CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨 ゴーレム(Golem)とは?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

余ったコンピュータリソースを共有するプロジェクト
使っていないコンピュータの計算能力を別の人に使ってもらい、使われた計算能力に対して使用料が支払われます。
プロジェクトが実現すると世界中のビジネスに影響が出る
個人でハイスペックなパソコンを持つ必要がなくなり、誰でも高価なスーパーコンピュータと同じ計算力を利用出来るようになります。
技術的ハードルが高い
複雑なプロジェクトのため実現可能性において解決すべき課題や技術的な問題が多く存在します。
目次
  1. 概要
  2. 歴史
  3. 特徴
  4. 取引所
  5. ウォレット
  6. マイニング
  7. まとめ

概要

通貨コード GNT
取引開始日 2016年11月17日
承認アルゴリズム
発行上限 10億GNT
ブロック生成サイクル
公式ページ Golem公式サイト
ブロックチェーンURL ブロックチェーンサイト
White paper White paperページ

ゴーレム(Golem)は、コンピュータリソースをP2P(個人対個人)で取引する「分散型スーパーコンピュータネットワーク」を目指して作られました。厳密に述べるとゴーレムはイーサリアムプラットフォーム上に構築されたプラットフォームの名前であり、そこで支払われるトークンの単位がGNTと呼ばれています。

歴史

ゴーレム(Golem)はICO前である2015年に、中国大手自動車部品メーカーのWanxiang Blockchain Labsのスポンサーシッププログラムによる資金援助を受けた事を発表しました。

そして2016年11月のクラウドファンディング(ICO)において販売された10億GNTが30分程度で完売し、当時のレートで約860万ドルもの資金調達に成功しました。

ICO後は1〜2円の間を推移していました。仮想通貨元年とも言われる2017年に入り、仮想通貨全体が値上がりした結果ゴーレムも6月には最高値80円台にまで値上がりしています。

しかし、ゴーレム(Golem)はロードマップ(行程表と呼ばれる目標とその達成までの過程の計画)4年間と長い期間を設定していることから分かるように、非常に複雑なプロジェクトであるため、実現可能性について疑問を呈される事が多いため価格は下がり続け、現在(2017年7月)では20円台後半で安定しています。時価総額は仮想通貨全体の26位で、これは同じイーサリアムプラットフォームのAugurと同程度の時価総額です。

特徴

ゴーレム(Golem)の目指す世界中のコンピュータリソースの共有とは、つまり使っていないコンピュータの計算能力を別の人に使ってもらい、使われた計算能力に対して使用料が支払われる仕組みです。コンピュータの計算能力は最大まで利用している時間がそこまで多くありません。シェアリングエコノミーと呼ばれる考え方が応用されていて、同様の計算リソース共有プロジェクトとしてMadesafe、MITのEnigmaがあります。

ブロックチェーンを使用することで、各コンピュータが必要とするハードウェアのリソースを提供し、ここに支払いシステムが搭載されます。ゴーレム(Golem)はイーサリアムプラットフォームを利用しているので、送金手数料が安いイーサリアムを少額決済に用いて、小規模からでも柔軟にコンピュータリソースを提供することができます。

ゴーレム(Golem)においてはプロバイダーとリクエスターの二種類のユーザーが存在します。

プロバイダーとは使っていないコンピュータリソースを提供するユーザーのことです。リソースを提供した見返りにGNTを通じて報酬を受け取ります。

リクエスターとはコンピュータリソースを購入するユーザーのことです。リクエスターはプロバイダーから提供されたコンピュータリソースを購入することで、分散型スーパーコンピュータを利用できます。

プロジェクト実現後の将来図

ゴーレム(Golem)のプロジェクトが実現した場合、世界中のビジネスが大きく変わることになるでしょう。個人でハイスペックなパソコンを持つ必要がなくなり、世界中のコンピューターが有効活用され、何千万円以上もするようなスーパーコンピュータと同レベルの計算能力で複雑な計算を実行することが出来ます。

例えば株式市場の予測から大規模なデータ分析、整数分解のような暗号化作業、AIによる壮大な量の情報取得や学習など、ビジネスの幅は広がっていきます。これらはゴーレムの潜在的な使用事例における氷山の一角に過ぎません。

そしてパソコンの寿命は約4年と言われています。いくら高価なパソコンを購入しても、何年か経てばそれよりも良いパソコンが増えていきます。しかしゴーレム(Golem)プロジェクトが実現した場合は、分散型スーパーコンピュータを使用料金を払うだけでいつでも使うことが出来るのですから、そのような心配をする頻度も大きく減るでしょう。

ロードマップでは将来の展望、システムの拡張について多く触れています。

  • P2P(個人対個人)の経路制御と取引に基づく決済システム。例:イーサリアムのRaiden Networkなど。
  • 外部の分散化された身元確認サービス。例:イーサリアムのuPortなど。
  • タスクの検証や信頼性評価の外部システム。例:イーサリアムのTrueBitなど。

