CoinPostで今最も読まれています

ヴィタリック氏:イーサリアムに賃貸料モデルを提案|持続可能なシステムを目指す

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

賃貸料モデルがノードが保存する増加するデータ量の問題を防ぐ
イーサリアムデータの断片であるステートに対し、保存期間に基づいて手数料を計算するというものです。イーサリアムのストレージ賃貸料モデルは、ストレージの誤った価格付けを防ぎ、ステートが膨張しすぎることを防ぎます。

新しい手数料を追加することは、イーサリアムが長期的に持続することにつながるのでしょうか。

この問題は、ユーザーが、いつ、どのようにして、どのくらいの金額をグローバルコンピューティングネットワークに支払うべきかについて、ブロックチェーンを横断して行われている論争です。

このコンセプトは現在、Vitalik Buterin氏(以下、Buterin氏)の提案したコンセプトによって、イーサリアムで大きな注目を集めています。

「賃貸料」モデルによって増加するデータ量の問題を解決する

最近のブログ記事で説明されているButerin氏のコンセプトは、いわゆる「賃貸料」を中心にしています。

このコンセプトの下では、データをブロックチェーン上でアクセス可能な状態にしておく期間に応じてネットワークの使用料が課せられます。

イーサリアムプラットフォームの普及の拡大により、すべてのネットワークノードが保存しなければならない追加データ量が増加している現在、このアイデアは最近広く関心を集めています。

現在のイーサリアムプラットフォームは、共有地の悲劇と呼ばれる状態に近いです。

共有地の悲劇は、あまりにも多くの人々がイーサリアムプラットフォームのようなリソースを無料で使用することで、ネットワークに属する各個人に多くのコストがかかるような現象です。

人気アプリやICOによって利用者が拡大していることから、イーサリアム開発者であるVlad Zamfir氏やPhil Daian氏(以下、Raian氏)などの著名な開発者たちは、今すぐ問題に対処する必要があると考えています。

イーサリアムの開発者でティールフェローシップフェローのRaul Johnson氏は最近以下のようにツイートしています。

誰も賃貸料について話したいとは思っていませんが、私たちはこの会話をする必要があります。

コア開発者は、この情報をスマートコントラクト開発者コミュニティであるASAPに中継して、この問題についての意見を求める必要があります。

現在のシステムは持続不可能です。

Buterin氏が提案する賃貸料モデル

Buterin氏のアイデアは、ノード運営者が保存する必要がある特別なイーサリアムデータの断片であるステートを、保存期間に基づいて料金を計算するというものです。

イーサリアムデータは、すべてのアプリに関する現在の情報を誰が保有しているかを追跡します。

この提案では、ノードコンピュータのRAMに格納されているステートデータ(現在は約5GB)が500GBを超えることは許されません。

この上限を超えないようにするために、ユーザーはデータの保存期間に基づいて料金を支払う必要があります。

ストレージがその限界に近づくと料金が増加するため、データはチェックされ続けます。

Buterin氏の提案の注目すべき点の1つは、イーサリアム開発者が長らくプラットフォームに追加したいと考えていたスケーリング問題を解決するシャーディングが含まれていることです。

シャーディングは、データを分割することによってデータベースが処理できるリソースの量を潜在的に増加させる方法です。

各ノードがイーサリアムのすべての履歴データを格納する必要はなく、その断片だけで良いというのが、このアイディアです。

Buterin氏は次のように語っています。

シャーディングでは、受け入れ可能な最大サイズはシャード単位であるため、上記の手数料は100分の1に削減されるでしょう。

Buterin氏の2つ目の提案:ユーザエクスペリエンスの改善

Buterin氏はまた、賃貸に関する別の重要な問題、すなわちユーザーエクスペリエンスの悪化を解決しようとしています。

今日のほとんどの賃貸に関する提案では、データを事前に保存する必要がある時間を知っておく必要があります。

彼の2つ目の提案は、期限切れになった後でもユーザーが自分のステートを使用できるようにすることによって、この厄介な推測ゲームを打ち消す方法を探るものです。

本質的に、彼らはMerkle proofと呼ばれる暗号技術の助けを借りて、以前の時点で存在していたことを証明します。

手数料とストレージのデータ量のトレードオフ

しかし、このアイディアの問題点は、税金のような手数料は決して人気がないということです。

例えば、ビットコインの長年にわたる議論では、主に手数料とそれに関連するトレードオフが中心となっていました。

手数料が増加すると、蓄積されるデータが少なくて済み、ノード全体を簡単に実行できます。

一方で、仮想通貨の使用をより高価にするという欠点があります。

Johnson氏は、開発者に調整の時間を与えるために、変更は突発的なものではなく、徐々に段階的に移行する必要があると主張しています。

イーサリアムの賃貸料モデルは仮想通貨全体のスケーリング問題を解決するか

言うまでもなく、同様の賃貸料は全ての仮想通貨に適用する必要があると考える人もいます。

実際、スケーリングの問題やそれに関連する手数料は、ブロックチェーン全体の問題です。

Daian氏は、ビットコインが同じモデルを適用する必要があると主張していました。

イーサリアムのように、ビットコインは現在、コインが長期的に持続するための手数料を徴収していません。

Daian氏は、ビットコインの単純なモデルが、あらゆる方法でステートを膨張させるインセンティブを与えていることを指摘しています。

ビットコインはこれらの問題から解放されていません。

ユーザーは、ストレージの誤った価格付けによる様々な悪影響に晒されています。

リソースに適切な価格付けを行うことは重要な研究分野であり、IC3のスマートコントラクト研究者であるDaian氏と研究所のその他の研究者が、この問題に取り組むためにプロジェクトシカゴというイニシアチブを立ち上げています。

