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仮想通貨大暴落の原因と今後の注目点を探る|BTC価格は4月初旬の水準に

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仮想通貨市場暴落
仮想通貨市場は6月11日夜にかけて暴落し、ビットコイン相場は再度4月初旬に付けた2018年の底値付近と同水準となりました。仮想通貨暴落の原因を探ります。
ETFとは

Exchange Traded Fund (上場投資信託)の略でインデックスファンドの一種。

日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等に連動する運用成果を目指し、東証などの金融商品取引所に上場している投資信託のこと。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

仮想通貨規制とハッキング

仮想通貨相場に大きな影響力を持つニュースといえば、まずは、この2つが挙げられます。

仮想通貨価格の乱高下が激しいことは、よく知られた事実であり、その価格に影響を与える要因は数多く存在していますが、その中でも世界各国で温度差のある法整備の進展と規制当局の動き、そして国を超えたサイバースペース特有のハッキング被害は、投資家にとって特に注目すべき重大要素であると言えましょう。

6月11日夜半にかけて、ビットコインを始め、ほぼ全ての仮想通貨が急落。全面安となりました。

この下落により、ビットコインの価格は再度4月と同水準となる、2018年の底値付近まで戻っています。

出典:TradingView

この下落相場直近の出来事として報道されている中で、関連が深いと思われるのが、韓国の取引所「Coinrail」に対するハッキングと、ビットコイン先物取引を管轄する米国商品先物取引委員会(CFTC)の主要取引所に対する取引記録提出要請です。

Coinrailのハッキング事件-サイバー攻撃の連続-

韓国の仮想通貨取引所、Coinrail社のウェブサイトによると、6月10日、「サイバー侵入」が確認され、仮想通貨のトークンが流出したと報道されました。 Coinrail社は、自社システムへのハッキングをツイッターで報告、これらのトークンの入出金を全て凍結、被害を受けていない仮想通貨は、コールドウォレットへ移管されていると発表しています。 

Techcrunch紙の報道によると、このハッキングによる被害総額は、およそ4000万ドル(約44億円)に上り、中でも被害が大きかったのが、同取引所でもっとも多く取引されている、Pundi X(仮想通貨決済を容易にするプロジェクト)発行のトークン、NPXSですが、既にPundi X側から、詳しい経緯と対応に関しては発表されており、流出した全てのNPXSトークンは、追跡可能な処置が施されているそうです。

なお、Coinmarketcap.comのデータによると、Coinrail社は、24時間の取引額が265万ドル(約2億9150万円)で、世界第98位の比較的規模の小さい取引所です。  

そのため、大幅に下落した仮想通貨価格に与えた影響の大きさとしては、限定的だと考えられます。

しかし、最近のVergeや BitcoinGoldなどへの51%攻撃をはじめ、度重なるサイバー犯罪のニュースの数々が、投資家心理に与える影響の大きさは無視できません。

投資家が安心して取引のできるサイバー環境の整備は、仮想通貨の発展にとっても喫緊の課題だといえます。

追記

NPERチームからの声明

「いくつかのNPERトークンがCoinrail取引所から流出されたようですが、我々NPERチームはハッカーのウォレットのアドレスを永久にロックし、移動不可能にしました。 市場に流れていった(ハッキングされた)NPERはゼロ、そしてロックしたNPERはすべてバーンします」

CFTCによる取引データ要請

投資環境という意味では、規制当局の動きも相場に大きな影響を与える要因の一つであり、機関投資家の参入を促すためにも、明確な規制の枠組みが必要とされています。

米国CFTC(商品先物取引委員会)は、ビットコイン先物の上場を承認し、その管轄を行う政府機関ですが、昨年12月の取引開始以後、ビットコイン先物契約の価格操作が行われていないかどうかの捜査を行っています。

 今回、報道されたのは、ビットコイン先物価格設定の基準となるデータを提供している、4つの仮想通貨取引所に対して、「CTFCが取引データの提出を要請」したことです。

ビットコイン先物は、シカゴマーカンタイル取引所グループ(CME)のシカゴオプション取引所とシカゴマーカンタイル取引所で取引されていますが、その最終的な価格は、Bitstamp、Coinbase、itBit 、Karaken の4つの仮想通貨取引所の価格に基づいて決められています。

そのため、この4つの仮想通貨取引所が仮に市場での価格操作を行なっていた場合、CTFCを通じてアメリカ政府の監視下あるビットコイン先物の価格を歪め、ひいてはビットコイン・仮想通貨市場全体にも影響を及ぼす恐れがあり、懸念感を強めています。

CMEは、1月の最初の契約合意後、上記の4つの仮想通貨取引所に取引データの提出を求めたものの、限定的な提供しか得られず、その進展しない状況を打開するため、政府機関であるCFTCが介入したようです。

CFTCが問題視しているのは、先物契約に関するデータ提供をCMEが仮想通貨取引所に義務付けていなかったことであると、ウォールストリージャーナル紙は報道しています。

