現在、数え切れないほどの種類が存在する暗号資産(仮想通貨)の中でも、特に投資初心者が注目すべきなのは、時価総額ランキングで上位に入っている銘柄です。これらの銘柄は、信頼性の高さや投資の安定性から、多くの投資家に支持されています。
本記事では、時価総額ランキングTOP10の暗号資産を徹底解説し、それぞれの注目ポイントと将来性について詳しく分析します。ビットコインをはじめとする主要銘柄について、なぜこれらが投資に適しているのか、その理由を探ります。
また、これらの仮想通貨を取り扱う主要取引所の情報についてもまとめます。読者が自分に最適な投資戦略を立てるための参考になるでしょう。
仮想通貨取引所のTOP10銘柄取扱い状況
以下の一覧表では、TOP10にランクインしている仮想通貨について、各取引所での取扱い状況です。現物取引である「販売所」か「取引所」、そして「レバレッジ取引」の3点に注目します。
〈この表は上下左右にスライドします。〉
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38 | 41 | 23 | 26 | 31 | 33 | 42 | 19 | 25 |
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9月の時価総額ランキングTOP10
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¥663 24年9月3日時点 |
¥1,680,135,049,719 | ||
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〈ステーブルコイン(USDC,USDT)やラップドトークン(stETH, WBTC)は除外。価格はCoinGeckoを参照、時価総額は24年9月5日時点の流通量に基づきます。〉
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時価総額ランキングTOP10の概要、将来性
2024年9月4日現在の時価総額ランキングTOP10の概要です。ビットコイン、イーサリアム、XRP、ソラナがそれぞれどのような特徴を持ち、どのような背景のもと生まれたのか、そして今後の注目点を紹介します。
1.ビットコイン(BTC)
ビットコインは、世界で初めて発明された仮想通貨であり、2008年に「サトシ・ナカモト」を名乗る正体不明の人物あるいは団体が発表した論文から開発が始まりました。
中央銀行のような発行主体が存在しない分散型システムをブロックチェーン技術により実現し、ピアツーピアネットワーク上でユーザー間で直接資金を送受信することが可能です。このシステムは、政府や金融機関の介入を必要とせず、取引の透明性と安全性を提供します。
ビットコインは商品の購入やサービスの支払い手段として広く利用されるだけでなく、投資手段としても注目を集めています。暗号資産市場において最も歴史があり、全世界で最も時価総額が高い仮想通貨であり、その信頼性と安定性から多くの支持を受けています。
2024年4月時点で、ビットコインの時価総額は1.4兆ドル(200兆円)を超えており、その後も1兆ドル前後を維持しています。全銘柄の中でトップの座を占めており、市場シェアは56%です(2024年9月時点)。この背景には、2024年1月の米国でのビットコインETF承認と、同年4月の半減期の影響が大きいです。特に半減期は、新たに発行されるビットコインの数が半減し、供給量の減少が価格に大きな影響を与えると考えられています。
9月現在に、マイナー降伏からの回復期にも注目が集まっています。ビットコインの半減期から約100日後には、歴史的に上昇相場が始まる傾向があり、この統計に基づき、2024年の半減期後も同様の動きが見られるかどうかが注目されており、多くの投資家が市場の動向を注視しています。
関連:ビットコイン半減期後のパターンと今後の価格予測 ETC GroupとPlanBの見解
2.イーサリアム(ETH)
イーサリアムは、ロシア出身のヴィタリック・ブテリン氏を中心としたチームによって開発されたブロックチェーンベースのプラットフォームです。ビットコインの基本的なブロックチェーン技術を応用しながら、より複雑なトランザクションとスマートコントラクトを扱えるように設計されています。
イーサリアムは、スマートコントラクト基盤として最大の時価総額を誇るアルトコインであり、最も多くのユーザーと分散型アプリケーション(dApps)、および巨額のDeFi(分散型金融)市場を持つブロックチェーンです。スマートコントラクトは、あらかじめ定義された契約条件が満たされた場合に自動的に実行されるプログラムで、取引や契約の効率化と透明性を向上させます。
