CoinPostで今最も読まれています

主役はブロックチェーンから、再びビットコインへ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

再評価されるビットコイン
ビットコインを批判しブロックチェーンを賞賛する意見が度々みられるが、ライトニングネットワークによる即時&大量取引を目指す「Lightning Labs」CEOは現在『ブロックチェーンではなくビットコイン時代に突入した』と語った。

進化をやめないビットコイン

Lightning Labs社は、ビットコインのスケーラビリティ問題の解決策として、プロトコル開発に取り組んでいますが、同社の共同創立者でCEOのElizabeth Stark氏は、米ヤフーファイナンス(Yahoo Finance) のインタビューの中で、社会(特に各国中央銀行と金融業界)の、ブロックチェーン技術を賞賛する一方で、ビットコインを酷評するという潮流は変わってきていると、自社のこれまでの歩みを振り返りながら、語りました。

「ビットコインの将来の見通しは良くないが、その基盤にあるブロックチェーン技術は画期的で素晴らしい」

このような話は、誰でも一度は耳にしたことがあることでしょう。

この言葉通り、多くの金融機関や、政府、中央銀行が、仮想通貨とは距離をおく一方で、ブロックチェーン技術を応用したシステムの調査研究に熱心に労力を割いていることは、これまで幾度も報道されてきました。 

このような社会的潮流と圧力を感じ取っていた「Elizabeth Stark」氏は、Lightning Labs社の設立にあたり、自社のマーケティング資料から「ビットコイン」という言葉を取り除いたと述べ、いかに当時、ブロックチェーンが、ビットコインから離れて脚光を浴びる状況にあったかを振り返りました。 

しかし、その潮流は変わったと感じていると、Stark氏は言います。

今、多くの人が、仮想通貨技術の価値とその技術が何をもたらしてくれるのかを理解し、『ブロックチェーンではなく、ビットコイン』時代に突入したと感じています。

 ビットコインにはPoW(Proof of Work)があり、公開鍵/秘密鍵といった暗号作成/解読法があって、これらがビットコインを特別なものにしているのです。

Lightning Labs社が開発しているのは、Lightningという名称の、オープンプロトコルレイヤーですが、Lightning ネットワークは、ビットコイン上に効率的にレイヤーを作ることによって、ユーザー同士の支払いチャネルを開き、ほとんどの取引がオフチェーンで行われた後、その結果のみを基盤のブロックチェーンに記録するものです。

そのため、高速で安価な取引が可能になり、現在開発中のソフトウェアの中では、仮想通貨スケーリング問題を解決するための方法として最も有力視されているものの一つです。

ビットコインは、価値の保存手段としては受け入れられているものの、支払いの手段しては、取引にかかる時間の長さと手数料の高さにより疑問視され敬遠されていましたが、Lightning ネットワークにより、コーヒー一杯というような少額の支払いにも気軽に使えるようになり、ビットコイン決済の可能性を広げていくことになるでしょう。

ライトニングネットワークの展望

Stark氏は、Lightning ネットワークのこれからの展望について、次のように語っています。

即時に大量の取引が行えるようになると、あらゆることが可能になります。

毎秒数千の取引、将来いつかには、毎秒数百万の取引という規模の話をしているのですが、ビットコインは基盤レイヤーとしては、そのような取引は行うことはできません。

しかし、Lightningは、ビットコイン上のレイヤーですから、そのような決済が可能なのです。

Stark氏は、大手クレジットカードのビザ(VISA)の最大取引処理量は、毎秒5万6千という数字を引用した上で、「その量を越えて行きたい」と述べています。

またつい先ごろ、Lightning Labs社は、Lightning ソフトベータ版のLNDを公開しましたが、これは、Lightning プロトコルのための最初のライブソフトウェアであり、ビットコインもしくは、ライトコインのLightning取引が容易になる仕組みです。

