CoinPostで今最も読まれています

MyEtherWalletが使用するDNSサーバーがハッキングされる|公式対処法掲載

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

MyEtherWalletのDNSへの攻撃
MyEtherWalletが使用するDomain Name System(DNS)がハイジャックされたことで、MyEtherWalletにアクセスした際、フィッシングページにリダイレクトされる被害が発覚しました。確認されている被害総額は215ETH(約1600万円)以上に上り、関係者は注意喚起を行っています。

狙われる仮想通貨のウェブウォレット

仮想通貨イーサリアム(ETH)を保管することのできる代表的なウェブウォレットウォレットとして知られる「MyEtherWallet(MEW)」が、一部DNSサーバーのハイジャック被害に遭ったことが判明しました。

MEWは、イーサリアムだけでなく、イーサリアムクラシックやERC20トークン(Augur、Golem、OmiseGOなど)を保管しておけるウォレットであり、日本語にも対応しています。

さらに、クラウドセールへの送金や、CryptokittiesなどdAppsゲームのデジタル資産の購入など、多くの人々に使用されていました。

現時点で、少なくとも215ETH(約1600万円)の被害が確認されています。

DNSの脆弱性を突かれた可能性

4月24日、複数のMEWユーザーがMEWにオンラインでアクセスした際、不審な点があることを発見・報告しました。

結果的に、Domain Name System(DNS)登録サーバーがハイジャックされた形跡があり、MEWのドメインからフィッシングサイトにリダイレクトされていたことが判明しました。

MEWにアクセスしたユーザーは、知らぬうちにフィッシングサイトへ誘導されていたのです。

ただし、これはMEW側の問題ではなく、GoogleのDNSプロトコルによる欠陥ではないかと指摘されており、MEWに限らず、大手銀行を含むあらゆる組織に起こり得るセキュリティホールである可能性も指摘されています。

また同日、海外の最大手仮想通貨取引所「Binance(バイナンス)」も、GoogleDNSやAmazon Route 53を原因とする類似問題が発生しており、このことからもMEWのセキュリティ上の欠陥ではなく、「公共のDNSサーバーの脆弱性」をハッカーが突いた結果だと予測されています。

事件発覚直後、MEWの公式Twitterアカウントから、以下のような注意喚起が行われました。

複数のDNSサーバーがハイジャックされ、myetherwallet.comにアクセスしたユーザーがフィッシングサイトにリダイレクトされてしまう事例が発生した。 この問題は、@myetherwalletを原因とする不祥事ではないが、解決に向けてハイジャックされたサーバーの特定を急いでいる。

被害に遭ったユーザーの大半は、MEWの偽サイトにアクセスした際にポップアップされる「SSL警告」を無視して接続を試みていることが判明しており、MEWを使用する前に、”MyEtherWallet Inc”と表記された緑のSSL証明が施されていることを注意深く確認する必要があります。

さらに、MEWのローカル(オフライン)での使用を促し、それぞれの仮想通貨を補完するための「ハードウェアウォレット」の必要性についても言及されています。

MEWは、「同サービスの名を語り、ETHを配布するというツイート、reddit投稿、メッセージの類は安全のため無視する」ことを推奨しています。

MyCrypoからの対処法

この事件を受け、2018年初頭にMEWから派生した姉妹サイトの「Mycrypto」は、TwitterやRedditにて注意喚起を行い、対処法をまとめています。

(事件発生4時間以内に)秘密鍵、keystoreファイル、mnemonic phraseを使用してMEWにアクセスした場合

etherscan.io で自分のアドレスを確認し、ハッキングの被害を受けていないかチェックする

被害を受けていなくても、資金を他のウォレットに移動する。”送金作業を行う際には、絶対にサイト上では行わないこと”

MEWにおける、github.ioのオフライン手順サポート記事

(事件発生4時間以内に)MetaMask、Ledger Nano S、Trezorを介してアクセスした場合

ハードウェアウォレットに関して考えられるトラブルは、特定の時間内に送金された資金が他の受取先に渡ってしまうことです。現時点では被害は確認されていません。

この選択肢では、取引の署名や、アカウントのアクセスの際に、秘密鍵が晒されていないため、アカウント自体は比較的安全であると言えます。原因が解明され、詳細が明らかになるまで、MEWのウェブサイトを使用することは控えましょう。

(事件発生4時間以内に)秘密鍵、keystoreファイルを使用してアクセスしていない場合

MEWチームによって、この問題が解決されるまでMEWのウェブサイトにアクセスしないでください。好奇心はあなたの首を締めることになります。

今回の騒動

2017年にも「Etherdelta」というサービスが今回と同様、DNSサーバーの被害を受けており、仮想通貨関連のサービスがターゲットにされている現状があります。ある意味、中央集権的なシステムの失敗であるとも言えるでしょう。

