CoinPostで今最も読まれています

世界三大格付け機関:BTC先物取引が銀行の格下げに繋がる可能性を指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

大手格付け機関のBTC先物評価
世界三大格付け機関のムーディーズ、スタンダード&プアーズ、フィッチレーティングスリミテッドは、CBOEやCMEが提供するBTC先物商品に否定的な考えを持っており、仮想通貨先物商品を取り扱う銀行が、将来的に格下げされる可能性を示唆した。
現時点での影響は軽微
現時点で、仮想通貨先物商品が与える影響は、軽微であると考えられる一方、さらなる取引量の増加や、新たな仮想通貨デリバティブ商品の台頭などによって、リスクが飛躍的に高まる可能性があると危惧されている。
先物とは
いわゆるデリバティブの一つで、価格や数値が変動する各種有価証券・商品・指数等について、未来の売買についてある価格での取引を保証するもの。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

仮想通貨先物商品が格下げ要因に

金融メディアのRisk.netは、世界三大格付け機関のムーディーズ、スタンダード&プアーズ、フィッチレーティングスリミテッドが、認可された取引所であるCMEおよび、CBOEにて提供されているビットコイン先物商品の取引量増加について、懸念を示していることを報告。

仮想通貨先物商品を取り扱う銀行を格下げする可能性を示唆しました。

CCNによると、仮想通貨先物市場の取引量は、2017年12月の取引開始以降、着実に伸びてきており、ビットコイン先物商品は、今年4月に日間総取引高6.7億ドル(約740億円)を記録しています。

この高まる取引量は、新しい資産クラスに合法性をもたらしましたが、格付け機関は、銀行が”不要な信用リスク”を取っているのではないかと懸念しています。

現時点ではまだ規模が小さいものの、格付け機関は、ビットコイン価格のボラティリティによっては、「BTC先物商品」を提供する銀行の信用力の格下げも検討していると語りました。

Fitch Ratingsで非銀行金融機関部門の国際責任者を務めるNathan Flanders氏は、「(格付けの影響は)市場に受け入れてもらえるものではないかも知れないが、モニタリングの重要性は高まる。」と語り、「その重要性がより高まった場合、銀行との意見交換を行う予定だ。」と発言。

さらに、以下のように追加しました。

「銀行は、仮想通貨取引の直接関与はないと主張しているが、間接的な関与(エクスポージャー)はあると言える。」

格付け機関は、一般的に銀行の信用格付けを「A〜F」の6段階で評価し、債務不履行に陥るリスクを測っています。 格下げされた銀行は、今後の資金調達が困難になり、担保要件も増加。顧客に提供できる貸付限度額が限定的になってしまうリスクがあるのです。

最大手格付け機関の見解

ビットコイン先物取引に対するこのような考え方は、フィッチレーティングスリミテッドだけではありません。

最大手格付け機関ムーディーズの運営ディレクターを務めるAna Arsov氏も、「現時点で、その影響力は実際に影響を及ぼすほどリスクが大きくない」と主張する一方で、銀行を格付けする際に、ビットコイン先物商品を取り扱っていることは”信用性においてマイナス要因”になる可能性があると語っています。

銀行が仮想通貨関連で大規模のビジネスを始める場合、信用性においてマイナス要因となり得る。

私たちは、あらゆる資産クラスを考慮している。したがって、”不適切であると考えられるリスク”が高まれば、格下げへの圧力になる。

しかし、現時点では、そのリスクは差し迫ったものではない。

さらに、スタンダード&プアーズにて「国際金融機関格付け」の責任者を務めるThierry Grunspan氏も、リスクは”限定的”だと主張する一方で、その評価には同意しました。

仮想通貨の先物取引は、直接的な影響がある。

その取引量が爆発的に上昇すれば、該当するヘッジファンドの顧客が活発に取引を行なっていることになり、さらなるリスクを被っていることになるからだ。この関係は直接的であると言わざるを得ない。

