CoinPostで今最も読まれています

リップル訴訟に進展、裁判官がSEC(米証券取引委員会)に証拠開示手続きを要求

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

リップル裁判に新たな進展

米時間4月6日に行われた、XRPの有価証券問題をめぐる証拠開示手続き(ディスカバリ)の裁判審議(電話会議)にて、リップル社に有利な進展が見られたようだ。

証拠開示手続きの審議には、裁判官のほか、SECおよびリップル社、Garlinghouse氏とLarsen氏の代表弁護士が参加。この会議は電話会議であり、傍聴参加者が録音することが禁止されたため、内容は@robxrp1など、一部のコミュニティメンバーによって文章として記されている。

SECと裁判官の議論

SEC側は、XRPを「未登録証券」とみなす一方、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)については、かねてより有価証券と判断しない方針を示していた。リップル社側は審議前に裁判官に対し、この点について理由を説明するよう要求していた。

SEC側の主張によれば、XRPがBTCとETHと異なる点として「BTCとETHはプレマイニングされたものではないが、XRPはあらかじめ発行されていた」と強調している。プレマイニングとは、新規通貨発行前に、開発者、及び関連団体がマイニング(採掘)報酬を受け取る仕組みのこと。

この点について裁判官は、「BTCとETHの先例は、XRPが有価証券に該当する根拠にはならないのではないか?」と尋ねたが、SEC側は回答を避け「焦点はXRPであり、BTCとETHの事例を踏まえる必要はない」との見解を改めて示した。これに対し裁判官は、XRPの有価証券問題を巡る市場への影響の高さを懸念し、創業者のGarlinghouse氏とLarsen氏の責任追及に留めるべきと指摘した。

一方SECは、議論の範囲は以前提出した「9つの情報元」に留めるとの立場を崩していない。XRPに関するその他のコミュニケーションを根拠とする必要性はなく、要求された書類審査の立証責任を念頭に、行わないとの姿勢を示した。

リップル社の応対

SECの出方に対しリップル側の代表弁護士は裁判官に対し、SECがBTCとETHを有価証券とみなさない理由を説明することが重要であり、XRPだけが有価証券に該当するとする観点は明確になっていないと指摘。SECの判断根拠を強く求めた。

また、1934年に制定された「証券法」は、現在のテクノロジーに適用することは困難で、イーサリアム(ETH)については、ICOによる資金調達が、有価証券による資金調達に類似すると主張。

SECが8年間の月日が経ってからXRPを有価証券扱いするのは理に適っておらず、過去には一部の仮想通貨取引所やヘッジファンドがXRP上場についてSECと相談した経緯もあると明かした。

SECが、カストディ企業の一部情報を公開せず、コミュニケーション書類の審査を拒んだ点については、XRPが有価証券に該当することを証明し得ないと述べ、SECのClayton元長官の退任直前に訴訟を起こし、個人投資家及び市場に大きな損害をもたらしたと指弾した。

これに対しSECは、2018年に行ったSECのWilliam H. Hinman元企業金融部長による「BTCとETHは有価証券に該当しない」とのスピーチ内容は、SECの公式見解ではないと反論した。

米リーガルニュースサービスであるLaw360の報道によると、リップル社の代表弁護士Matthew Solomon氏は、SECの規制範囲が有価証券に限られることから、過去に行ったSECの見解の矛盾点が示されれば、早期解決となる可能性も高まると発言した。

今回審議の結果

審議を経て、裁判官は以下2点のリップル社の申し出を許可した。

  • SECによるBTC、ETH、XRPの内部および外部情報に対する証拠開示手続き
  • SECによる19のカストディアンに対する証拠開示手続き

この2点は審議時、SECが「必要ない」と開示手続きを拒否したものだ。リップル社は、これらの証拠開示手続きが弁護するために必要不可欠な要項であると主張していた。

過去の事例

Jeremy Hogan弁護士は6日、Ripple Labsに対してSECが下した2016年の改善命令書類を分析した。

SECは当時、Ripple Labsについて「デジタル通貨企業」と記述しており、今回の裁判で、SECがどのようにして『デジタル通貨企業』から『デジタル証券』に変更したのか、説明責任がある」とコメントした。

リップル社側にポジティブな内容であったことから、XRP価格は1ドルを超えるまで急伸した。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。
14:35
米ブロックチェーン協会ら、仮想通貨業界の声をまとめSECを提訴
米ブロックチェーン協会とテキサス州暗号資産自由同盟は、米証券取引委員会が新たに制定したディーラー規則の阻止を求めて、SECを提訴した。
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
08:45
ソラナJupiter、DEXモバイルアプリ5月公開予定
既存のUltimateウォレットは5月22日から利用できなくなるため、その前に仮想通貨の一時的移転(PhantomやMagic Edenウォレット)を推奨した。
08:10
米国のイーサリアムETF上場申請、5月承認は見込み薄か
申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。
07:10
ビットコインの機能を拡充する新提案が公開
仮想通貨ビットコインのブロックチェーン上でスマートコントラクトなどを実現する開発提案がBIP-420として公開。以前から関心を集めている提案の内容が改めて説明された。
06:35
バイナンスアプリの削除、フィリピン当局がアップルとグーグルに命令
フィリピンはバイナンスの顧客基盤における重要な構成国だが、同SECは2023年11月以降、バイナンスを投資に利用しないよう国民に積極的に警告していた。
05:50
エルサルバドルの国営ビットコインウォレット、ハッカーがコードを流出
今回の漏洩は、4月上旬に報告された510万人のサルバドル人の個人情報リークを含む、一連のChivoウォレット関連のハッキングに続くものだ。
04/23 火曜日
19:00
メゾンマルジェラ MetaTABI NFT発売
メゾンマルジェラがMetaTABI NFTを一般販売開始。デジタル専用設計のタビシューズはThe Fabricantとのコラボで、限定版タビブーツとレザーウォレットが付属。今後のWeb3ブランドイベントにも参加可能。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/24 11:30 ~ 13:30
その他 オンライン
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