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仮想通貨投資を促すデジタルの招き猫:世界最大ブロックチェーンゲーム「クリプトキティーズ」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

クリプトキティーズの共同開発者にインタビュー
2017年11月にリリースされ、瞬く間に世界”No.1ブロックチェーンゲーム”の座に昇り詰めた「クリプト・キティーズ」。今回、CoinPostでメイン開発者の一人、Benny Giang氏にインタビューを行うことができました。
開発に秘められた思い
イーサリアムブロックチェーン上で電子猫を売買したり、収集して遊ぶクリプト・コレクタブル・ゲームでは、1,500万円を超える高額で取引されることも。お世辞にも可愛いとは言えない”電子猫”の裏には、仮想通貨業界発展への願いが込められていました。
dAppsとは

Decentralized Applications(分散型アプリケーション)の略。 従来のアプリケーションをオープンソースの「ブロックチェーンベース」で構築していく仕組みのことで、イーサリアムブロックチェーンを用いるdAppsゲームが、投資家の人気を集めている。

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クリプト・コレクタブルとは

ブロックチェーン上にあるカードやキャラクターを集めて遊ぶゲームを指す。電子版の野球カードやコレクションフィギュアのようなもの。オンライン・カードゲーム、Genesisのレア・ぺぺが一例。

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今回は、CryptoKittiesの共同設立者であり、カナダのイノベーションスタジオ「Axiom Zen」のマーケティング担当であるBenny Giang(ベニー・ジアング)氏にインタビューさせていただきました。

ベニー氏にこの場を借りて御礼申し上げます。

世界No.1ブロックチェーンゲーム「クリプト・キティーズ」

CryptoKitties(以下クリプト・キティーズ)はイーサリアム上で作られたブロックチェーンゲーム。クリプト・コレクタブルの一種で、電子猫を集めて遊ぶゲームです。

人間の遺伝子のように、特徴の組み合わせには膨大な数があり、最高峰のレアリティを持つ電子猫は、米国のオークションで1400万円相当のイーサリアムで落札されるなどして、大きな反響を呼びました。

一時期は、イーサリアムのブロックチェーン上の総取引量の30%を占め、ネットワークを停止させたこともあるほど過熱しました。

ネットワークの停滞により、GAS(ガス)を0.001ETHから0.002ETHに増加されるが、これによりキティーが時間通り生まれることを保証できる。

これは、マイナーの方々が解決策を見つけるインセンティブとして使用され、今後も長期的なソリューションを模索している。

クリプト・キティーズの人気度

クリプト・キティーズのゲームを通して、ゲーム開始から現在までで45000ETH(約25億円)が取引されている事実が、凄さを物語っています。

1日の平均アクティブユーザーは1,000人程度に留まるなど、昨年末のピーク時からは熱が冷めた感は否めないものの、現在もEtheremon(イーサエモン)やDecentraland(ディセントラ・ランド)などと同様、dApps(分散型アプリケーション)の人気ゲームランキングで、常に最上位付近に君臨しています。

日本では仮想通貨元年と呼ばれた2017年、ベニー氏は仮想通貨の以下の題目を大々的に取り上げた大手メディアを問題視。

  • 異常な価格の動き
  • ICO
  • ハッキング騒動を含む不正行為

ニュースがICOやそれを取り巻く詐欺を報道する中、

ICOは必須ではないと証明したかった

と考え、ベニー氏はクリプト・キティーズをDieter Shirley氏やその他7名の方々と共同開発。

スタートアップでの経験を活かし、消費者と商品の二点に焦点を当てた結果、世界的な人気ゲームが誕生しました。

通常だと集めたら終わりだったクリプト・コレクタブルについて、『集めてからも遊べるゲーム』に変えたかったとベニー氏は明かしています。

ゲーム内資産への投資

まずはアカウントを作り、猫を買うところからゲームは始まります。

猫の価格は安いものであれば数百円で始まり、最高レアとされるファウンダー・キティー(初期の100匹)や「Gen 0(0世代)」と呼ばれる5万匹限定の電子猫など、個体数が少ないほど希少価値を生み出すため、売買時の価格が高騰しやすくなり、大勢の投資家が参加しています。

運営が販売する「0世代」の猫は、親(先祖)が存在しておらず、ビットコインのように供給量と配布される時期が一定している為、よりレアリティの高い資産として認識されています。

また、クリプト・キティーと呼ばれる電子猫には性別が設定されておらず、2匹の猫をブリード(させることにより新たな猫を産ませることもできます。

クリプト・キティーの遺伝子コードの組み合わせ、つまり電子猫の最高数は約40億通り以上(2の32乗)にも及びます。

さらに、多々あるCattributes(キャットリビュート:猫の特徴を文字ったもの)を全て収められるCat Codex(キャット・コーデックス)機能では、ポケモン図鑑のように全種類をコンプリートすることができます。

