CoinPostで今最も読まれています

ビットコインにとってウォール・ストリートは本当に必要なのか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインにとって、ウォール・ストリートの介入には善悪の要素がある
ウォール・ストリートの資金が仮想通貨市場に流入することで取引量などが増加し、活性化するだろうが、恐慌を引き起こした過去を持つ彼らの介入には不安が残ります

公共機関のお金仮想通貨に流れ込み始めたらビットコインの価値が急激に上昇するという期待がされています。それに伴いウォール・ストリートが正式に仮想通貨市場に足を踏み入れることを待ち望んでいるビットコイン所持者が多数います。しかし、ビットコインや仮想通貨にとってウォール・ストリートは本当に必要なのでしょうか。

目次
  1. FX市場での詐欺報告
  2. 商品としての影響
  3. Liborのスキャンダルとは
  4. 増える不安と吟味

FX市場での詐欺報告

世界中の銀行が外国通貨の取引においてクライアントからお金をだまし取ったという申し立てを静めるために100億ドル以上の罰金を払いました。銀行はよくフロント・ランニング(銀行の自己勘定売買デスクの取引をクライアントのための取引より先に行うこと)を通して客に釣り銭を少なく渡しています。

銀行はクライアントの差し迫っている取引の情報を利用して黒字化しています。罰金を払って上記の問題を解決した銀行のリストにはBank of AmericaCitiHSBC及びBarclaysが含まれます。しかし罰金の支払いではこの問題は解決できないかもしれません。元HSBC FXトレーダーのMark Johnson(ジョンソン氏)がドルをポンドに変換するために35億ドル分のCairn Energyの注文をフロント・ランニングしたことについて9回の告発において有罪と判決されました。

商品としての影響

大きな銀行は商品から派生した市場だけでなく、物理的な商品に対して大きな役割を持つようになりました。ゴールドマン・サックスアルミニウム商売に足を踏み入れた後、値段の大きな増加が見られました。

これが単に需要供給のアンバランスではなく、市場操作による結果であるとの主張もありました。伝統のアルミニウム使用者であるコカコーラ社などが打撃を受けているとロンドン金属取引所(LME)に文句を言うようになりました。他にゴールドマン石油価格の急上昇をもたらしたとのことで罰金を科されました。さらに最近ではBarclaysが取引の情報を悪用し、銅の値段を跳ね上げさせたことでヘッジファンドに8.5億ドルの罰金で告訴されました。先日、ゴールドマンはビットコインなどの仮想通貨取引を計画していることを発表しています。参入することで、ビットコインなどの取引量が増加し、価格の変動に影響があるかもしれません。

ウォール・ストリート・ジャーナル:ゴールドマンサックスが直接的にビットコイン取引を計画
ゴールドマンサックス社がビットコインなど仮想通貨取引を検討中 一部のジャンルでの収益性が21%低下・トラン...

Liborのスキャンダルとは

FX及び商品の市場操作が個々の銀行家によって行われたのであれば、Libor市場での操作は複数の銀行が協力して行ったことになります。

Libor(the London Interbank Offered Rate)は世界中の契約について金利を設定するために使われる基準のレートです。それは複数種類の銀行がある特定の日に支払われる予定の金利を調査して計算されます。

Liborから派生したものも多く、銀行は取引の立場において利益を得るためLiborを操作(受け取るはずの金利を膨らませたり収縮させたりすることで)してきました。

Liborスキャンダルによって多くの銀行が記録的な罰金(ドイツ銀行は25億ドル)を払うことになりました。さらにBarclaysの議長と社長のMarcus Agius(アギアス氏)とBob Diamond(ダイアモンド氏)の辞職を含む厳しい罰則を与えられました。

増える不安と吟味

数少ない先導投資者が急激な値段増加によって利益を得たとしてもウォール・ストリートの介入が全体的にポジティブな影響を及ぼすかは議論の余地があります。取り締まる側にとっては不安と吟味が増える可能性があります。

上に述べた例は2008年に起こった世界中を巻き込んだ金融恐慌の原因となった銀行の過度なリスクテーキングが行われる担保市場については全く触れていません。

より大きな利益を目指すウォール・ストリートの会社の歴史を見ると、受託者責任を放棄することを意味することであっても、ビットコインはウォール・ストリートとは関わらないほうがいいと思われます。

Does Bitcoin Really Need Wall Street?