その過程に中央集権的な部分が含まれている限り、使用する側も細心の注意を払い、自身の資産を守るために日頃から知識を蓄え、最大限の予防策を取っておく必要があります。

gualtiero boffi / Shutterstock.com

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/23 火曜日
19:00
メゾンマルジェラ MetaTABI NFT発売
メゾンマルジェラがMetaTABI NFTを一般販売開始。デジタル専用設計のタビシューズはThe Fabricantとのコラボで、限定版タビブーツとレザーウォレットが付属。今後のWeb3ブランドイベントにも参加可能。
18:00
ライフカードVプリカ 仮想通貨で購入可能に
ライフカードが暗号資産(仮想通貨)決済サービス事業者Slash Fintechと提携。2024年5月15日から「Slash Vプリカ SHOP」でステーブルコイン等を使ったVプリカギフトの販売を開始する。インターネットショッピングやオンラインゲーム等、デジタルサービスでのプリペイド決済が拡大する見込み。
14:00
ベネズエラ、石油取引で仮想通貨使用を加速か
ベネズエラの国営石油会社PDVSAは原油と燃料の輸出において、暗号資産(仮想通貨)の利用を増やす計画だ。背景には米国による制裁再発動がある。
13:00
SEC弁護士2名が辞任、「重大な権力乱用」と非難受け 
米仮想通貨企業Debt Boxに対する訴訟において、連邦地裁が「重大な権力乱用」を理由に米国証券取引委員会に制裁を課したことを受け、同委員会の担当弁護士2名が辞任したことがわかった。
12:00
「スイス中銀はビットコインを準備資産に持つべき」2B4CHが提唱
スイスの仮想通貨擁護団体「2B4CH」は、スイス国立銀行がビットコインを準備金として持つことを提唱している。国民投票を目指す計画だ。
11:00
米大統領候補ケネディJr氏、ブロックチェーンによる国家予算監督を提唱
米大統領選候補のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は21日、米国の国家予算をブロックチェーンに記録して透明性を高めるという考えを披露した。
10:12
NY証券取引所、取引時間の延伸を検討か
仮想通貨と同様に株式等を24時間取引できるようにすることのメリットなどを、ニューヨーク証券取引所が市場参加者に調査していることがわかった。調査の概要が明らかになっている。
09:25
Xverseウォレット、ビットコインRunes機能対応
XverseはOKXのOrdinalsマーケットプレイスや、Magic EdenのビットコインNFT電子市場で利用可能だ。ライバルの仮想通貨ビットコイン専用ウォレット「UniSat」もRunesに対応済み。
08:00
FTX、ロックされたソラナを個人投資家参加のオークションに
FTXは4月上旬ロックされたSOLを清算するために、高割引として、2,500万~3,000万の仮想通貨SOLを約19億ドル相当で売却。これは、1トークン=64ドルの安値だったが、当時の価格は約175ドルだった。
07:15
スクエニ「シンビオジェネシス」、世界展開をアニモカJPが支援
スクエニのNFTコレクティブルアートプロジェクト「シンビオジェネシス」の世界展開を支援するとアニモカブランズジャパンが発表。400社超のWeb3企業に投資するアニモカブランズのネットワークも活用する。
06:45
Magic Eden、ビットコインのミームコイン規格Runesに対応
Runesはビットコインの4度目の半減期が発動した4月20日にローンチされたビットコインメインネット上で代替可能な新規ミームコインを発行するプロトコルで、既存のBRC20トークン規格の改善版に当たる。
05:55
コインベース、AI・ゲーミング仮想通貨銘柄新規上場
KARRATプロトコルは、仮想通貨KARRATによってサポートされた分散型ゲームインフラストラクチャレイヤーで、ゲーム、エンターテインメント、AI主導の体験進化を加速させることを目的としている。
04/22 月曜日
14:47
ビットコインの新規格「Runes」、半減期後の需要殺到でBTC取引手数料が急騰
半減期直後の仮想通貨ビットコインにおいて、新規格「Runes(ルーン)」の影響が大きな反響を呼んだ。Ordinals(オーディナル)」開発者であるCasey Rodarmor氏が生み出したものであり、そのメリットに焦点が当たっている。
14:16
米ブロック社支援のマイニング企業Gridless、ケニアで再生エネルギーの利用促進
仮想通貨マイニング企業Gridlessは、アフリカ各国で太陽光や地熱を利用してBTCマイニングを行っている。地域の電力網にも貢献する仕組みだ。
12:20
マウントゴックス弁済巡る思惑強まる、公式サイトで日本円などの支払いオプション提示か
破綻した仮想通貨取引所マウントゴックスは、債権者への仮想通貨弁済について詳細を記した表を更新した.。返還金の売り圧も懸念されているところだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/24 11:30 ~ 13:30
その他 オンライン
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