技術的ハードルの高さ

このようにゴーレム(Golem)は非常に先進的なプロジェクトではありますが、上記で述べたように実現可能性においてまだ解決すべき課題がいくつも残っています。

決済が多くなった場合
マイクロトランザクション(仮想世界の商品やサービスを少額で購入できるシステム)で大量に処理する必要があります。
レピュテーションシステムの構築
つまりはコンピュータ端末の評価をするシステムを構築する必要があります。
スケーラビリティ問題
P2Pネットで大量のデータや処理をするためのスケーラビリティ(コンピュータの持つ拡張性、柔軟性)問題を解決する必要があります。
リソース割当の問題
空いているコンピュータ端末を探したり、効率の良いタスク割当などによる計算効率向上方法の模索する必要があります。

ロードマップ4年間の要因は様々な所に存在し、プロジェクトの実現可能性に疑問が呈される一因となっています。

取引所

2017年7月現在、国内の取引所では取り扱っていないため、海外取引所にビットコインを送金してビットコイン建て、もしくはイーサリアム建てで購入することしか出来ません。日本円やテザー(USDT)建てで購入することは不可能です。

取り扱い取引所CoinPost記事(リンク張る)
Poloniex(ポロニエックス)とは?
Bittrex(ビットトレックス)とは?
Cryptopia調査中

ウォレット

使いやすさで言えばスマートフォンでも扱えるjaxxがおすすめです。2017年6月にハッキング被害に遭ったウォレットでもあるので、不安な方はExodusかEthereum Wallet and Mistを使いましょう。しかしどちらも日本語の情報が少ないので注意が必要です。Ethereum Wallet and Mistでゴーレム(Golem)を扱うためには設定が必要です。

公式ページ(英語)に設定方法が書いてあります。

jaxx公式:https://jaxx.io/
Exodus公式:https://www.exodus.io/
Ethereum Wallet and Mist公式:https://github.com/ethereum/mist/releases

マイニング

ゴーレム(Golem)は計算力を提供しブロック認証作業の報酬を受け取るビットコインのマイニングとは違い、CPUやメモリのレンタル料で報酬が支払われる仕組みです。よって所謂マイニングというものではありません。

まとめ

ゴーレム(Golem)は技術的に壮大なプロジェクトであるため、実現可能性が最も注目されています。実現すると世界中のビジネスを大きく変えることは間違いないため、注目すべきプロジェクトではあります。よってGNT価格は開発の進捗状況で大きく変化していくでしょう。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/20 土曜日
18:00
TON、Telegramのユーザーに照準 トンコイン奨励金を提供
Telegramのウォレットがサポートするブロックチェーン「TON」の手数料削減と、1,100万TONのインセンティブプログラムを開始。特に500万単位の暗号資産(仮想通貨)TONがTelegramユーザーに報酬として付与される。
16:30
日銀、CBDC戦略の中間報告を公表 想定モデルと5つの課題
日本銀行が公表したCBDC中間整理報告書の主要論点や影響について解説。CBDCの導入方針やデジタル通貨の未来についての展望を探る。
12:30
コスモス基盤のInjective、Web3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能提供
レイヤー1ブロックチェーンInjectiveは、Jamboテクノロジーと提携してWeb3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能を提供すると発表した。
12:00
知らずに損しているかも?取引所選び 3つの注意点
ビットコインなどの投資初心者に大事な暗号資産(仮想通貨)取引所選びと、後悔しがちな代表的な失敗事例3つを解説。手数料、価格、取扱銘柄の違いを比較し、最適な仮想通貨取引所を見極めるポイント、賢い投資戦略と失敗回避のためのチェックリストも提供。
10:30
ソラナWeb3ゲーム「Nyan Heroes」、Epicのストアでトップ30入り
ブロックチェーンゲーム「Nyan Heroes」はEpic Games Storeで最もプレイされたゲームでトップ30以内に入った。今後NFT機能や独自の仮想通貨も導入する予定だ。
09:15
ビットコイン、4度目の半減期完了 報酬が3.125 BTCに
直近の米経済指標(3月の雇用統計やCPI等)が景気の堅調さを改めて示しているため、FRBが利下げを急ぐ必要がなくなりつつあるとの観測が高まってきており、仮想通貨や株のようなリスク資産をさらに押し上げる力は弱まってきたようだ。
08:25
BTCクジラが1900億円相当のビットコイン押し目買い、エヌビディアなど大幅安|金融短観
19日のアジア時間はイスラエルがイランに対して報復攻撃を実施したとのメディア報道が嫌気され日経平均指数や上海総合指数などは大きく下がったが、その後攻撃の規模が限定されており核施設に被害はなかったとの報道を受け米国の株式市場ではこのニュースへの反応は見られなかった。
06:45
Magic Eden、BaseチェーンのNFTに対応へ Open Editionミントも予定
Magic Edenは現在NFTマーケットプレイスのランキングで1位。ビットコイン半減期を背景に需要が高まるビットコインOrdinalsおよびビットコイン上の「Runes」への期待が出来高を押し上げている。
06:15
マイクロストラテジーのセイラー会長、自社株売却で570億円の利益
マイクロストラテジーの株価は仮想通貨ビットコインの3月の高騰に伴い3月27日に1,919ドルまで値上がりした。同株は年初来+71.37%のパフォーマンスを見せた。
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