Daian氏は次のように結論付けました。

これまでのいかなる仮想通貨もこれらのリソースの価格設定のための良いモデルを見つけられておらず、イーサリアムのストレージ賃貸料はこれらの目標に向けた正しい方向への一歩を踏み出しています。

Vitalik Wants You to Pay to Slow Ethereum’s Growth

Mar 27, 2018 by Alyssa Hertig

参考記事はこちらから
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/23 火曜日
19:00
メゾンマルジェラ MetaTABI NFT発売
メゾンマルジェラがMetaTABI NFTを一般販売開始。デジタル専用設計のタビシューズはThe Fabricantとのコラボで、限定版タビブーツとレザーウォレットが付属。今後のWeb3ブランドイベントにも参加可能。
18:00
ライフカードVプリカ 仮想通貨で購入可能に
ライフカードが暗号資産(仮想通貨)決済サービス事業者Slash Fintechと提携。2024年5月15日から「Slash Vプリカ SHOP」でステーブルコイン等を使ったVプリカギフトの販売を開始する。インターネットショッピングやオンラインゲーム等、デジタルサービスでのプリペイド決済が拡大する見込み。
14:00
ベネズエラ、石油取引で仮想通貨使用を加速か
ベネズエラの国営石油会社PDVSAは原油と燃料の輸出において、暗号資産(仮想通貨)の利用を増やす計画だ。背景には米国による制裁再発動がある。
13:00
SEC弁護士2名が辞任、「重大な権力乱用」と非難受け 
米仮想通貨企業Debt Boxに対する訴訟において、連邦地裁が「重大な権力乱用」を理由に米国証券取引委員会に制裁を課したことを受け、同委員会の担当弁護士2名が辞任したことがわかった。
12:00
「スイス中銀はビットコインを準備資産に持つべき」2B4CHが提唱
スイスの仮想通貨擁護団体「2B4CH」は、スイス国立銀行がビットコインを準備金として持つことを提唱している。国民投票を目指す計画だ。
11:00
米大統領候補ケネディJr氏、ブロックチェーンによる国家予算監督を提唱
米大統領選候補のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は21日、米国の国家予算をブロックチェーンに記録して透明性を高めるという考えを披露した。
10:12
NY証券取引所、取引時間の延伸を検討か
仮想通貨と同様に株式等を24時間取引できるようにすることのメリットなどを、ニューヨーク証券取引所が市場参加者に調査していることがわかった。調査の概要が明らかになっている。
09:25
Xverseウォレット、ビットコインRunes機能対応
XverseはOKXのOrdinalsマーケットプレイスや、Magic EdenのビットコインNFT電子市場で利用可能だ。ライバルの仮想通貨ビットコイン専用ウォレット「UniSat」もRunesに対応済み。
08:00
FTX、ロックされたソラナを個人投資家参加のオークションに
FTXは4月上旬ロックされたSOLを清算するために、高割引として、2,500万~3,000万の仮想通貨SOLを約19億ドル相当で売却。これは、1トークン=64ドルの安値だったが、当時の価格は約175ドルだった。
07:15
スクエニ「シンビオジェネシス」、世界展開をアニモカJPが支援
スクエニのNFTコレクティブルアートプロジェクト「シンビオジェネシス」の世界展開を支援するとアニモカブランズジャパンが発表。400社超のWeb3企業に投資するアニモカブランズのネットワークも活用する。
06:45
Magic Eden、ビットコインのミームコイン規格Runesに対応
Runesはビットコインの4度目の半減期が発動した4月20日にローンチされたビットコインメインネット上で代替可能な新規ミームコインを発行するプロトコルで、既存のBRC20トークン規格の改善版に当たる。
05:55
コインベース、AI・ゲーミング仮想通貨銘柄新規上場
KARRATプロトコルは、仮想通貨KARRATによってサポートされた分散型ゲームインフラストラクチャレイヤーで、ゲーム、エンターテインメント、AI主導の体験進化を加速させることを目的としている。
04/22 月曜日
14:47
ビットコインの新規格「Runes」、半減期後の需要殺到でBTC取引手数料が急騰
半減期直後の仮想通貨ビットコインにおいて、新規格「Runes(ルーン)」の影響が大きな反響を呼んだ。Ordinals(オーディナル)」開発者であるCasey Rodarmor氏が生み出したものであり、そのメリットに焦点が当たっている。
14:16
米ブロック社支援のマイニング企業Gridless、ケニアで再生エネルギーの利用促進
仮想通貨マイニング企業Gridlessは、アフリカ各国で太陽光や地熱を利用してBTCマイニングを行っている。地域の電力網にも貢献する仕組みだ。
12:20
マウントゴックス弁済巡る思惑強まる、公式サイトで日本円などの支払いオプション提示か
破綻した仮想通貨取引所マウントゴックスは、債権者への仮想通貨弁済について詳細を記した表を更新した.。返還金の売り圧も懸念されているところだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/24 11:30 ~ 13:30
その他 オンライン
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