このように、電子猫を売買したり、ブリード(交配)させて子どもを産んたり、コレクションして遊ぶことができる「クリプト・キティーズ」。

ベニー氏は、今後も新たなミニゲームを追加されていく方針です。

(クリプト・キティーズは)は第三者の開発者の方々に、ミニゲームのようなものを追加できるようにプログラムされています。

最近ではキティーレースや自分の猫をバトルさせるゲームが登場していて、常に新しい遊びを楽しめます。

高額で取引される猫

多種多様なプレイスタイルが存在するこのゲームですが、最も注目を浴びているのがクリプト・キティーズの売買でしょう。

米ニューヨークで先月開催された「Ethereal Summit」の一環として行われたチャリティーオークションでは、最もレアな猫の一つとされる『Celestial Cyber Dimension Kitty(セレスティアル・サイバー・ディメンション・キティー)』が14万USD(約1500万円)で落札され、大きな話題を呼びました。

この猫は、特別に専用ウォレットに搭載された状態で落札されています。

出典:Youtube(専用ウォレット付きの猫)

見事落札したMark Novogratz氏は、以下のようにコメントを残しています。

クリプト・キティーズは、仮想通貨業界の”象徴的”なものだ。そんなクリプト・キティーズにおける、初のオークションだったので、14万USD(約1500万円)でも安い。

本当は、10万USDまでという限度額を設定していたが、収益がチャリティーにいくという情報も重なり、思わず買ってしまったんだ。

ベニー氏は他にも、希少価値の高いシリアルナンバー#2から#99の『ファウンダー・キティー』や、一番始めに誕生した(#1)電子猫で、唯一無二の『ジェネシス・キティー』など、計6匹の猫が10万USD(約1100万円)以上の高額で取引された事を明かしてくれました。

ジェネシス・キティー
出典:twitter公式アカウント

セレスティアル・サイバー・ディメンション・キティー
出典:twitter公式アカウント

これは、ポケモンでいう”ミュウ”のような立ち位置、レア度だとされています。

高額な電子猫の取引に疑問を挙げる声もありますが、ベニー氏は以下のように述べています。

価格に大きな幅があるのは、良い事だ。

ユーザーのみなさんに、暗号資産を買う事への理解を深めて欲しい

コインベースで仮想通貨を買うのは、一定の専門知識を求められるが、クリプト・キティーズを通して今まで仮想通貨に投資したことがない人にも仮想通貨を使って欲しい

今後の課題が浮き彫りに

一方でベニー氏は、課題点にも言及。

ブロックチェーンゲーム、通称dAppsの弱点として、ビジュアル面、ネットワーク速度の低さ、ユーザー層の偏りを挙げました。

特にユーザー層の85%以上が男性である事を案じていました。

クリプトキティーズのディスコード内のコミュニティーは2万人ほどで、その内8割が男性だ。

コミュニティーを大きくしていく中で、この比率をもっとバランス良い割合に変えていきたい。

現在は、ゲーマーかつ仮想通貨の知識がある程度必要となり、まだまだ敷居が高い

このような問題を改善するには、より多くの人たちが関わっていく必要がある。

これらの課題を踏まえた上で、最終的な目標についても触れています。

もっとユーザー層を多様化させたいんだ。

最終的な目標は、ブロックチェーン利用者を10億人にすることです。

その目標への取り組みの一つとして先月、クリプト・キティーズはNBAのスター選手であるステフ・カリーと提携を結んだ事を発表しました。

人気スマホアプリの開発者であり、クリプト・キティーズに投資していてるJeff Moris Jr. (ジェフ・モリス.Jr氏)は、以下の通りツイートしました。

ステフ・カリー選手が、クリプト・キティーズと提携したことを発表した。

クリプト・キティーズの運営チームは、仮想通貨を主流にすることを目標に掲げているが、これは素晴らしい例だ。

CoinPost考察

「ユーザー層の偏り」という課題を肯定的に捉える視野の広さに、スタートアップ出身ならではのポジティブさを感じるとともに、仮想通貨の普及に情熱を注ぐ強い意思が伝わってきました。

ユーザー目線でプロダクトの使いやすさを考える姿勢には重みがあり、感銘を受けました。

Benny Giang(ベニー・ジアング)氏

出典 Medium.com

クリプトキティーズの『招き猫』、こと共同創設者の一人。

カナダのカルガリー大学を中退した後、Start up GrindやTobyなど、数々のスタートアップに携わる。

2017年には、クリプト・コレクタブルに新たな可能性を見出し、クリプト・キティーズを世界に発信。

現在は、カナダにあるイノベーションスタジオ「Axiom Zen」でBridge Builder(マーケティング担当)を務める。

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