CoinPostで今最も読まれています

バイナンス調査レポート「仮想通貨業界参加者が成熟してきたサイン」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バイナンス月次レポート
バイナンスが最新月次レポートを公開。セキュリティトークンが業界の転換点としての役割を果たす可能性を指摘したほか、OTC取引からのビットコイン及びアルトコイン市場の需要遷移にも言及した。

バイナンス月次レポート

仮想通貨取引所最大手バイナンスの調査部門が最新月次レポートを公開した。

レポートによると、7月は1万ドル近辺をレジスタンスとして推移したビットコインの歴史的なドミナンスの高さと、時価総額が中小規模のアルトコインの出来高の低さが顕著に現れた点で、そこから読み取れるのは、先行きが見えない状況の中、資産の割り当てに警戒感を抱く投資家の姿だという。

分散型金融(DeFi)業界の動きでは、ステーブルコインUSDCのローン数が増え、Makerの発行するDAIのドミナンスに迫っているという極めて重要な動きが見られた。しかし、イーサリアムだけでなく他の通貨も担保となるDAIが今後リリースされると、このような動きはまた変化するとバイナンスは見ている。

一方、仮想通貨をウォレットに保管することで報酬を得るステーキングは、個人及び機関投資家から、仮想通貨のユースケースの一つとして徐々に注目を集めていることが、バイナンスが新しく提供するサービスへの反応からもうかがえるという。 そして、このような動きは業界参加者が成熟してきたサインと解釈できるかもしれないとレポートでは述べた。

さらに、セキュリティトークンがこれから業界の転換点としての役割を果たす可能性を指摘。 その背景として、業界内では、セキュリティトークン発行プラットフォームPolymathが、完全に規制に準拠するSR20トークン開発の取り組みを公表したこと、また、各国の規制当局がセキュリティトークンとオンチェーンの資金調達に関する今後の規制方針について議論していることを事例に挙げた。

英国ポンドに連動する新しいステーブルコインBGBPの登場に関しては、BGBP / USDC取引ペアによるブロックチェーンに基づいたFX取引が可能になることや、裁定取引、米ドルエクスポージャーへのリスクヘッジ、GBPでの利確など、トレーダーにとっての選択肢が多様化してきた状況もでてきたと、業界における複数の進展を取りあげた。

バイナンスDEX

7月に41の取引ペアが追加されたバイナンスDEXは、一般取引所であるBinance.comよりも流動性がはるかに低いにもかかわらず、7月の平均日量が740万ドル(約7億8645万円)だったと報告している。これに対し、イーサリアムベースの分散型取引所では通常の平均取引量が100万から200万ドル(約1億630万円~2億1260万円)未満だという。

その結果、バイナンスDEXの7月の月間取引量の合計は、2億2,900万ドル(約233億3800万円)となり、取引量で見ると世界最大の分散型取引所となる。

借入市場と貸付市場

バイナンスは7月に、マージン取引に関するAPI機能(資産の移動、資産の貸し出し、借入可能な資産の返却、注文の送信/キャンセル)の追加、ならびに、証拠金取引に、EOS、ChainLink(LINK)、Ontology(ONT)、およびCardano(ADA)の4つの新しい通貨の追加を行なった。 その結果、トレーダーは、より複雑な投資戦略を構築できることになると言う。

バイナンスと分散型金融(DeFi)の次のような金利比較を行ない、バイナンスで借り入れ、その借り入れたコインを取引した方が、より低いコストでの運用ができると述べた。

バイナンスの借入金利(年):7.57% から11.57%​

DAIの安定料: 20.5%

USDCの借入金利 14%

DAIの借入金利:17%

OTC取引からの視点

高い流動性を強みとするBinance Tradingからの視点もこのレポートで同時に発表された。

7月は規制および政治面からのニュースが多く、リブラの公聴会や米トランプ大統領の仮想通貨に対する否定的な一連のツイートが注目を集めたが、業界では単に仮想通貨の知名度を上げるものとだという声が多く聞かれた。 また、韓国大統領が釜山市を規制のないブロックチェーンゾーンとして指定するなどの肯定的なニュースもあった。

そのような中、7月は市場調整の月となったようだ。

ビットコインは価格は下落したものの、月初の61.5%から月末には64.5%へと大きくドミナンスを伸ばしている。バイナンスは、投資家は2017年末のような価格の上昇は見込んでおらず、先月の価格修正はおそらく自然発生的なものだろうとしている。

小売市場は5月、6月に大きな資金流入を見るとともに時価総額も増加したが、7月には減速したという。同様に、OTC取引でも月初にはアルトコイン取引が盛んだったものが、月半ばにはビットコイン価格の下落に時期を同じくして、ビットコインとステーブルコインへと注目が移り、月末には、ステーブルコイン間の取引(例:USDC とPAX)が盛んになり、裁定取引のチャンスを生かそうとする投資家の動きが見られたと述べている。

ビットコインのドミナンスは7月末時点で、2017年初頭以来最も高くなっているが、いずれ50%から60%という範囲に戻ると、アルトコインが再び巻き返すとバイナンスは見ているようだ。

CoinPostの関連記事

バイナンスCEO「次の(仮想通貨)アルトバブルは”机上の空論”では終わらない」
バイナンスCEOのChangpeng Zhao氏が、2017年の次のアルトシーズンについて独自の見解を述べた。現在の仮想通貨市場はビットコイン(BTC)ドミナンスが高止まりしており、アルトへの資金流入については、賛否両論渦巻いている。
急騰していたビットコイン(BTC)に急転直下のナイアガラが発生、その背景は?|仮想通貨昼市況
約3週間ぶりの130万円台に到達するなど上昇局面にあったビットコイン(BTC)が昨晩から急反落、一時10万円幅以上の下落を見せた。国際金融市場の最新動向を踏まえ再び「買い」も観測される中、2つの観点から急落要因を独自分析。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/20 土曜日
10:30
ソラナWeb3ゲーム「Nyan Heroes」、Epicのストアでトップ30入り
ブロックチェーンゲーム「Nyan Heroes」はEpic Games Storeで最もプレイされたゲームでトップ30以内に入った。今後NFT機能や独自の仮想通貨も導入する予定だ。
09:15
ビットコイン、4度目の半減期完了 報酬が3.125 BTCに
直近の米経済指標(3月の雇用統計やCPI等)が景気の堅調さを改めて示しているため、FRBが利下げを急ぐ必要がなくなりつつあるとの観測が高まってきており、仮想通貨や株のようなリスク資産をさらに押し上げる力は弱まってきたようだ。
08:25
BTCクジラが1900億円相当のビットコイン押し目買い、エヌビディアなど大幅安|金融短観
19日のアジア時間はイスラエルがイランに対して報復攻撃を実施したとのメディア報道が嫌気され日経平均指数や上海総合指数などは大きく下がったが、その後攻撃の規模が限定されており核施設に被害はなかったとの報道を受け米国の株式市場ではこのニュースへの反応は見られなかった。
06:45
Magic Eden、BaseチェーンのNFTに対応へ Open Editionミントも予定
Magic Edenは現在NFTマーケットプレイスのランキングで1位。ビットコイン半減期を背景に需要が高まるビットコインOrdinalsおよびビットコイン上の「Runes」への期待が出来高を押し上げている。
06:15
マイクロストラテジーのセイラー会長、自社株売却で570億円の利益
マイクロストラテジーの株価は仮想通貨ビットコインの3月の高騰に伴い3月27日に1,919ドルまで値上がりした。同株は年初来+71.37%のパフォーマンスを見せた。
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