「デジタル変革は必要だが民間の仮想通貨は支持しない」ドイツ財務大臣

「民間の仮想通貨は支持しない」

ドイツのOlaf Scholz財務大臣が、民間で発行される暗号資産(仮想通貨)について言及し、それらを支持しないと発言したことが分かった。

発言は、ベルリンで開催された欧州銀行会議のパネルディスカッションで行われたもので、Scholz大臣はヨーロッパの銀行システムのデジタル変革を後押しすることは不可欠だと述べつつも、私的に発行される仮想通貨はこの対象としないと付け加えた。

こうした財務大臣の意向は、潜在的にFacebook主導の「リブラ」などのステーブルコインについて不利な影響をもたらす可能性も指摘されている。

ドイツを含む欧州連合(EU)は、中銀発行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル・ユーロの研究開発を加速させているが、その一方で民間の仮想通貨に対する規制を強化中だ。

ステーブルコインを警戒するEU

EUは9月に仮想通貨に関する包括的な規制法案を発表、「一般的な仮想通貨市場は規模が大きくないため、現時点では金融の安定には影響はない。しかしグローバルに利用されるステーブルコインは状況が異なる」として、中でもステーブルコインについて厳格な規制を適用する内容となった。

ステーブルコインの発行体には仮想通貨発行の全額、または一部にあたる裏付け資産を準備金として保有することを求め、消費者から要請があった場合は法定通貨と交換できるようにする。また、準備金は安全性の高い預金などにし、EUが承認した金融機関に預けることが義務付けられる。

一方で、「消費者保護や金融の安定を図りながら、金融サービスや決済において、消費者により多くの選択肢や機会を与えたい」として、仮想通貨の取引や決済を実験するサンドボックス制度の導入も発表した。

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分散型金融(DeFi)へも規制強化方針

EUの新たな仮想通貨規制法案においては、EU地域でサービスを展開するために取引所などサービスプロバイダーがEU加盟国で法人登録し、実在するオフィスを設けることも義務化されている。

このため法案が承認された場合、企業の形を取らない多くの分散型金融(DeFi)が遵守できるのかも懸念されている状況だ。

国際的な規制機関、金融活動作業部会(FATF)も、仮想通貨業界サミット「V20」の席で、DeFiコミュニティとFATFが対話してコンプライアンス面で協力していく必要があると指摘した。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します