CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨ステラルーメン(XLM)とは?|大手企業や政府と提携した背景も解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

XLMとは

ステラ・ルーメン(XLM)は主に、個人が送金に利用することを想定して開発された仮想通貨です。発行主体はステラ開発財団(Stellar Development Foundation)で、中央集権的な特徴も有しています。

通貨はルーメン、プラットフォームがステラであり、ティッカーはXLMとあらわされます。送金コストを安く抑え、トランザクション速度が速いXLMはXRPと似るところもありますが、分散取引(DEX)に似た機能も持ち、マーケットプレイスとして資産の取引を行えるようになっています。

発行枚数は約500億XLMであり、XRPと同様にすべて発行済みで、追加発行はありませんが、発行されたXLMのうち300億枚がStellar Development Foundationに運営費として保有されており、今後一部が流通する見込みです。

XLMの成り立ち

XLMはXRPの元開発者で、2014年2月に経営破綻した仮想通貨取引所マウントゴックス(Mt.Gox)の創設者でもあるJed McCaleb氏が主導したものです。

ステラが発表された2014年当初、ステラのコードベースはほぼXRPのものと同一で機能もほぼ変わりませんでしたが、そののちStellar Consensus Protocol(SCP)が採用されたことでXLMは独自の利点を持つようになります。このコンセンサスアルゴリズムはXRPのものよりも幾分か高速で、取引を承認するヴァリデーターの採択が投票により行われます。

XLMとXRPの関係性や相違点

両者とも送金コストを時間、金銭的に抑えることを目的としています。元々XRPのフォークであったXLMは、目的意識の違いから分かれたものです。

XRPはRipple社の提供する金融ソリューションの歯車として発行されたもので、主な顧客としては銀行などがあげられます。実際Rippleを採用する銀行は存在し、各国中央銀行も検討しているといわれています。

政府や大企業との提携

XLMは個人を対象とすることを目指すことから、XRPよりフォークしました。xRipple等個人を対象としたサービスを運営しているXLMですが、企業との連携がない訳ではありません。実際に、ナイジェリアなどの国家の送金システムとして採用され、IBMとの協同プラットフォームも発表されています。

ウクライナ政府と提携

ステラのユースケースについては2021年1月、東欧国ウクライナのデジタル改革省が、中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)の開発および仮想資産エコシステムの構築を行うため、ステラ開発財団と覚書を締結したことを発表しました。

当初、ウクライナの中央銀行はデジタル通貨のリサーチと開発を進めていました。デジタル改革省のOleksandr Bornyakov副大臣によると、ステラ開発財団は直接デジタル通貨を発行するのでなく、開発に関する助言を行い、国内の通貨や資産のデジタル化を推進する役割を担うことになると説明しています。

ウクライナとステラは、2019年にウクライナの中央銀行がステラのプライベート版を利用することに言及するなど以前から関係を構築していたとも見られており、その当時から水面下でCBDCのプロジェクトが進んでいた可能性があるとの見方も上がっています。

2021年1月当初、ステラ開発財団のDenelle Dixon CEOは、「CBDCについては、多くの政府と協議している」と述べていました。

関連:ウクライナ政府、ステラ開発財団と提携 デジタル通貨関連の開発で

IBMとの提携

IT大手IBMは2018年、ブロックチェーン技術を活用した新たな送金ネットワークサービス「IBM Blockchain World Wire」を正式発表しました。その際、ステラのブロックチェーンを技術として採用すると述べています。

ステラはもともと送金利用を想定して開発されているため、IBMの新サービスに適しているブロックチェーンでした。当初から開発・運営の目的が明確だったことが、IBMのような大手企業が注目した理由だとも見られています。

発表では「ブロックチェーン技術とステラのプロトコルを駆使し、『IBM Blockchain World Wire』は、わずか数秒間で、金融機関による国際間決済を可能にします」と紹介。サービスのメリットとしては、主に以下の内容が挙げられていました。

  • 高速決済プロセス
  • コスト削減
  • 演算処理効率の向上
  • 決済方法の簡易化

2018年の発表後、2019年3月には送金ネットワークが稼働したことを発表しています。その時点で6社の銀行が参加を表明しており、韓国、フィリピンやブラジルなどからの参画を公表。72カ国で47の通貨を利用した送金が可能な新しい送金ネットワークが誕生しました。

関連:米IBM、仮想通貨ステラやステーブルコイン活用した新たな送金サービスを開始│既に6つの銀行が加盟表明

シャリア適合認証

ステラ開発財団は2018年7月、ステラの技術とネットワークが、シャリア適合認証を受けたことを発表しました。「シャリア」とは「イスラム法」のことで、この認証によって、ステラがイスラム法に適合するとお墨付きを得たことになります。

イスラム教は宗教であるだけでなく、法や社会規範でもあるため、金融業界もシャリアに準拠する必要があります。

イスラム金融の大きな特徴は、「無利子金融」であることだと言われています。教義で利子の受け取りが禁止されており、投機的な取引や不確実性な取引も禁止されています。通貨は単なる交換手段にすぎず、利子やリターンを生み出す行為は禁止されているのです。