イーサリアムは、DeFiやNFT(非代替性トークン)など、多様なデジタルアプリケーションとサービスの基盤として広く用いられており、これらの分野でのエコシステムの発展を支えています。開発者コミュニティも非常に活発で、イーサリアムのプラットフォーム上で新しいプロジェクトやイノベーションが次々と生まれています。
2024年7月には、イーサリアムETFが米国で取引を開始し、機関投資家からの資金流入が期待されています。ビットコインは、ETF承認を市場が織り込み始めた2023年10月から110%以上、2024年1月のETF発売後も25%以上上昇しており、これと同様のパターンでイーサリアムにも強気の動きが期待されています。
ただし、市場への資金流入が予想を上回る可能性もありますが、逆に流入が限定的である場合、価格予測には不確実性が伴います。現在のところ、イーサリアムの過去最高値は2021年11月に記録した4,878ドルであり、これを更新するためには約30%の上昇が必要です。
関連:イーサリアムの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、おすすめ取引所選び
関連:イーサリアムの将来価格 ETFの米国承認後の影響とテック株との比較
3. ビルドアンドビルド(BNB)
ビルドアンドビルド(BNB)は、海外の暗号資産取引所Binance(バイナンス)のエコシステムで使用されるプラットフォームトークンとして発行されました。そのため、旧名称であるバイナンスコイン(Binance Coin)かBNBが一般名称として浸透しています。
BNBはBinanceでの手数料の支払いに利用でき、手数料が割り引かれる用途が有名です。さらにIEO(取引所で行われるトークンセール)も頻繁に行われており、所定のBNBを一定期間ロックアップすることで、ユーザーは有望プロジェクトの初期段階の資金調達に参加することもできます。
BNBは現在、BSC(バイナンス・スマート・チェーン)という独自のブロックチェーンで手数料の支払い等に使用されます。特徴としては、ガス代(手数料)が比較的安く、決済速度が速い、取引所間を跨いだソリューションを提供しているといったことなどが挙げられます。
取引手数料の支払いに使用するだけでなく、NFT取引やIEO参加、DeFiプロジェクトへの投資などにも利用されています。
4.ソラナ(SOL)
ソラナ(Solana)は、QualcommやDropboxにおいて圧縮アルゴリズムや分散システムの管理に携わった経験を持つアナトリー・ヤコヴェンコによって創設された、高速で低コストなスマートコントラクトプラットフォーム。その暗号資産(仮想通貨)はSOL。50,000トランザクション/秒(TPS)の高いスループットと600ミリ秒の平均ブロックタイムを基本設計としており、レイヤー2など追加のスケーリングソリューションが不要となっています。
独自のコンセンサスアルゴリズム「Proof of History」により、ネットワークの効率が大きく向上したソラナは、イーサリアムと比較してトランザクション手数料は非常に低く、1トランザクションあたり0.00025ドル前後とされています。この低コストと高速性が、ゲーム、金融、DeFiアプリケーションなどの幅広い分野での利用を可能にしています。
ソラナはT-Mobileの全米5Gネットワークをサポートする分散型Heliumネットワークでの携帯電話サービス提供や、VisaによるUSDC決済のサポートなど、様々な分野での採用が進んでいます。これらの特徴と実績により、ソラナはビットコイン、イーサリアムに次ぐ、現物ETFへの期待が高く、複数の申請案の審査が米国で進行しています。
関連:ソラナで拡大する分散型インフラ「DePIN」、2024年注目のプロジェクトを深掘り
5.XRP
XRPは、リップル社とそのパートナー企業が主に国際送金や決済の効率化を目的として利用している暗号資産です。「XRPレジャー」と呼ばれる分散型台帳技術を活用し、パブリックな環境で運営されているブロックチェーンに基づいています。XRPは、そのネイティブ暗号資産としての役割を果たし、迅速かつ低コストでの送金が可能です。
XRPは特に決済用途に特化して開発されており、送金は数秒から数分で完了し、手数料も非常に低いことから、取引所間の送金にも頻繁に利用されています。そのトランザクション処理能力は非常に高く、毎秒1,500件のトランザクションを処理できるとされています。これにより、XRPは国際送金市場において高い効率性とスピードを提供することで知られています。
