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ビットコインが世界の準備通貨となる可能性=The Price of Tomorrow著者

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインが準備通貨になる可能性

世界の主要国で異次元の金融緩和が継続する中、多数の著名人がその危うさを警告している。カナダのテクノロジー企業「BuildDirect」を成功に導いた著名起業家で、今年注目を集めている金融本「The Price of Tomorrow」(明日の価格)の著者、Jeff Boothもその一人だ。

VCイベントの企画運営会社「Cambridge House International」のインタビューで、Boothは現在の経済システムが直面している問題とビットコインの果たす役割について語り、ビットコインが将来、世界の準備通貨となる可能性が高いと主張した。

コロナ禍が経済システムの歪みを加速

「The Price of Tomorrow」が執筆、出版されたのは、新型コロナウィルスの感染が世界的に拡大する以前だったが、その内容は現在の状況にも適合しているという。ただし、Boothはコロナ禍が、現行の経済トレンドや金融緩和をさらに加速したため、以前より状況を楽観視していないと述べた。

Boothは、この20年で約4倍に膨らんだ世界の債務問題が危機的状況にあることを警告している。2000年にGDPの約2倍の62兆ドルだった累積債務は、2020年初頭には247兆ドルとなりGDPの3倍となっていると指摘。

さらに、コロナ禍の経済への打撃を緩和するために、各国中央銀行がこぞって法定通貨を印刷しているため、状況はさらに悪化し、資産インフレを招いているという。

そんな中、資産防衛のため、金(ゴールド)とビットコインへの投資が注目されているが、どちらも「健全なお金」を希求する心理において共通しているとBoothは言う。金は歴史的に見れば、その価値保全の有効性が証明されているが、物理的な移動に制限がある金に比べて、「いくつかの単語を覚える」だけで世界中何処へでも移動できるビットコインは、より効果的な投資対象だと主張。安全性を考慮しても、ビットコインの「携帯性」は重要だと述べた。

そして急速な勢いでテクノロジーが発達を続ける今日、ビットコインがどのように設計されているかを考慮すると、金ではなく、ビットコインが世界の準備通貨となる可能性が高いと、Boothは強調した。そして、最終的には法定通貨がビットコインにペッグされることになるだろうと予想している。

インフレとデフレ

Boothの著書の副題は「デフレが豊かな未来の鍵を握る理由」であり、インタビューでもその持論を展開した。Boothによると、デフレこそが自然の摂理であり、デフレを阻止しようとすることが経済問題の根源だと言う。

テクノロジーは、本来、生産活動の効率をあげ、デフレを推進するものであり、テクノロジーの進歩によって社会は大きな恩恵を受けてきた。例えばスマートフォンは単なる電話ではなく、カメラや地図をはじめ、数多くの便利な機能が無料アプリで使用できるようになった。Boothはテクノロジーを使用することで効率が上がり、その効率性は運輸、農業、エネルギー、医療に至るまで、あらゆる産業の未来を大きく変えることになると考えている。そして、テクノロジーが普及することにより、人々や社会はより低いコストで、豊かな生活を享受できるようになるはずだと言う。

しかし、そのようなテクノロジーがもたらすデフレ効果を克服しようとする金融政策、つまり債務を拡大することでインフレと成長率を維持しようとする中央銀行の金融緩和政策が、相反する方向へ競合しているのが現在の状況であるとBoothは説明した。デフレ圧力が高まると負債の返済が困難になり、経済崩壊を誘発する恐れがあるため、現在の経済システムを維持するためにインフレと成長は欠かせず、中央銀行や政府は金融緩和や、超低金利政策、また銀行や企業への救済措置によって、物価を維持し、システムを生き延びさせようとしている。

このような悪循環に陥った経済システムを救済できる可能性は非常に低いとBoothは見ている。そして、テクノロジーがもたらした構造的な変化を理解せず、時代遅れとなった経済システムの改革には大きな痛みを伴うことになるだろうと述べている。

そして、このような状況で生き残るための投資の選択肢として、ビットコインは最上位の手段であり、「救命艇」となるとBoothは強調した。

出典:CHI インタビュー動画

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