これを受け、多くのデベロッパーが、Lightningのためのアプリ(Lapps)を開発し始めています。

Lightningネットワークは、真にブロックチェーン業界の形勢を一変させる役割を果たすことになると思われます。 

このレイヤー上に、全ての人が取引を行う新しいプロトコルと主要なアプリが構築され、そこから、ビットコインの強力な「必殺」アプリが誕生することでしょう。

そのようなLightning Labs社の将来性には業界を越えて、多くの期待と関心が集まっているようです。

Lightning Labs社は、シードラウンドの資金調達を終えましたが、その出資者には数多くの屈指の有名人が名を連ねています。

Square とTwitter CEOである Jack Dorsey氏、 litecoin 創設者のCharlie Lee氏、Robinhood 共同創設者 のVlad Tenev氏、Barry Silbert氏 率いる最大の仮想通貨スタートアップ投資会社Digital Currency Group などです。

最後に、現在のビットコイン価格について尋ねられると、Stark氏は多くの人は、価格にばかり注目してしまうとして、次のように答えました。

ビットコインは、まだ創世記にあるのです。 これはマラソンであって、短距離走ではないのです。

マラソンの勝者が誰になるのか、私たちが知りうるのはまだ先のことになるでしょうが、ビットコインの持つ可能性が、これからも多くの人々と社会を魅了し続けていくことは、間違いないと言えそうです。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/24 水曜日
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
08:45
ソラナJupiter、DEXモバイルアプリ5月公開予定
既存のUltimateウォレットは5月22日から利用できなくなるため、その前に仮想通貨の一時的移転(PhantomやMagic Edenウォレット)を推奨した。
08:10
米国のイーサリアムETF上場申請、5月承認は見込み薄か
申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。
07:10
ビットコインの機能を拡充する新提案が公開
仮想通貨ビットコインのブロックチェーン上でスマートコントラクトなどを実現する開発提案がBIP-420として公開。以前から関心を集めている提案の内容が改めて説明された。
06:35
バイナンスアプリの削除、フィリピン当局がアップルとグーグルに命令
フィリピンはバイナンスの顧客基盤における重要な構成国だが、同SECは2023年11月以降、バイナンスを投資に利用しないよう国民に積極的に警告していた。
05:50
エルサルバドルの国営ビットコインウォレット、ハッカーがコードを流出
今回の漏洩は、4月上旬に報告された510万人のサルバドル人の個人情報リークを含む、一連のChivoウォレット関連のハッキングに続くものだ。
04/23 火曜日
19:00
メゾンマルジェラ MetaTABI NFT発売
メゾンマルジェラがMetaTABI NFTを一般販売開始。デジタル専用設計のタビシューズはThe Fabricantとのコラボで、限定版タビブーツとレザーウォレットが付属。今後のWeb3ブランドイベントにも参加可能。
18:00
ライフカードVプリカ 仮想通貨で購入可能に
ライフカードが暗号資産(仮想通貨)決済サービス事業者Slash Fintechと提携。2024年5月15日から「Slash Vプリカ SHOP」でステーブルコイン等を使ったVプリカギフトの販売を開始する。インターネットショッピングやオンラインゲーム等、デジタルサービスでのプリペイド決済が拡大する見込み。
14:00
ベネズエラ、石油取引で仮想通貨使用を加速か
ベネズエラの国営石油会社PDVSAは原油と燃料の輸出において、暗号資産(仮想通貨)の利用を増やす計画だ。背景には米国による制裁再発動がある。
13:00
SEC弁護士2名が辞任、「重大な権力乱用」と非難受け 
米仮想通貨企業Debt Boxに対する訴訟において、連邦地裁が「重大な権力乱用」を理由に米国証券取引委員会に制裁を課したことを受け、同委員会の担当弁護士2名が辞任したことがわかった。
12:00
「スイス中銀はビットコインを準備資産に持つべき」2B4CHが提唱
スイスの仮想通貨擁護団体「2B4CH」は、スイス国立銀行がビットコインを準備金として持つことを提唱している。国民投票を目指す計画だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/24 11:30 ~ 13:30
その他 オンライン
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