CoinPostで今最も読まれています

自主規制団体:成果型報酬(アフィリエイト)による勧誘禁止を自主規制ルールの骨子として検討

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

自主規制団体が「アフィリエイト禁止案」を検討
業界団体の日本仮想通貨交換業協会(VCEA)が、仮想通貨業界の世界情勢や金融庁の意向を踏まえ、100ページ近くに渡る「自主規制ルール案」の骨子を検討中であることが判明した。不公正取引(インサイダー)に関する規制や、成果型報酬(アフィリエイト)広告による勧誘禁止なども盛り込まれている。
VCEAとは

仮想通貨の登録交換業者16社が、2018年4月23日に発足させた団体。

業界のセキュリティレベルを高めるため、管理方法、取り扱う通貨の種類、広告内容などに厳格な規制を課すことで、市場の健全な発展と利用者の不安払拭、信頼回復に努める。加盟団体に強制力を持つ「認定自主規制協会」の認定を目指している。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

自主規制団体のルール骨子(草案)

日本経済新聞が19日に報じたところによると、仮想通貨業界の健全化と市場の信認回復のため、業界団体の日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が、100ページ近くに渡る「自主規制ルール案」の骨子を公表しました。

ただし、JVCEA公式サイトには、以下のような表記を確認できます。

一部報道機関にて、当協会の自主規制ルールに関する報道がございますが、現時点においては検討の途上にあり、その内容及び時期について決定した事実はございません。

自主規制ルールの骨子草案には、成果型報酬(アフィリエイト)による勧誘禁止も掲げられており、仮想通貨取引を不用意に煽り、投機が過熱していたことについて問題視。

成果型報酬(アフィリエイト)について識者からは、新規流入とを呼び込み市場規模の拡大に繋がると歓迎する向きもある一方、株式投資やFXなど未経験で金融リテラシーの低い層が増加することで、詐欺などのリスクに遭いやすくなるデメリットや、同業企業が市場占有率を拡大しようとして起こる「過当競争」の懸念も指摘されていました。

資産保護について

会社によって管理方法がバラバラで、分別管理が杜撰な会社が存在していたことを問題視。

対策の一環として、保有者を証明する暗号コードとなる「秘密鍵」の管理を、インターネットから隔離したオフライン上で原則管理・保護することを義務付け、ハッキングリスクを抑制します。

さらに、分別管理の担当部署の設置を「自主規制ルール案」の骨子に盛り込んだ上、管理の状況について、公認会計士や監査法人による監査結果を協会に報告するように義務付ける方針です。

取引システムについて

取引システムが急激に重くなり注文処理が通らない状況や、約定取り消しなどシステム障害が頻発し、取引価格が実勢と乖離するなどしていた状況を問題視。

認証・停止が1分以上続いた場合は「システム障害認定」を行い、価格が乖離した場合は、注文・約定処理を一時停止する(株式市場では「サーキットブレーカー」と呼ばれる措置)対策などを取るよう定める方針です。

資金洗浄(マネーロンダリング)について

匿名性の高い(モネロ、ダッシュ、ジーキャッシュなどの)仮想通貨について、資金洗浄に悪用される可能性があるとして問題視。

疑惑のある取引に関しては、金融庁長官に届け出を行うことを義務付ける方針です。

なお、これに先駆けて、金融庁の認可登録を目指すコインチェックでは、匿名通貨など4銘柄を上場廃止しています。

不公正取引(インサイダー)について

上場通貨などの事前情報漏洩により、一般投資家が知り得ないタイミングで出来高急増、価格高騰するなどのケースが散見されていたことを問題視。

仮想通貨取引所の役職員などは、事前情報を利用した仮想通貨の取引を禁じる方針です。

不透明な取引(アービトラージ)について

投資家の不信を招いてきた、不透明な取引についてもメスを入れます。

顧客である個人投資家に提示するビットコインなどの売買価格が、市場全体の実勢価格から大きく乖離するなどし、裁定取引(アービトラージ)を助長するなどしていたことも問題視されており、システム強化などでこれを解消するよう求める方針です。

まとめ

コインチェックの不正流出事件などを受けて、国を挙げて「顧客の資産保全や取引価格の透明化」に取り組む方針は、規制強化の側面から短期的にはネガティブ要因に捉えられがちです。

しかしながら、世界に先駆けて仮想通貨に関する法規制や自主規制のルール整備を確立することで、市場の信頼性や投資家の安全性が高まることは、中・長期的にはポジティブ要因であり、健全な業界発展のためには必要不可欠な道程であると言えるでしょう。

CoinPostの関連記事

仮想通貨自主規制への強制力を持つ新団体合意|質疑応答内容まとめ
新団体は自主規制規則に対しての強制力を持つ団体となり、各業者に違反時のペナルティを課すことができる。協議中の規則には、利用者保護やマネロン防止に加え、インサイダー情報管理なども含まれる。
G20の合意で韓国が政策軟化へ|金融資産として認める方針
G20が仮想通貨を「金融資産」として認めることに同意したことを受け、韓国もこれまでの各政策を軟化させる方針。G20は各国に対し、仮想通貨業界におけるグローバルスタンダードとなる「統一された規制」の提言提出期限を7月までに定めている。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/29 金曜日
06:45
Bitwiseとフィデリティ、イーサリアム現物ETFの上場申請行う
イーサリアムETFが現在の多くの申請の最終期限となる5月に承認される見込みは、SECがイーサリアム財団を調査しているとの報道などを受け大幅に後退している。1月には70%あったが、現在は20%程度まで低下してきた模様だ。
05:50
Bybit、ソラナミームコイン「POPCAT」の永久先物提供
ソラナの仮想通貨ミームコインへの需要は未だ高い。代表的な犬系ミームコイン「WIF」は29日過去最高値を更新し、前日比で20%上昇している。
03/28 木曜日
17:35
分散型AIの3大プロジェクトが団結、新トークン「ASI」に統合へ
SingularityNET、Fetch.ai、Ocean Protocolが人工超知能連合を結成し、各プロジェクトの暗号資産(仮想通貨)を新トークンASIに統合する計画を発表。単一の分散型AIネットワークとしてリニューアルを目指す。AGIの父と呼ばれるベン・ゲーツェル博士が主導する。
15:58
ビットコインのレイヤー2「BEVM」ローンチ
BEVMがメインネットをローンチ。暗号資産(仮想通貨)ビットコインをガス通貨として利用するEVM互換のレイヤー2ネットワーク。シリーズAで数十億円を調達し、分散型ビットコインクロスチェーンカストディサービスを実現。
15:00
NEARプロトコル、マルチチェーン再ステーキング「LiNEAR」始動へ 
NEARプロトコルがChain Signaturesを導入、暗号資産(仮想通貨)の相互運用性を強化。ビットコインやイーサリアムなど複数のブロックチェーンをサポートする。オムニチェーン再ステーキングLiNEARが始動。
14:15
「イーサリアムが有価証券でもETF化は可能」ブラックロックCEO
仮想通貨イーサリアムに関しては、米国においてその法的ステータスが定かではない。CFTCは商品(コモディティ)と見做している一方、SECはETHに関係するスイスのイーサリアム財団を調査していることが先週報じられた。
10:45
Parallel Studios、VanEckやソラナベンチャーズから53億円調達
パラレルはイーサリアムメインネットおよびBaseチェーン上で稼働するものだが、先日発表された、コロニーのローンチ先がソラナのブロックチェーンであることや、今回ソラナベンチャーズが出資したことから、今後クロスチェーンでの展開が考えられる。
10:15
イーサリアム「BLOB」にデジタルアートを記録する方法 Ethscriptionsが導入
イーサリアムのチェーン上にデジタルアートなどを記録するEthscriptionsは「BlobScriptions」を発表。ブロブにデータを記録する方法となる。
08:10
21Shares、欧州でTONの上場取引型金融商品を提供
今月初めテレグラムは仮想通貨TONを正式に統合し広告収入をチャンネル所有者と共有し、TONブロックチェーン上でToncoinを使って報酬を支払うようになった。この動きが投資家からの需要を押し上げたようだ。
07:30
ブラックロック「BUILD」、一週間で240億円超の資金流入を記録
ブロックチェーン上でトークン化された現実世界資産(RWA)の運用を提供するOndo Financeからの10億円以上新たな資金もありファンドの規模は拡大中。
06:50
スクエニやソラナ財団、Elixir Gamesに21億円出資
Elixir Gamesは、ゲームローンチャー「Elixir Games Launcher」で、さまざまなWeb3ゲームを遊べるPCアプリを提供。また、Web3ゲームがNFTなどのゲーム内資産のセールを代行するローンチパッドで、ミントなどの機能を提供する予定だ。
05:50
SECに有利か、裁判官がコインベースの棄却申し立て認めず
その一方、裁判官は、コインベースが顧客が仮想通貨ウォレットアプリを利用できるようにしたときに、無登録ブローカーとして運営していたというSECの主張を取り下げることを決定した。
03/27 水曜日
17:25
Slash Payment、独自トークンのエアドロップ対象条件を発表
暗号資産(仮想通貨)決済サービスSlash PaaymentのエコシステムトークンSVLについて、エアドロップの参加条件が明かされた。分散型決済エコシステムの利益が、ステーキング参加者に還元。スナップショットまでに割り当てを増やすことも可能だ。
17:00
ビットコインなど仮想通貨投資の始め方|初心者が注意すべきリスクとおすすめ戦略
ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)投資の初心者向けスタートガイドを解説。基本戦略や知識、特に注意すべきリスクやセキュリティ対策を紹介し、「何歳から始められる?」のか、取引所ごとの年齢制限一覧も提供。
16:04
KDDIのNFT市場「αU market」、アニモカブランズとの連携開始
KDDIが展開する「αU market」で、『PHANTOM GALAXIES』の限定版NFT販売を開始。アニモカブランズが支援するブロックチェーンゲームとの連携施策の第一弾。暗号資産(仮想通貨)ウォレット「αU wallet」を接続して購入できる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/03/28 15:00 ~ 18:00
東京 東京日本橋タワーB2階
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
重要指標
一覧
新着指標
一覧