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Zcash独占インタビュー:他匿名通貨では不可能な独自のマネロン対策とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Zcashの匿名性と「Overwinter」
Zcashにはビットコインを超える匿名性があり、売り手、買い手、取引内容全てを匿名化しています。さらにプロトコル強化目的の「Overwinter」についても話を伺いました。
匿名化によるマネーロンダリングの危険性
匿名化によるマネーロンダリングの危険性に関しては、ビューイング・キーを用いることで第三者に選択的に情報の開示ができ、一定の犯罪は防げるだろうと話してくださいました。
Geminiとは
ウィンクルボス兄弟が創業者であり、ニュヨークに拠点を置く米国仮想通貨取引所です。世界で初めてオークション形式を取り入れていたり、政府によりイーサリアムの取引が認可されたりと先駆的な取引所です。また、NASDAQと提携を結び、NASDAQのテクノロジーを使用しています。

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Josh Swihart(ジョシュ・スイハート)

CoinPost撮影

Zcashのマーケティングディレクター兼Aspenwareのオーナー。

米国コロラド州立大学で経営学および、コンピューター情報システムを学んだのち、ソフトウェア関連企業やコンサルタント系の企業を歴任し、コンサルタント系企業のAspenwareのCEO、フィンテック関連企業のAventeerの共同創設者兼CEOを経て現在に至る。

Zcashの近況

先日Zcashはウィンクルボス兄弟が創業者であり、ニュヨークに拠点を置く米国仮想通貨取引所に上場しました。

Zcashは匿名性を掲げる通貨であるためにマネーロンダリングに利用されることなどが政府や規制機関から不安視されていました。

今回取り扱いを発表した米取引所Geminiは、bitFlyerも有する米国の仮想通貨関連の企業の認可「ビットライセンス」(ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)によって許可)の元運営する公認取引所です。

今回の注目点は、その様なNYDFSの管理下の状況で匿名通貨であるZcashが許可された事です。

キャメロン・ウィンクルボス氏は、『ビットコインとゼットキャッシュはそれぞれ違う役割の元競い合う2つの革命的なテクノロジーである』と述べ、ビットコインはデジタルゴールドに、ゼッドキャッシュはデジタル通貨になると発言しており、未来のデジタル通貨として使われうる仮想通貨として大変注目されています。

そんな中、CoinPostでは先日の上場発表を経てZcash側のコメントをインタビューを通していただきましたので記事にさせていただきました。

今回、快くインタビューの承諾をしてくださったJosh氏にお礼申し上げます。

仮想通貨 Zcash(ジーキャッシュ)とは?
Zcashとは「ゼロ知識証明」を利用した匿名性の高い取引通貨であり、第2のビットコインと言われてる仮想通貨。この記事ではZcashの特徴などを紹介。

インタビュー内容

ZcashがGeminiにリストアップされた理由は

Geminiのプロセスや判断基準についてコメントは出来かねます。

一年ほど前にGeminiとZcashの説明をするためにお会いしましたが、決定権は全てGeminiにありました。

リストアップしたことについてGeminiが公式ブログにコメントを発表しましたし、NY金融サービスも大規模なプロセスを経て、新技術が最も関心のあるものに準拠することを確認したとコメントを残していますのでそちらを確認してください。

Zcashが世界初ライセンス制度登録済みの取引所に上場|匿名通貨の状況に変化か
ビットライセンスを有する取引所GeminiがZcashの上場を発表。Zcashは匿名性の通貨であることから、マネロンなどの観点で規制団体からの許可が難しいと考えられていましたが、ニューヨーク州金融サービス局によるビットライセンスが付与された取引所への上場許可は大きな反響を呼んでいる。
ZcashコミュニティはGeminiにリストアップされたことについてどういった反応を示したか

とても高評価だったと思っています。

Geminiは知名度や信頼性もある取引所ですし、今後紙幣をそのままZcashと交換できることは大きな進歩だと考えています。

Zcashと他のプライバシーコイン(Monero、Dashなど)との違いは

Zcashはもともとビットコインのフォークでコインのベースが同じです。

ビットコインは分散型にされており、匿名性が非常に高いことで知られています。

ですが実際にはアドレスを追跡することはそこまで難しくないので、匿名性ではまだ足りない部分があります。

なのでZcashは、標準のブロックチェーン暗号の上に新たな暗号を組み込むことで二重に暗号化することが出来ます。

そのほかにZK-Snarksというプログラムがあります。

このプログラムはこれらの暗号が分散型ネットワーク内に存在することを可能にし、二重支払いが起こることなく同時にトランザクションを認証します。

売り手、買い手、取引内容を全て匿名性に出来ます。

これがZcashと他のコインの違いです。

プライバシーコインに関して投資家が誤解をしている点は

私たちのミッションは経済的な自由と機会を提供することによって、ユーザーを力づけることです。

それを可能にするにはオンライン決済を全て匿名化する他ありません。

完全に匿名化することで情報漏洩を防ぐことができます。

私たちは、プライバシーは基本的人権であると信じています。

完全匿名性はマネロンのリスクがあるが

確かに資金洗浄の危険性はありますし、もし行われていたとしてもZcashがそれを管理できるかわかりません。

しかし、どんな物でも悪用は出来ます。

現在誰にでも使われているメールやインターネットも悪用し、犯罪を起こすことは出来ます。

それと同じです。

他に紹介できるZcashの機能はビューイング・キーと呼ばれるもので第三者に取引を選択的に開示することができます。

例えば、特定の人物・企業だけに取引内容を見せたい場合この機能を使えば一般公開せずにシェアすることができます。

ミキシング機能を使っている他の通貨ではできないことです。

ビューイング・キーを使えばある程度は犯罪は防げると思います。

CoinPost撮影

BitmainがAsic Z9 を発表したが、ASICに対する反応は

まだ実物を見たことはありませんが、ASICマイナーのことは聞いています。

伝統的にはGPUで機能していましたので、ASICが今後どうマイニングに影響していくかはまだわかりません。

Zcashでは会社側と異なっているZcash Foundationという非営利団体があるんですが、そちらはまずAsicの機能や仕組みを完全に理解してから対応を検討するとのことで、意見は一致しているので、今はまだ正式なコメントはありません。

Zcashは「Overwinter」というプロジェクトを立ち上げたが、その後何か変化は

「Overwinter」というプロジェクトが9月にリリース予定です。

仮想通貨Zcash(ZEC):6月開始予定の初アップグレード「Overwinter」を解説
Zcash(ZEC)は、初のアップグレードとなる「Overwinter」のリリースを発表しました。ソフトウェアを最新版に更新しておくだけで参加可能で、メインチェーンのアップデートは、2018年6月25日に開始予定です。

暗号技術にとって大きな進歩です。

今まではプライバシーコインを交換するのにかなりのメモリーやリソースが掛かってしまっていたので、取引所も規模を大きくするのに限界がありました。

他にもモバイルウォレットが使えないという問題がありました。

しかし、このプロジェクトが成功すれば、プロセスが簡単になる為、この問題を改善できます。

ハッキング事件以来、日本で唯一Zcashを取り扱うコインチェック社から連絡は

いいえ、事件から何も連絡はありません。

Monexに買収されたことは知っていますが、本人達からは何も聞いていないです。

最後に一言

Zcashは最近新しい会社に投資をしています。

Starkwearという会社で新たな暗号技術を開発中です。

内容はとても興味深く、将来性があると考えていますので、期待してお待ち下さい。

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注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
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香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
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半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
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ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
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申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。
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仮想通貨ビットコインのブロックチェーン上でスマートコントラクトなどを実現する開発提案がBIP-420として公開。以前から関心を集めている提案の内容が改めて説明された。
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今回の漏洩は、4月上旬に報告された510万人のサルバドル人の個人情報リークを含む、一連のChivoウォレット関連のハッキングに続くものだ。
04/23 火曜日
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ベネズエラの国営石油会社PDVSAは原油と燃料の輸出において、暗号資産(仮想通貨)の利用を増やす計画だ。背景には米国による制裁再発動がある。
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