ステラは2018年に、投機性を有していないことなど、シャリアに適合していると見なされました。もともと、送金需要が多いイスラム圏でもネットワークを拡大していく方針を打ち出していたため、シャリア適合認証を取得したことは、大きなメリットになると期待が集まりました。

国内で取引可能な取引所

XLMが国内で取引可能な取引所は6つあり、レバレッジ取引が可能なのはそのうち2つです。

  • コインチェック(現物)
  • bitflyer(現物)
  • bitbank(現物)
  • GMOコイン(レバレッジ、現物、暗号資産FX)
  • フォビジャパン(現物)
  • DMM Bitcoin(レバレッジのみ)

関連:人気通貨別の仮想通貨取引所おすすめランキング|ビットコイン、リップル、イーサリアム (coinpost.jp)

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/16 火曜日
17:08
暗号資産取引関連の損益計算、約15%が「今回が初めて」と回答|Gtaxアンケート
株式会社Aerial Partnersが実施した「Gtax」利用者向けの2024年暗号資産(仮想通貨)確定申告アンケート結果。取引用途が多岐にわたり、計算処理が複雑化する中で、損益計算の計算ツールへの切り替え需要が高まっていることが示された。
16:23
テレ朝グループのBCGアクセラレータープログラム、競走馬育成ゲームを発表
株式会社テレビ朝日と株式会社テレビ朝日ミュージック、extra mileがブロックチェーンゲームアクセラレーター「tv asahi Blockchain Games」を立ち上げ。インキュベーションからパブリッシングまでのサポート。初のゲームタイトル「NEOBRED」も注目。
14:25
リップル裁判、23日の公判前にSECと和解する可能性は
米証券取引委員会対リップル社の公判が4月23日に迫る中、16日に公判前会議が予定されていることから、両者が和解するのではないかとの憶測が広まっている。
12:12
ビットコインなど仮想通貨相場リスクオフムード、中東情勢不安強まる
イランとイスラエルを巡る中東情勢は予断を許さず、仮想通貨相場は米株指数の下落に伴いリスクオフに傾いた。ビットコインの反発も限定的で、アルト市場にも強い下押し圧力が掛かっている。
11:30
アービトラム、不正防御プロトコルBOLDをテストネットローンチ
仮想通貨イーサリアムL2アービトラムの開発企業であるOffchain Labsは、テストネットで不正防御プロトコルBOLDを立ち上げたと発表した。
11:10
不動産RWAプロトコル「Parcl」、エアドロップ確認を開始
仮想通貨PRCLエアドロップに関しては現在Parclの公式ページからユーザーへの付与額を確認することができる。取得はまだ始まっておらず、同16日21時59分より始まる予定だ。
09:45
ドイツ最大の州立銀行が仮想通貨取引提供へ、LBBWとBitpanda提携 
仮想通貨取引プラットフォームBitpandaはドイツ最大の連邦州立銀行LBBWとの提携を発表した。法人顧客にビットコインなどの取引・保管を提供する。
08:45
ソラナブロックチェーン、混雑軽減のパッチを導入
今回正式にリリースされた「v1.17.31」は複数のアップデートにおける最初のものとなる。このパッチには、データパケットの処理方法と最適化の改善、特定のノードをその利害関係に基づいて分類する方法の変更、システムのローカルテスト環境におけるデフォルト設定の更新などが含まれている。
07:45
香港の仮想通貨現物ETF、アナリストが影響を分析
香港における仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFへの流入額は、最大5億ドルだとブルームバーグアナリストは分析。米国のETF市場と規模を比較している。
07:00
ビットコイン半減期まであと4日、コインベースが動画で価値の変遷辿る
米仮想通貨取引所大手コインベースは1週間を切った半減期カウントダウンに合わせて、ビットコイン関連のソーシャルメディアCMを公開した。
06:20
OKX、ソラナミームコイン2銘柄新規上場
これらの仮想通貨銘柄はこれまで価格が大きく上昇してきてソラナの代表的なミームコインとなった。MEWは前日比で25.7%値上がりしている。
05:50
STEPNとアディダス提携、NFTスニーカーリリースへ
NFTの第一段階ラッフルミントは、日本時間4月17日9時よりアローリストのメンバーのみを対象とする。このコラボNFTを保有しているユーザーには、特典が今後付与される予定だ。
04/15 月曜日
16:12
香港当局、ビットコインとイーサリアムの「現物ETF」を上場承認
香港当局は15日、アジア初となるビットコインETFとイーサリアムETFの上場承認を行なった。中国マネーの流入や米SEC(証券取引委員会)におけるイーサリアム現物ETFへの影響が注視される。
13:52
オーストラリア当局、無認可の仮想通貨マイニング企業3社を提訴 
豪当局は仮想通貨マイニング企業3社を提訴した。金融ライセンスを取得せずに、年金ファンドで仮想通貨関連商品に出資するよう勧誘していたとされる。
11:52
ビットコイン急落後の週明け相場、2400億円相当の大規模ロスカットも
イスラエルとイランの対立先鋭化および中東情勢悪化に伴いビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)相場が暴落して迎えた前週末。先物市場では2400億円相当の大規模ロスカットが発生した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア