CoinPostで今最も読まれています

世界最大手取引所Coinbase:4つの機関投資家向け新製品を発表|機関投資家流入の影響は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Coinbaseが4つの機関投資家向けサービスを開始
機関投資家からの要望や、彼らが仮想通貨投資を躊躇する理由を受け止め、機関投資家向けに4つの新サービスを発表しました。機関投資家の流入が増えることで、ビットコインおよび仮想通貨市場規模は更に拡大する可能性があります。
Coinbase(コインベース)とは
30カ国以上でフィアット建ての仮想通貨取引を提供するアメリカの最大手取引所。2018年4月には、Earn.comの買収に際し、自社の企業価値をおよそ「8,500億円」と算定するなどして話題になった。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

Coinbaseが機関投資家向けの一連サービスを開始

アメリカの主要仮想通貨取引所であり、190の国々でビットコイン取引と保管サービスを提供しているCoinbase社 が、5月15日、機関投資家向けに特化した一連のサービスの提供開始を発表しました。

2017年に1300%もの価格高騰を記録したビットコイン ですが、その主な要因は、一般投資家からの支持によるもので、機関投資家の多くは、仮想通貨に対して、今なお、一抹の不安と疑念を払拭できないでいるようです。

そのような、機関投資家のニーズに応えようと開発されたのが、今回Coinbase社 が発表した機関投資家向けの以下の4つの新サービスです。

  • Coinbase Custody(Coinbase 保管サービス)
  • Coinbase Markets(Coinbase 市場)
  • The Coinbase Institutional Coverage Group (Coinbase 機関投資サービスグループ)
  • Coinbase Prime(Coinbase プライム)

今回の新製品展開について、Coinbase社 の事業部長および統括責任者であるAdam White氏は、次のように述べています。

「この一連のサービスによって、今まで傍観者的立場を取ってきた機関投資家の100億ドル(約1.1兆円)に上る資金を解き放つことができると思います。 仮想通貨市場における(機関投資家の)注目度、認知度、そして採択の度合が急激に上昇しているのを目の当たりにしているからです。」

なぜ機関投資家は仮想通貨投資を躊躇するのか?

出典:shutterstock

機関投資家にとって、仮想通貨投資に躊躇する理由の一つに、安全性の問題があります。

銀行に預けられている法定通貨には保険が適用されますが、仮想通貨の場合、損失や盗難の被害にあった場合、ほとんど取り戻すことはできません

Coinbase 社は、Coinbase Custody (Coinbase 保管サービス)の提供により、信頼のおける保管業者となろうとしているのです。

同社は、既に顧客のために、仮想通貨取引所事業を通して、累計200億ドル(約2.2兆円)を超える仮想通貨を保管してきていますが、今回の新サービス発表まで、保管に特化したサービスはありませんでした。

Coinbase 社によると、アメリカ証券取引委員会(SEC)規制下にあるブローカーディラーと提携して、Coinbase Custody を運営する旨を発表しています。

そのため、このサービスは、Coinbase社が持つ仮想通貨に対するセキュリティ保全の経験に、第三者監査ならびに財務報告への検証が加わることにより、証券取引委員会規制下でブローカーディーラーの必須要件を満たすことができるようになります。

次に、「Coinbase プライム」と呼ばれるサービスでは、現在Coinbase 社が提供している一般投資家向けの取引プラットフォームとは別に、機関投資家のみ取引できる別の取引プラットフォームを提供します。

White氏は、このサービスの導入は、機関投資家からの、既存の取引インフラは彼らの要件を満たしていないという明確な批判を受けとめた結果だとしています。

機関投資家向けの投資ツールとして店頭取引やアルゴリズム取引、貸付、信用取引などのサービス提供を挙げ、Coinbase社のGDZX取引所とは、分離されたインターフェイスを持つ新しいプラットフォームになるものの、全ての投資家は同じ流動的市場にアクセスすることができるとしています。

Coinbase Markets」(Coinbase市場)は、シカゴにあるエンジニア部門で運営され、Coinbase 社全ての製品、サービスに対し、集約化された流動性のある資金プールを提供する新しい電子市場で、将来的には清算及び決済サービスを提供できるようにしたいと、Coinbase社は述べています。

The Coinbase Institutional Coverage GroupCoinbase 機関投資サービスグループ)は、まさに、機関投資家のための「最上級顧客サービス」を提供することを目的に設立されたグループです。

このグループは、ニューヨーク市に拠点を置き、ニューヨーク証券取引所、モーガン スタンレー、米証券取引委員会ならびに米商品先物取引委員会などの多様で関連性のある組織や機関での経験を基に、顧客に対し、ますます複雑化する仮想通貨投資へのナビゲート役として、行き届いたサービスを提供していくと、Coinbase社は発表しています。

機関投資家が参入することによる影響は?

