CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨 Chainlink(チェーンリンク)とは|仕組みを解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

チェーンリンクを解説

ブロックチェーンの開発が進み、最近では暗号資産(仮想通貨)という金融領域以外でも技術が広く応用されるようになりました。

データの改ざんが事実上不可能で、透明性の高い仕組みは今後も広く普及していくとの見方が多く、中央集権的な仲介者が不要な点から、コスト削減や効率性向上につながるとして、ブロックチェーンという技術に対する注目度はますます高まってきています。

しかし一方で、ブロックチェーンにはまだ課題もあります。ブロックチェーンの種類によっては処理速度遅かったり、それによって手数料が高騰したりする点などです。

また種類に限らず、ブロックチェーン全体の特徴として「ネットワークの外のデータにアクセスできない」という課題があります。例えば、ブロックチェーンは単独で、「今その仮想通貨の価格はいくらか」というデータを入手することができません。

この「ネットワークの外のデータにアクセスできない」という課題の解決に取り組んでいるプロジェクトが「Chainlink」です。本記事では、Chainlinkの仕組みや特徴、ユースケースについてご紹介していきます。

目次
  1. プロジェクト内容
  2. SWIFTとの関係
  3. プロジェクトチーム
  4. ICO
  5. ユースケース
  6. 国内の上場先
通貨名(通貨単位) ChainLink(LINK)
最大供給量 1,000,000,000 LINK
現在の供給量(記事作成時) 350,000,000 LINK
公開日 2017年6月27日
公式サイト ChainLink公式サイト
ソースコード ChainLinkソースコード
CoinMarketCap(チャート) ChainLinkチャート
ホワイトペーパー ChainLink White paper

Chainlinkはブロックチェーンの外部にあるデータをブロックチェーン内部に提供する、Smart Oracleなどの技術を使用したシステム開発を行うSmartContract社が、コーネル大学やUCバークレーなどの教員が主導しているブロックチェーン専門の研究機関であるIC3と協力して開発しています。

上記の通りコーネル大学のブロックチェーン研究専門機関が開発しているTownCrierというウェブサイトのデータを検索し、そのデータをブロックチェーンのスマートコントラクト(執行条件と契約内容を事前に決めておくことで、その条件に合致した場合に自動的に契約が履行される仕組み)に提供するシステムをChainlinkと組み合わせています。

ChainlinkはWebアプリケーション、Paypal、API、銀行口座などの決済や市場データ、金融システムを、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、HyperLedgerのスマートコントラクトと安全に監視可能に繋げる最初のミドルウェア(最低限に必要な基本的機能を提供するオペレーションシステム=OSとOSではできない機能を提供するアプリケーションの中間に入りデータ処理などを行うソフトウェア)です。

というのも、スマートコントラクトはオフチェーン(外部)のデータやAPIといった主要な外部リソースに接続できない外部接続性に欠如があるからです。

この状態をChainlinkが中間に入ることで、スマートコントラクトとオフチェーン(外部)にあるデータなどを繋げることができるようになります。

Chainlinkは、分散型のオラクルであることが大きな特徴です。特定の企業や組織が運営していたり、情報源が限定されていたりすると仕組みはシンプルですが、そこが単一障害点になったりするリスクがあり、また仲介者に対する信用を担保する必要もあります。

複数の情報源からをデータを収集し、複数のノードによって運営されているChainlinkは、トレストレスで単一障害点がなく、より安全なオラクルだとされています。

RippleのILP(インターレジャープロトコル)と競合するのではないかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、ILPは銀行の国際送金や取引の主体となる資産のやりとりを仲介する機能ですが、Chainlinkのようにビットコインやイーサリアムのスマートコントラクトを外部データ、API、内部システム、既存の銀行決済システムに安全で瞬時かつ監査可能な形で接続することを可能にするものではなく、銀行間を繋げること、ドル、元、円などの価値を瞬時に安全に送金することが目的です。

またChainlinkのLINKトークンはChainLinkのネットワークで使用され、スマートコントラクトが金融システム、Paypal、Web、と繋がり、これらが持つそれぞれの決済がLINKトークンによってそれぞれのChainLink Node Operatorと決済することが可能となりLINKトークンはスマートコントラクトに直接提供されます。

関連:なぜ、仮想通貨XRP(リップル)に関心が集まるのか|今後の将来性と重要プロジェクト

SWIFTが例年主催し、2016年のSibos(世界各国の金融機関の幹部や関係者が出席する国際会議)をきっかけにSWIFTと契約を結び、SmartContract社とSWIFTがChainlinkを使ってブロックチェーンの実証実験を成功させています。

そのSibosが2017年10月16日にカナダのトロントで開催され、同日に同じトロントで、Rippleと銀行とのブロックチェーンについての国際会議が開催されました。

SWIFT(国際銀行間金融通信協会)は世界各国の金融機関に金融メッセージ・クラウドサービスを提供し、あらゆる国際決済がSWIFTを通して行われています。

また、ブロックチェーン技術の可能性にも目をつけ、この技術が決済システムに組み込まれることでプロセスの効率を上げ、経済の活性化にも繋がることが期待されていました。

CEOであるSergey Nazarov氏はネットワーク上で売買の注文を完了できるサービスSecure Asset Exchangeやブロックチェーンベースの分散型電子メールサービスCryptamailなどのブロックチェーン分野の会社を起業してきた豊富な経験を持ちます。

技術顧問にはIC3の共同ディレクターのAri Juels氏、イーサリアムコミュニティメンバーのハドソン・ジェイムソン氏、ZcashとTezosのアドバイザーのAndrew Miller氏、Facebookのエンジニアリング・ディレクターやGoogle、Nvidia、インテルなどの大手起業で採用されているLLVMの開発をし、名誉あるACM Software Systems Awardを受賞しているEvan Cheng氏で編成されていました。

2017年9月19日から行われたICOは、ハードキャップである約36億円に到達し終了しました。

企業の分析データを提供する「Crunchbase」によれば、Chainlinkは2017年、2回のICO(イニシャル・コイン・オファリング)と「シードラウンド」で、合計3,200万ドル(約35億円)の資金を調達しています。

上述したSWIFT以外にも、Chainlinkには多くのユースケースがあります。

2019年にはGoogle Cloudと提携。その後2021年8月に、チェーンリンクのネットワークで、Google Cloudが提供する天気データが利用可能になりました。天気をもとにした予測市場や、農業向けの保険などをDeFi(分散型金融)で提供出来るようになる見込みがあるとして、注目を集めています。

これ以外にも、日本発のパブリックブロックチェーンを開発する「ステイクテクノロジーズ」が技術的な連携を行なったり、中国の国家ブロックチェーン・プラットフォームである「BSN(ブロックチェーン・サービス・ネットワーク)」がChainlinkのオラクルを導入するなど、ユースケースは現在でも増加しています。

投資におけるユースケース

投資対象の資産としては、米最大手仮想通貨投資企業「グレースケール」が2021年4月に、同社が提供する「Digital Large Cap Fund」にLINKトークンを組み入れたことが明らかになりました。

Digital Large Cap Fundは、時価総額上位の銘柄で組成される投資信託です。当時、ビットコインとイーサリアム、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)が以前から含まれていて、そこにLINKトークンが加えられています。

グレースケールの投資信託は、市場からの注目度が非常に高く、LINKトークンの追加も大きな話題になりました。

LINKトークンは2021年9月16日、東証1部上場企業「SBIホールディングス」傘下の仮想通貨取引所「SBI VCトレード」が取り扱いを開始しました。

同社の取引所(VCTRADE Pro)と販売所(VCTRADE)で取り扱っており、日本では初の上場事例です。

関連:SBI VCトレードの銘柄新規上場、チェーンリンク(LINK)とポルカドット(DOT)

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。
06:00
コインベース、ソラナミームコイン「WIF」の永久先物提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベース(およびインターナショナル取引所)は19日、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