Oct. 30, 2017 by Jacob J

参考記事はこちらから

CoinPostの考察

過去にウォール・ストリートのゴールドマン社がある分野に介入し、その価格が上昇し罰せられる事例がありました。このことから、ビットコインに彼らが介入し価格が上昇することが考えられていますが、投資家にとってはとても望ましいことではないでしょうか。しかし、その背景には彼らが市場の価格操作をしている場合もあります。

そして、ビットコインが主流な通貨や商品の一つになる可能性もあります。大きく存在を知らしめることは可能だと思いますが、成長した分、崩壊した際の影響は計り知れません。ウォール・ストリートを発端とした恐慌もあり、それがビットコインや仮想通貨にも起こり得ることも考えると彼らの参入には不安が残ります。しかし、一つの企業が介入することで、ウォール・ストリートの仮想通貨への姿勢は変わり、大きな市場となることもあり得るでしょう。

仮想通貨ビットコイン最新ニュースまとめ:価格に関する情報を随時更新
仮想通貨ビットコイン(BTC)のニュースをまとめた特集記事です。価格の下落や高騰についても触れていきます。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/20 土曜日
18:00
TON、Telegramのユーザーに照準 トンコイン奨励金を提供
Telegramのウォレットがサポートするブロックチェーン「TON」の手数料削減と、1,100万TONのインセンティブプログラムを開始。特に500万単位の暗号資産(仮想通貨)TONがTelegramユーザーに報酬として付与される。
16:30
日銀、CBDC戦略の中間報告を公表 想定モデルと5つの課題
日本銀行が公表したCBDC中間整理報告書の主要論点や影響について解説。CBDCの導入方針やデジタル通貨の未来についての展望を探る。
12:30
コスモス基盤のInjective、Web3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能提供
レイヤー1ブロックチェーンInjectiveは、Jamboテクノロジーと提携してWeb3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能を提供すると発表した。
12:00
知らずに損しているかも?取引所選び 3つの注意点
ビットコインなどの投資初心者に大事な暗号資産(仮想通貨)取引所選びと、後悔しがちな代表的な失敗事例3つを解説。手数料、価格、取扱銘柄の違いを比較し、最適な仮想通貨取引所を見極めるポイント、賢い投資戦略と失敗回避のためのチェックリストも提供。
10:30
ソラナWeb3ゲーム「Nyan Heroes」、Epicのストアでトップ30入り
ブロックチェーンゲーム「Nyan Heroes」はEpic Games Storeで最もプレイされたゲームでトップ30以内に入った。今後NFT機能や独自の仮想通貨も導入する予定だ。
09:15
ビットコイン、4度目の半減期完了 報酬が3.125 BTCに
直近の米経済指標(3月の雇用統計やCPI等)が景気の堅調さを改めて示しているため、FRBが利下げを急ぐ必要がなくなりつつあるとの観測が高まってきており、仮想通貨や株のようなリスク資産をさらに押し上げる力は弱まってきたようだ。
08:25
BTCクジラが1900億円相当のビットコイン押し目買い、エヌビディアなど大幅安|金融短観
19日のアジア時間はイスラエルがイランに対して報復攻撃を実施したとのメディア報道が嫌気され日経平均指数や上海総合指数などは大きく下がったが、その後攻撃の規模が限定されており核施設に被害はなかったとの報道を受け米国の株式市場ではこのニュースへの反応は見られなかった。
06:45
Magic Eden、BaseチェーンのNFTに対応へ Open Editionミントも予定
Magic Edenは現在NFTマーケットプレイスのランキングで1位。ビットコイン半減期を背景に需要が高まるビットコインOrdinalsおよびビットコイン上の「Runes」への期待が出来高を押し上げている。
06:15
マイクロストラテジーのセイラー会長、自社株売却で570億円の利益
マイクロストラテジーの株価は仮想通貨ビットコインの3月の高騰に伴い3月27日に1,919ドルまで値上がりした。同株は年初来+71.37%のパフォーマンスを見せた。
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