その影響は現時点では限定的であるものの、今後さらに多くの企業が、仮想通貨デリバティブ商品を公開していくことで、そのリスクは飛躍的に高まる可能性もあります。

先物取引の現状

CBOEもさらなる仮想通貨商品の作成に積極的であり、CMEもイーサリアムの先物商品に向けた布石となり得る活動を開始しています。

さらに、ナスダックも、独自のビットコイン先物商品を開発しているとされており、仮想通貨取引所の開設に関心を見せています。

一部のファンド提供企業も、最初の「ビットコイン上場投資信託」を提供する準備が整ってきていると言え、その公開に伴って、さらに多くの一般購入者がビットコイン先物に参入してくると考えられています。

CoinPostの関連記事

ゴールドマンサックスのビットコイン先物は機関投資家を呼び込めるのか
BitMEXなどがデリバティブ取引で収益を伸ばしている中で、ゴールドマンサックスはビットコインの先物取引を開始することを決定しました。これにより、仮想通貨への信頼が高まることが期待されます。
仮想通貨先物の多様化|CBOEやナスダックが新先物商品開発に興味を示す
米資産運用会社役員は、顧客がアルトコイン先物取引を望んでいることを明らかにしました。仮想通貨の先物商品の流行は一時的ではないと言います。CBOEは新たな仮想通貨先物商品を検討しており、ナスダックなども仮想通貨デリバティブに関心を示しています。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/24 水曜日
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
08:45
ソラナJupiter、DEXモバイルアプリ5月公開予定
既存のUltimateウォレットは5月22日から利用できなくなるため、その前に仮想通貨の一時的移転(PhantomやMagic Edenウォレット)を推奨した。
08:10
米国のイーサリアムETF上場申請、5月承認は見込み薄か
申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。
07:10
ビットコインの機能を拡充する新提案が公開
仮想通貨ビットコインのブロックチェーン上でスマートコントラクトなどを実現する開発提案がBIP-420として公開。以前から関心を集めている提案の内容が改めて説明された。
06:35
バイナンスアプリの削除、フィリピン当局がアップルとグーグルに命令
フィリピンはバイナンスの顧客基盤における重要な構成国だが、同SECは2023年11月以降、バイナンスを投資に利用しないよう国民に積極的に警告していた。
05:50
エルサルバドルの国営ビットコインウォレット、ハッカーがコードを流出
今回の漏洩は、4月上旬に報告された510万人のサルバドル人の個人情報リークを含む、一連のChivoウォレット関連のハッキングに続くものだ。
04/23 火曜日
19:00
メゾンマルジェラ MetaTABI NFT発売
メゾンマルジェラがMetaTABI NFTを一般販売開始。デジタル専用設計のタビシューズはThe Fabricantとのコラボで、限定版タビブーツとレザーウォレットが付属。今後のWeb3ブランドイベントにも参加可能。
18:00
ライフカードVプリカ 仮想通貨で購入可能に
ライフカードが暗号資産(仮想通貨)決済サービス事業者Slash Fintechと提携。2024年5月15日から「Slash Vプリカ SHOP」でステーブルコイン等を使ったVプリカギフトの販売を開始する。インターネットショッピングやオンラインゲーム等、デジタルサービスでのプリペイド決済が拡大する見込み。
14:00
ベネズエラ、石油取引で仮想通貨使用を加速か
ベネズエラの国営石油会社PDVSAは原油と燃料の輸出において、暗号資産(仮想通貨)の利用を増やす計画だ。背景には米国による制裁再発動がある。
13:00
SEC弁護士2名が辞任、「重大な権力乱用」と非難受け 
米仮想通貨企業Debt Boxに対する訴訟において、連邦地裁が「重大な権力乱用」を理由に米国証券取引委員会に制裁を課したことを受け、同委員会の担当弁護士2名が辞任したことがわかった。
12:00
「スイス中銀はビットコインを準備資産に持つべき」2B4CHが提唱
スイスの仮想通貨擁護団体「2B4CH」は、スイス国立銀行がビットコインを準備金として持つことを提唱している。国民投票を目指す計画だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/24 11:30 ~ 13:30
その他 オンライン
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