出典:shutterstock

Coinbase社は、機関投資家の仮想通貨投資参入は「新たな資金、認識の高まりとさらなるインフラを仮想通貨スペースにもたらす」ため、主要機関とともに、機関投資家の期待に見合うレベルの製品とサービスを開発してきた結果、今回の新しい製品展開発表に至ったとしています。

現在、ウォール街には、287に上る仮想通貨ヘッジファンドが存在し、ゴールドマンサックス社の仮想通貨トレーディングデスク開設計画が報じられるなど、機関投資家の仮想通貨投資への関心はますます高まってきているようです。

また、CMEのビットコイン先物はまだ出来高が多いとは言えません。

よって、機関投資家の流入がさらに増えることで、ビットコインおよび仮想通貨市場規模は拡大する余地があると思われます。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/16 火曜日
17:08
暗号資産取引関連の損益計算、約15%が「今回が初めて」と回答|Gtaxアンケート
株式会社Aerial Partnersが実施した「Gtax」利用者向けの2024年暗号資産(仮想通貨)確定申告アンケート結果。取引用途が多岐にわたり、計算処理が複雑化する中で、損益計算の計算ツールへの切り替え需要が高まっていることが示された。
16:23
テレ朝グループのBCGアクセラレータープログラム、競走馬育成ゲームを発表
株式会社テレビ朝日と株式会社テレビ朝日ミュージック、extra mileがブロックチェーンゲームアクセラレーター「tv asahi Blockchain Games」を立ち上げ。インキュベーションからパブリッシングまでのサポート。初のゲームタイトル「NEOBRED」も注目。
14:25
リップル裁判、23日の公判前にSECと和解する可能性は
米証券取引委員会対リップル社の公判が4月23日に迫る中、16日に公判前会議が予定されていることから、両者が和解するのではないかとの憶測が広まっている。
12:12
ビットコインなど仮想通貨相場リスクオフムード、中東情勢不安強まる
イランとイスラエルを巡る中東情勢は予断を許さず、仮想通貨相場は米株指数の下落に伴いリスクオフに傾いた。ビットコインの反発も限定的で、アルト市場にも強い下押し圧力が掛かっている。
11:30
アービトラム、不正防御プロトコルBOLDをテストネットローンチ
仮想通貨イーサリアムL2アービトラムの開発企業であるOffchain Labsは、テストネットで不正防御プロトコルBOLDを立ち上げたと発表した。
11:10
不動産RWAプロトコル「Parcl」、エアドロップ確認を開始
仮想通貨PRCLエアドロップに関しては現在Parclの公式ページからユーザーへの付与額を確認することができる。取得はまだ始まっておらず、同16日21時59分より始まる予定だ。
09:45
ドイツ最大の州立銀行が仮想通貨取引提供へ、LBBWとBitpanda提携 
仮想通貨取引プラットフォームBitpandaはドイツ最大の連邦州立銀行LBBWとの提携を発表した。法人顧客にビットコインなどの取引・保管を提供する。
08:45
ソラナブロックチェーン、混雑軽減のパッチを導入
今回正式にリリースされた「v1.17.31」は複数のアップデートにおける最初のものとなる。このパッチには、データパケットの処理方法と最適化の改善、特定のノードをその利害関係に基づいて分類する方法の変更、システムのローカルテスト環境におけるデフォルト設定の更新などが含まれている。
07:45
香港の仮想通貨現物ETF、アナリストが影響を分析
香港における仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFへの流入額は、最大5億ドルだとブルームバーグアナリストは分析。米国のETF市場と規模を比較している。
07:00
ビットコイン半減期まであと4日、コインベースが動画で価値の変遷辿る
米仮想通貨取引所大手コインベースは1週間を切った半減期カウントダウンに合わせて、ビットコイン関連のソーシャルメディアCMを公開した。
06:20
OKX、ソラナミームコイン2銘柄新規上場
これらの仮想通貨銘柄はこれまで価格が大きく上昇してきてソラナの代表的なミームコインとなった。MEWは前日比で25.7%値上がりしている。
05:50
STEPNとアディダス提携、NFTスニーカーリリースへ
NFTの第一段階ラッフルミントは、日本時間4月17日9時よりアローリストのメンバーのみを対象とする。このコラボNFTを保有しているユーザーには、特典が今後付与される予定だ。
04/15 月曜日
16:12
香港当局、ビットコインとイーサリアムの「現物ETF」を上場承認
香港当局は15日、アジア初となるビットコインETFとイーサリアムETFの上場承認を行なった。中国マネーの流入や米SEC(証券取引委員会)におけるイーサリアム現物ETFへの影響が注視される。
13:52
オーストラリア当局、無認可の仮想通貨マイニング企業3社を提訴 
豪当局は仮想通貨マイニング企業3社を提訴した。金融ライセンスを取得せずに、年金ファンドで仮想通貨関連商品に出資するよう勧誘していたとされる。
11:52
ビットコイン急落後の週明け相場、2400億円相当の大規模ロスカットも
イスラエルとイランの対立先鋭化および中東情勢悪化に伴いビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)相場が暴落して迎えた前週末。先物市場では2400億円相当の大規模ロスカットが発生した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア