CoinPostで今最も読まれています

取引前に知っておきたい:仮想通貨の個人アカウントがハッキング被害に遭いやすい「4つの手口」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

取引前に知っておきたい、ハッキングの手口
世界各国で相次ぐ仮想通貨ハッキング。取引所の被害額は2018年前半だけで810億円相当に。個人アカウントも例外ではなく、狙われやすい手口と対策を知っておく重要性が増している。
ハッキングとは
悪意を持ってシステムに不正侵入し、仮想通貨などを盗難する行為を行う者をハッカー(クラッカー)と呼ぶ。ホワイトハッカーは、コンピュータやネットワークに関する高度や知識や技術を持ち、企業のサイバーセキュリティー支援など、善意を持って対応する者を指す。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

相次ぐ仮想通貨取引所のハッキング

ブロックチェーンセキュリティ企業のCipherTraceの報告によると、2018年前半だけで、仮想通貨取引所から計7.3億ドル(約810億円)相当の仮想通貨の盗難被害にあったとされています。

2017年の年間被害額は2.6億ドル(約280億円)であったことからも、2017年以降の市場規模の急拡大に伴い、犯罪組織からより狙われやすくなっていると言えるでしょう。

今年に入ってから、特に大きな被害額が確認された仮想通貨取引所は、日本最大級のコインチェックと、韓国のコインレールの2社です。

コインチェックは、2018年1月に5億ドル(約550億円)もの仮想通貨NEM(XEM)が不正流出。コインレールは、2018年6月に4,000万ドル(約44億円)の被害を出したことで、仮想通貨市場に大きな衝撃を与えました。

どちらの取引所も、多額の顧客資産の保管方法に最大の問題があったことが指摘されており、オフラインで安全に管理できるコールドウォレットではなく、オンラインに接続されたホットウォレットに大量の仮想通貨を保管していた事が主因とされています。

この現状について各取引所は、プラットフォームにおける「セキュリティ部門の人材不足」による結果であると弁明し、市場全体のセキュリティの甘さが浮き彫りになりました。この現実に危機感を募らせた日本の金融庁は、国内仮想通貨取引所の一斉立入検査を実施。数多くの取引所に対して矢継ぎ早に「業務改善命令」を下すなど、監督姿勢を強めています。

個人投資家が狙われるケースも

既述の2018年前半の被害額7.3億ドル(約810億円)は、あくまでも仮想通貨取引所で確認されている被害総額であり、個人単位での仮想通貨盗難被害も含めるとさらに多額の被害額になると想定されます。

日本の警察庁は、2018年3月時点で、過去1年間に「仮想通貨を取引する個人カウントにおける不正送金被害が149件確認されており、その被害額は約6億円を超えた」ことを発表しました。

その中で、最も多くの割合を占めた手口は、個人取引アカウントにログインするためのIDおよびパスワードが何らかの形で盗難され、見ず知らずのアカウントに不正送金される方法であると記述されています。

そんな中、海外最大手の仮想通貨メディア「CCN」は、個人アカウントがハッキングされる4つの方法と、その対策について解説を行いました。

1:フィッシングメール

例えば、仮想通貨取引所の公式アナウンスを装い、”あなたのアカウントに不正なアクセスが行われた可能性があります”といったメールが届き、リンク先の偽アドレスで、パスワードの再設定を促される場合があります。

このようなメールを「フィッシングメール」と呼び、その被害を防ぐために、

  • 不明な送信先からのメールを迂闊に開かない
  • 第三者に個人情報を送らない
  • メールの送信アドレスが、公式のものであるかを再確認する

といった予防策を講じる必要があります。

2:フィッシングサイト

世界有数の仮想通貨取引所と同様に作成された精巧な偽サイト(フィッシングサイト)にて、自身のログインIDやパスワードを入力してしまうことで、資産を奪われてしまう被害も多く報告されています。

その対策として、

  • 検索エンジンにて、広告部分に表示されているリンクを不用意に使用しない
  • SSL認証(緑色のアドレスバー)があるかチェックする
  • 公式ウェブサイトをブックマークしておき、サイトに直接飛ぶ
  • より安全な接続を確保するため、優良VPN(仮想プライベート・ネットワーク)を使用する
  • SNSなどで、公式アカウントの注意喚起が出ていないかを確認する

といった方法が挙げられます。

3:Eメールハッキング

仮想通貨取引所における個人取引アカウントの乗っ取りと同様に、多く狙われるのがメールアカウントの乗っ取りです。

悪意のある第三者は、メールアカウントを乗っ取り、パスワード再設定のリンクをメールアドレスに送信・操作することで、容易にアカウント上の資産を動かすことができるのです。

よって、2段階認証を設定しておくことが重要であると言えるでしょう。

4:リモートアクセスを介してのアクセス

例えGoogleの「2段階認証」を施していたとしても、認証がパソコンのWebブラウザ上で操作できる場合、悪意のある第三者は、リモートアクセスを可能にするサービスなどを介して、認証を突破されてしまう可能性があります。

よって、このようなリスクを最小限に抑えるため、別デバイスでの2段階認証の設定を行うことが推奨されています。

機種変更前のスマートフォンをキャリアに返さず手元に残しておけば、WiFiでインターネット接続できるほか、QRコードを読み込む方式の場合、2段階認証を記録しておくことも可能です。

このように、大手仮想通貨取引所は日々セキュリティを向上させることに尽力していますが、それでも常にハッキングリスクに晒されているため、過信は禁物です。

個々に保管している仮想通貨資産が盗難に合う可能性も起こり得ることから、メジャーなコールドウォレットとして知られる「レジャーナノS」や「トレジャー」などで資産管理・保管を行うなど、日頃から注意を怠らないことが大切であると言えます。

レジャーナノSに関する情報は、以下の記事を参考にどうぞ。

CoinPostの関連記事

ハッキング被害のイタリア取引所が破産申請|同時期のコインチェック事件と明暗分けた資金力
4月27日、同年2月に当時約204億円に相当する1700万ナノをハッキングによって流出していたイタリアの仮想通貨取引所、ビットグレイルが破産申請を行なったと発表しました。この事件はコインチェック社のハッキング事件のわずか2週間後の出来事でした。
レジャーナノ(Ledger Nano S)の使い方|仮想通貨を安全に管理する方法
仮想通貨取引所のハッキングリスクが問題になる中、仮想通貨資産を安全に保管できるコールドウォレット『Ledger Nano S(レジャーナノS)』の購入方法や初期設定方法、リップル(XRP)の送金・入金方法など使い方を詳しく解説。26種類の対応仮想通貨一覧もあるので、参考にどうぞ。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。
06:00
コインベース、ソラナミームコイン「WIF」の永久先物提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベース(およびインターナショナル取引所)は19日、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