CoinPostで今最も読まれています

Slush Tokyo 2018で登壇した孫泰蔵氏に突撃インタビュー|仮想通貨への価値観

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

日本の大物実業家
孫泰蔵氏は、ソフトバンクの孫正義氏の弟であり、累計6,000万DL以上のメガヒットとなった人気ソーシャルゲーム「パズル&ドラゴンズ」で有名な「ガンホー」の創業者としても知られる大物実業家です。
仮想通貨の抱えるジレンマとは
孫泰蔵氏は、仮想通貨の問題点について、「本来は”価値交換の媒体としての通貨”であるはずなのに、価格が高騰して通貨自体の価値が高まれば高まるほど、みんなが自分の資産として蓄財する方向になり、結果的に流通しなくなるというジレンマを”本質的に孕んでいる”」と指摘しました。

今回は「Slush Tokyo 2018」に登壇された、孫泰蔵氏へのインタビューを掲載いたします。

CoinPostの突撃インタビューにご協力いただいた孫泰蔵氏に御礼申し上げます。

インタビュー内容一覧

―以前、ICOがベンチャーの資金調達を変えると語っていたが、現在のICOについてどう考えるか

結局、ICOは資金調達の手段に過ぎないわけで、それだけを取り上げて良し悪しはありません。

「何に使われるか」が全てであり、そういった意味では世界全体を見渡しても、何に使うべきかはっきり明示出来ていないのが現状です。

そういった中で、いわゆる”Decentralized(分権型)な新サービス”などを作り出そうという動きに対して、みんなが共感して資金援助するよという形でICO調達を行い、その中のトークンを回すというモデルができて、なおかつそれが成功した場合、それは”良いICO”と言えますよね。

そうではなくて、ただお金目当てでやっているのは”良くないICO”だよね、というだけの話です。

―この業界のエンジニアを増やしていくためにどのような動きが必要か

僕は、”環境をデザインする”ということをやっているので、実際に開発をしたり、勉強したりしている人たちが集まれるコミュニティができて、その中でみんなが切磋琢磨している状況を作って行くことが大事だと考えています。

そのようにして、「このコミュニティ面白い、ここにアクセスすれば色々学べるよね」という状況が増えて行けば、結果的に人材が増えてゆきます。

―現在の日本の仮想通貨規制についてはどう思うか

これに関しても、良し悪しはありません。 良いとか悪いとかいう判断は、歴史(結果)が証明するので、その最中に判断するのはなかなか難しいですね。

―決済としてのビットコインについてはどう思うか

ビットコインの問題だけでなく他の通貨もそうですが、本来は”価値交換の媒体としての通貨”なのに、その通貨自体の価値が高まれば高まるほど、みんなが自分の資産として蓄財する方向になり、結果的に流通しなくなるというジレンマを”本質的に孕んでいる”んですよね。

―「BTCよりBCHの方が決済手段として優れている」と主張する人も少なくないが、どう思うか

僕に言わせれば全部同じところであって、細かな差があったとしても「本質から見れば誤差の範疇」だと考えています。

本質的な「価値の交換」をどんどん加速させていった場合、つまりペイメントとして機能するために重要なのは、おそらくはペグされていないトークンなんですよ。

(正当性に関してはまだわかりませんが)フィアットにペグされていないトークンの「エコノミーモデル」というのが大事だと考えています。

それに、フィアットもフィアットで流動性問題もあります。それに対して少しづつクリプト(仮想通貨)が補完し始めていますが、まだ欠陥が多いという印象です。

でも、少しづつフィアットをアップデートするという形で、クリプトがいわゆるフィアットのエコノミーモデルをもう少し多様化するという点と、トークンエコノミー。この二つのエコノミーで「価値の交換」が行われていくんです。

―今後の世の中は、価値の交換。トークンエクスチェンジが広がっていくということか

その通り。今の経済支出の資本主義で「価値の交換」として計測できるのが、実際にお金で流通している部分だけなんです。

本当は価値の交換は世の中でたくさん行われているのですが、お金でやり取りされている部分しか計測ができていませんでした。

しかしトークンになると、デジタルになるので容易に計測できるようになります。

そうするとGDPのような経済指標や、取引高・取扱い高・売り上げ・利益など、いわゆる会計システムの中にもう一つトークンで計測できる指標が生まれてきます。

すると、既存指標で見ると「あまり流通してないから景気が停滞しているのかな…」と判断していたところが、新しい指標で見た時に「すごく交換されている(流通量が高い)からいいんじゃないか」となるなど、ものの見方が広がる世界になるのではないかと思います。

CoinPostの関連記事

Slush Tokyo 2018 Day1 登壇者プレゼンテーションレポート
Slush Tokyo 2018 1日目の登壇者プレゼンテーションレポートです。Ripple社 Stefan Thomas氏やイーサリアム財団Executive Director宮口礼子氏など、仮想通貨界隈の要人達のプレゼンテーション内容まとめ記事です。
Slush Tokyo 2018 Day2 |ConsenSys社 John Lilic氏の発表内容レポート
Slush Tokyo 2018 2日目のプレゼンテーションレポートです。界最大級のイーサリアムブロックチェーン研究のフィンテック企業ConsenSys社 John Lilic氏の、仮想通貨をより深く理解する、という趣旨の発表内容をまとめました。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/28 木曜日
17:35
分散型AIの3大プロジェクトが団結、新トークン「ASI」に統合へ
SingularityNET、Fetch.ai、Ocean Protocolが人工超知能連合を結成し、各プロジェクトの暗号資産(仮想通貨)を新トークンASIに統合する計画を発表。単一の分散型AIネットワークとしてリニューアルを目指す。AGIの父と呼ばれるベン・ゲーツェル博士が主導する。
15:58
ビットコインのレイヤー2「BEVM」ローンチ
BEVMがメインネットをローンチ。暗号資産(仮想通貨)ビットコインをガス通貨として利用するEVM互換のレイヤー2ネットワーク。シリーズAで数十億円を調達し、分散型ビットコインクロスチェーンカストディサービスを実現。
15:00
NEARプロトコル、マルチチェーン再ステーキング「LiNEAR」始動へ 
NEARプロトコルがChain Signaturesを導入、暗号資産(仮想通貨)の相互運用性を強化。ビットコインやイーサリアムなど複数のブロックチェーンをサポートする。オムニチェーン再ステーキングLiNEARが始動。
14:15
「イーサリアムが有価証券でもETF化は可能」ブラックロックCEO
仮想通貨イーサリアムに関しては、米国においてその法的ステータスが定かではない。CFTCは商品(コモディティ)と見做している一方、SECはETHに関係するスイスのイーサリアム財団を調査していることが先週報じられた。
10:45
Parallel Studios、VanEckやソラナベンチャーズから53億円調達
パラレルはイーサリアムメインネットおよびBaseチェーン上で稼働するものだが、先日発表された、コロニーのローンチ先がソラナのブロックチェーンであることや、今回ソラナベンチャーズが出資したことから、今後クロスチェーンでの展開が考えられる。
10:15
イーサリアム「BLOB」にデジタルアートを記録する方法 Ethscriptionsが導入
イーサリアムのチェーン上にデジタルアートなどを記録するEthscriptionsは「BlobScriptions」を発表。ブロブにデータを記録する方法となる。
08:10
21Shares、欧州でTONの上場取引型金融商品を提供
今月初めテレグラムは仮想通貨TONを正式に統合し広告収入をチャンネル所有者と共有し、TONブロックチェーン上でToncoinを使って報酬を支払うようになった。この動きが投資家からの需要を押し上げたようだ。
07:30
ブラックロック「BUILD」、一週間で240億円超の資金流入を記録
ブロックチェーン上でトークン化された現実世界資産(RWA)の運用を提供するOndo Financeからの10億円以上新たな資金もありファンドの規模は拡大中。
06:50
スクエニやソラナ財団、Elixir Gamesに21億円出資
Elixir Gamesは、ゲームローンチャー「Elixir Games Launcher」で、さまざまなWeb3ゲームを遊べるPCアプリを提供。また、Web3ゲームがNFTなどのゲーム内資産のセールを代行するローンチパッドで、ミントなどの機能を提供する予定だ。
05:50
SECに有利か、裁判官がコインベースの棄却申し立て認めず
その一方、裁判官は、コインベースが顧客が仮想通貨ウォレットアプリを利用できるようにしたときに、無登録ブローカーとして運営していたというSECの主張を取り下げることを決定した。
03/27 水曜日
17:25
Slash Payment、独自トークンのエアドロップ対象条件を発表
暗号資産(仮想通貨)決済サービスSlash PaaymentのエコシステムトークンSVLについて、エアドロップの参加条件が明かされた。分散型決済エコシステムの利益が、ステーキング参加者に還元。スナップショットまでに割り当てを増やすことも可能だ。
17:00
ビットコインなど仮想通貨投資の始め方|初心者が注意すべきリスクとおすすめ戦略
ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)投資の初心者向けスタートガイドを解説。基本戦略や知識、特に注意すべきリスクやセキュリティ対策を紹介し、「何歳から始められる?」のか、取引所ごとの年齢制限一覧も提供。
16:04
KDDIのNFT市場「αU market」、アニモカブランズとの連携開始
KDDIが展開する「αU market」で、『PHANTOM GALAXIES』の限定版NFT販売を開始。アニモカブランズが支援するブロックチェーンゲームとの連携施策の第一弾。暗号資産(仮想通貨)ウォレット「αU wallet」を接続して購入できる。
14:23
21Shares「半減期前のビットコインは、過去の歴史とは異なるダイナミクスを経験している」
スイスを拠点にする資産運用企業21Sharesは、仮想通貨ビットコインの半減期が市場に及ぼす影響について分析したレポートを発表。ビットコインは現在、過去3回の半減期とは、「異なる市場ダイナミクスを経験している」と指摘した。
12:23
ビットコイン7万ドル台で堅調推移、コインベース・プレミアムは強気から中立に
暗号資産(仮想通貨)市場では、半減期前のビットコインは過去最高値に迫る7万ドル台まで反発して堅調推移を辿る。米国の機関投資家動向を示すコインベース・プレミアムは強気から中立に転じた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/03/28 15:00 ~ 18:00
東京 東京日本橋タワーB2階
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
重要指標
一覧
新着指標
一覧