2020年12月に米国証券取引委員会(SEC)がリップル社を提訴して以来、訴訟が続いていましたが、最近になってようやく終わりが見えてきたとの見方が広がっています。2024年8月、米国の判事はリップル社に対し、XRPを機関投資家に直接販売したことに関する規制違反で、1億2,500万ドルの罰金を支払うよう命じました。当初、SECはリップル社に20億ドルの罰金を求めていましたが、最終的にその額は94%削減されました。
SECはこの判決に不服を示し、控訴する可能性が高いとされています。しかし、昨年の仮抗告の申し立てはすでに一度却下されており、リップル社側は強気の姿勢を崩していません。リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは、2024年8月7日にX(旧Twitter)でこの結果を「リップル社と業界全体にとっての勝利」と評価し、さらなる前進への意欲を示しました。
この判決がXRPの市場に与える影響はまだ不確定ですが、リップル社にとっては重要な法的な勝利と見なされており、市場参加者の間でも注目を集めています。
6.ドージコイン(DOGE)
ドージコイン(DOGE)は、当時人気のあったインターネットミームである「ドージ」の柴犬をロゴにしており、暗号資産全体への風刺のために作られました。
2013年12月に開発され、ビットコインを模倣して作られた暗号資産で、ビットコインとほとんど同じ機能を持っています。
ライトコイン(LTC)をベースにしたオープンソースの分散型デジタル通貨で、取引確認が高速であり、手数料も低いのが特徴です。
ビットコインやライトコインでは、価値が希釈されて価格が下落しないように、発行上限が設定されていますが、ドージコインには発行上限が設定されていません。
テスラ社のイーロンマスクCEOが度重なるドージコインに関する発言によって高騰するなどソーシャルメディアで注目を集めることが多い仮想通貨の一つです。
関連:DOGEの将来性・価格、今後注目のイーロン・マスクによるX決済機能
7.トロン(TRX)
トロン(TRX)は、スマートコントラクトなどを実行できる分散型プラットフォーム「TRONネットワーク」で使われる暗号資産です。TRONネットワークではNFTの発行やDAppsの構築が可能で、トロンはネットワーク利用手数料の支払いに使用することができます。
トロンは暗号資産業界の中でかなりの人気を得ている人物である、ジャスティン・サン氏が立ち上げました。彼は、暗号資産取引所のPoloniexやHTX(Huobi)を買収しており、Poloniexではトロンを取引所トークンのように使用することができます。
関連:初心者でもわかる仮想通貨トロン(TRX)とは|特徴や仕組みを解説
8.トンコイン(TON)
トンコイン(TON)は、世界的なメッセンジャーアプリのTelegram(テレグラム)社が立ち上げた暗号資産です。現在はトンコイン財団という非営利団体が開発を継承していますが、テレグラム上での送金が可能であり、引き続きテレグラムアプリ上での活用が模索されていることから、投資家の期待を集めています。
トンコインはテレグラムの理念を大きく受け継いでいるといえます。テレグラム上での利用だけにとどまらず、TONで支払える高匿名性eSIMサービス「Anonymous eSIM」や、匿名性の高い.tonドメインが購入できるDNSサービス、「FRAGMENT」というテレグラムアカウント認証用の電話番号を購入できるサービスなどで利用することができます。
9.カルダノ(ADA)
カルダノ(ADA)は、複雑なプログラミングが可能な価値の移動を可能とする、分散型プラットフォームです。
カルダノはブロックチェーンやスマートコントラクトにおけるスケーラリビティ問題や手数料の高騰、トランザクション処理時間といった問題を解決し、より完璧なブロックチェーンを構築するために立ち上げられました。
カルダノ上でDAppsやNFTを制作することができ、低い手数料で利用することができます。
関連:初心者でもわかる仮想通貨カルダノ(ADA)とは|仕組みや将来性について
10. アバランチ(AVAX)
アバランチ(AVAX)は、Primary Networkと呼ばれる3つのチェーンで構成されており、スケーラリビティ問題やネットワーク手数料の高騰、異なるブロックチェーン同士の相互運用性(インターオペラビリティ)を解決するような構成になっています。
特筆すべきポイントは、サブネットというネットワークを作成できる「Pチェーン」(Platform Chain)という機能です。Pチェーンで作成したサブネットは、参加可能な条件を作成者がコントロールできるため、参加者を本人確認を行った人に限定したり、特定の言語話者に限定したりすることができます。
そのため、すでにビジネスを展開している企業などとの親和性が高いです。日本国内でも採用例が目立ってきており、コナミでの採用例も存在しています。
24年上半期のトレンドと今後の注目点
2024年9月1日時点、暗号資産市場におけるトレンドと、今後の注目点についてまとめます。
暗号資産ETFへの期待
暗号資産ETFとは、暗号資産に価格が連動するように設計された投資信託のことです。例えばビットコインETFの場合、ビットコイン価格が変動すればビットコインETFも同じように変動します。
直接暗号資産を買えばいいのでは、と思われるかもしれませんが、暗号資産ETFは証券会社で買える、暗号資産を管理する必要がないというメリットがあります。
日本では暗号資産ETFは承認されていませんが、アメリカではすでにビットコインETFおよびイーサリアムETFが承認されています。市場にはほかのアルトコインのETFも続くのでは、という期待感があり、その代表例がソラナ(SOL)。実際にイーサリアムETFが承認された5月以来、最高値に迫るまでに上昇しています。
米国債投資の手段
近年、法定通貨ではなく、債券などを裏付けとするステーブルコインに注目が集まっています。
例えば、イーサリアムのブロックチェーン上で発行されているUSDCは、米ドルと連動するように設計されている一方で、裏付けの資産の80%は短期米国債が占めています。米ドルは残りの20%しかなく、実質的には米国債によって価値が裏付けられているステーブルコインと言っても差し支えないでしょう。
USDCのようなコインは、暗号資産の中では比較的価格変動が少なく、安定した金利収入を得られる新たな投資先として注目を集めています。
特に、米国債に裏付けられたステーブルコインは、米国債による金利収入を得られる、安全な投資手段として注目されています。同様の仕組みを持つステーブルコインは、ほかにもいくつか存在しています。
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テレグラムの台頭、テザーの流通拡大
テザーは、米ドルに連動するステーブルコインの一種です。メッセージングアプリの「テレグラム」上での利用が拡大しており、取引の利便性が向上しています。ユーザーはテレグラムウォレットを通じて、テザーでの支払いが行えるようになりました。
テレグラムは、世界で9億人以上のユーザーを持つインスタントメッセージングアプリです。高度なセキュリティが特徴で、ユーザーはプライバシーを維持したままテキストや画像でのやり取りができるため、政府の検閲によって言論の自由が妨げられている国家や地域でも盛んに利用されています。
テレグラムの利用拡大が進めば、今後テザーはよりステーブルコインとして確固たる地位を築いていくことになるでしょう。
ミームコインのマーケットシェア拡大
ミームコインは、ほかの暗号資産と比べるとジョークやコミュニティを重視した暗号資産であり、実用性という点では劣るケースも少なくありません。一方で投機の対象になりやすいことから、ハイリスクではありますが短期間で数倍、数十倍の値動きをすることも珍しくありません。
例えば、ドージコインは2020年末には1DOGE=1円前後で推移していましたが、2021年5月には80円近くにまで上昇しています。初心者には必ずしもおすすめできませんが、夢はあるかもしれません。
ミームコインのメリットでも少し触れたように、投機性の高さから、ミームコインはさまざまな投資家から注目を集めることがあります。
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関連:ミームコインとは?買い方・探し方 PEPEやWIF、BONKをDEXで購入する方法
まとめ
暗号資産は数多く存在していますが、リスクをあまり取りたくないという場合は基本的には上位銘柄への投資がおすすめです。
逆にリスクを取ってでも大きなリターンを狙いたい場合は、マイナーなアルトコインやミームコインへの投資も視野に入るでしょう。また、銘柄を分散させて適切なポートフォリオを作ることも大切です。
暗号資産を取り巻く環境は日夜変化しています。情報に対するアンテナを立てておくことも忘れず、投資に取り組んでいきましょう。