパーティ計算(MPC)を用いてプライバシー保護と相互運用性に特化したPartisia Blockchainとは。コミュニティサポーター「ぐぬぐぬたい」氏がCoinPost YouTube番組「WebX STUDIO」に出演し動画解説を行なった。
15:25
「Web3の未来をリードするのはアジアの国々」Parity Asia製品工学トップが見解示す
ブロックチェーンインフラ企業Parity Technologies Asiaは、日本で昨年開催されたWebX2023実績などを踏まえ、アジア太平洋地域の国々がWeb3の未来を形作る上で主導権を握るとの考えを明らかにした。
12:47
米検察、FTXのサム前CEOに懲役40年以上を求刑
米検察当局は、22年11月に破綻した仮想通貨取引所FTXの前サム・バンクマン=フリードCEOに懲役40年から50年の判決をくだすよう裁判所に要請した。弁護側は緩和を求めている。
12:35
イーサリアム現物ETFが5月までに承認される確率は? 海外アナリスト6名が見解述べる
米各社のアナリストら6名は、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム現物ETFが今年5月までに承認される見通しについて議論し見解を述べた。承認の上でのハードルなどについても意見している。
12:31
ビットコイン一時65000ドル割れも反発、ソラナは時価総額4位に浮上
暗号資産(仮想通貨)市場では週末にかけて急落していたビットコインが反発。前週比30%高のソラナ(SOL)はBNBを超え、時価総額4位に浮上した。
03/17 日曜日
11:00
週刊仮想通貨ニュース|ETHのDencunやBTCの7万ドル割れに高い関心
今週は仮想通貨イーサリアムの大型アップグレードDencunの完了、ビットコイン価格の急反落、米金融大手JPモルガンのビットコイン現物ETF分析に関する記事が最も関心を集めた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/03/22 18:30 ~ 21:00
東京 東京都江東区
2024/03/28 15:00 ~ 18:00
東京 東京日本橋タワーB2階
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
重要指標
一覧
新着指標
一覧