さらに、市場相場操作の疑惑に関しては、米国司法省も協力しており、Bloombergの報道によると、大量の約定するつもりのない注文をしてから取り消す「見せ玉」や、複数のトレーダーが共謀して行う馴合売買などの、違法行為が行われていた疑いがあるとしています。

FOMCの利上げ観測が悪材料に

FOMCが今週6月12日から13日に予定されており、利上げの実施が確実視されている他、ドットチャートの公表も控えている事もありリスク回避的な動きが広がっております。

また同様に今週行われるECB理事会においても債券買い入れプログラムの終了についても示唆されるとの事も市場の重しとなっております。

過去の利上げのデータは以下の通りです。

1週間スパンのトレンドで記載しております。

利上げ決定公表日 ビットコイン(BTC/USD)
2017年3月15日 大きく下落 10日間程度下落トレンド入り
2017年6月14日 下落し、緩やかに回復するも下落トレンド継続
2017年12月13日 当日下落、一旦上昇も、その後下落トレンド継続
2018年3月21日 直後は動きがなかったものの、2,3日後に大きく下落

CoinPostの参考記事

金融市場注目イベント「FOMC」とは:利上げがもたらす仮想通貨市場へのインパクト
6月12日から13日の二日間に渡ってFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されます。 今回のFOMCにおける注目材料は利上げの実施の有無とドットチャート。

市場の変化と今後注目すべき動き

仮想通貨市場は、度重なる下落により悲観ムードが漂いつつありますが、今後の相場を見る上で、注目すべきニュースも紹介したいと思います。

規制当局の動き

規制当局ならびに司法当局からの的確な取り締まりは、相場にとって一時的に、ネガティブな材料と受け止められたとしても、投資家保護と仮想通貨業界の健全な発展のためには、必要不可欠だといえます。 

価格の面では、波乱万丈とも言える仮想通貨相場ですが、ブロックチェーン技術及び、その技術に支えられた仮想通貨が、経済だけではなく社会へ及ぼす影響の大きさが徐々に認識されつつあります。 

仮想通貨規制に真正面から取り組んでいるCFTCの監督官の一人、Rostin Behnam氏が先週、ニューヨークで行われた国連の”Blockchain For Impact Summit”で行なったスピーチの言葉を最後に取り上げたいと思います。

「仮想通貨はおそらく、いや…確実にあらゆる国、あらゆる場所で経済活動の一部となる。これらの通貨が無くなる事はない。」

「地球上の全ての経済と全地域に拡大していくことになるだろう。それも”伝統的な仲介者”である、政府や銀行、投資家、官庁、国際組織などの枠外で。私たちは技術革命の最中にいる。もしかすると”現代の奇跡”を目の当たりにしているのかも知れない。」

ビットコインETFの承認

ビットコインETFは、度々話題となり、仮想通貨市場への投資需要を拡大させる要因として注目されています。

ETFは投資信託が実際の証券取引所に上場し、取引が行われます(上場投資信託)。

ETFの場合、ビットコインの値動きに当たる指数に連動する仕組みとなりますが、指数への投資を行うことによって、直接仮想通貨の現物取引を行うわずに投資することができるため、機関投資家参入の大きな窓口になると期待されています。

またKYCに準拠しない取引所が多くある、規制が十分に行き届いていない仮想通貨市場の中で、それら取引所にお金を投入せず、SECなどに認可された証券取引所からETFの購入ができる利点もあります。

ETFに似た投資信託にインデックスファンドがありますが、インデックスファンドは、1日1回算出される基準価格となるため、1日1回の投資しかできませんが、ETFは仮想通貨投資と同様に投資が行うことができます。

仮想通貨関連のETF申請は、かなり多く行われてきましたが、未だに許可はされていません。

ウィンクルボス兄弟が運営するWinklevoss Bitcoin Trust社もその一つで、ビットコイン事業に参入し、BitcoinETFを米国証券取引委員会(SEC)に許可の申請を行いました。

また仮想通貨投資企業でもあるGrayscale InvestmentsもBitcoinETFを申請している企業の一つです。

ETF申請でも新たな動き

その様な中で、大きな動きを見せたのは、老舗資産運用会社Van Eck Associatesと、金融テクノロジー開発と金融サービスを提供するSolidX Partnersの2社です。

これらの企業は共同で、米国証券取引委員会(SEC)へ、ETFの承認許可申請を行いました。

このETFの利点は、以下の通りです。

・SECが懸念する個人投資家向けのETFではなく、機関投資家向けの商品

・1シェアが25BTCに設定

・連動指数は規制下に置かれる取引所のBTC価格に基づく

・ETFにBTC現物が裏付けされるが、紛失及び盗難に対して保険を完備

この様に、機関投資家に対するビットコインの保有リスクを抑え、SECが懸念しているといわれる、個人投資家向けではない投資商品とすることで、申請が滞っているETFの状況を大きく変化させる可能性があります。

CoinPostの参考記事

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巨大機関投資家の参入が見込めることで実現を期待される「ビットコインETF」。これまで米SECには12の申請が却下されているが、懸念点を解消した新しいアプローチが話題に。
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