CoinPostで今最も読まれています

ビットコインが大口投資家『クジラ』に価格操作をされていない理由

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BTC価格操作について真っ向から否定
著名トレーダーであり、テクニカルアナリストとして知られる「Peter Brandt」氏は、BTC価格の大幅下落について、CMEなどBTC先物市場の「クジラによる価格操作」を疑う一部メディアに反論。その根拠として、BTC先物市場のレバレッジに着目して解説しました。
クジラとは
経済用語のスラングであり、市場に大きな影響を与えるほどの”巨額マネー”を動かす機関投資家のことを指す。 日本の株式市場では、150兆円規模の運用資産額を有する「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」を始め、3共済、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険などが、クジラと呼称されている。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

ロングとショートとは
ロング:特定の銘柄を買い目線で保有すること。ショート:売り目線で、空売りすること。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

テクニカルアナリストのPeter Brandt氏(以下、Brandt氏)は、大口投資家がビットコインやその他の仮想通貨市場を操作しているという主張を裏付ける確固たる証拠はないと考えています。

Brandt氏はビットコイン先物取引の取引高から、最近のビットコインの下落相場が”クジラ”によって操作されたものではないと結論づけています。

5月の弱気相場の要因は「小口投資家によるロングポジションの清算」

最近、複数のレポートがビットコイン価格の下落は、2017年12月に開始されたCMEとCBOEのビットコイン先物市場と関連性があると報じました。

ビットコイン先物取引が価格下落の要因:SF連邦準備銀行がレポート公開
Federal Reserveが公開したレポートによると、ビットコインの先物取引の開始によって、ビットコインに否定的な投資家たちが市場に参入できるようになり、その結果現在まで続く価格の下落傾向に至ったとのことです。当記事ではビットコインの今後についてのFederal Reserveの見解も紹介しています。

一連の報道の後、Brandt氏は次のように指摘しています。

クジラが、仮想通貨市場をショート(売りポジション)しているという証拠はない。

5月の仮想通貨市場の軟調さは、小口投資家によるロング(買いポジション)の清算によるものと思われる。

Brandt氏は、先物市場が、ビットコイン価格に大きな影響を与えることはできないと付け加えました。

なぜなら、短期先物契約と同量の長期先物契約が存在するからです。

Brandt氏は次のように説明しています。

ビットコイン先物市場には、常に長期先物契約と同数の短期先物契約が存在する。

したがって、市場には影響を及ぼさない。

CMEとCBOEのビットコイン先物市場が開始された2017年12月以来、ビットコインの価格は19,900ドル(約217万円)から7,500ドル(約81.9万円)へと62.3%以上の暴落を見せました。

ビットコインの価格が急激に下落したことで、投資家やアナリストは「先物市場の操作」を疑いました。

しかし、相場の続落の原因を先物市場に求めるのはナンセンスであるとBrandt氏は説明しています。

調整局面におけるBTC価格の下落度合いは弱まっている

先物市場が、2017年12月同様のレバレッジ(取引保証金倍率)を持っていたとすれば、ビットコインの価格チャートは同様のボラティリティ(価格変動性)を示すはずであり、下方への動きを強くしていたと思われる。

しかし2018年になってから、ビットコイン相場には3回ほど大きな調整局面が発生しましたが、回数を重ねるにつれて売りのボリュームと価格の下落度合いは小さくなっています

各レッグダウンの各構成要素は、以前のレッグダウンよりも急峻ではありません。

モメンタム(相場の強弱を示す勢い)指標であるRSI(相場の過熱感を示す相対力指数)も、売りが極端ではないことを示しています。

仮にビットコイン先物市場が、調整の主要因であった場合、トレーダーは続く調整局面で同様のレバレッジを取っていたはずです。

しかし、弱気市場はレバレッジを減らし続けてきました。

したがって、最近の下落相場は、小口投資家によるロング(買いポジション)の清算によって引き起こされたと思われます。

価格の平準化プロセスが終了した後のBTC相場

現在のビットコイン市場は、価格の平準化プロセスの最中にあります。

これからの数週間で平準化プロセスが終了すると、ビットコインは中期間に展開される”強力なラリー”を経験することになるでしょう。

短期的には、仮想通貨市場の激しいボラティリティとビットコインの減少傾向のためにビットコインが7,000ドル(76.7万円)を下回り、6,000ドル(65.7万円)の下限まで下落する可能性も考えられるので、注意が必要です。

CoinPostの関連記事

仮想通貨市場と3頭の「クジラ」|巨大金融機関参入の機運高まる
先日、世界3大投資家のジョージ・ソロス氏や、世界的財閥であるロックフェラーやロスチャイルドが仮想通貨市場に参入する可能性が報道されました。彼らの経歴と、世界的投資家や財閥が仮想通貨業界に参入する可能性について考察します。
仮想通貨市場の『クジラ』が数千億円規模のビットコインを買い注文か
米サンフランシスコにある通称:クリプトキャッスルの住人「Gardner」氏は、OTC取引におけるビットコインのブロックにて、数十億ドル(数千億円)規模にも及ぶ巨額の取引ブロックを発見。そのことをTwitterで報告したことで、ブル相場のキッカケとなった可能性があります。

No Evidence Whales are Manipulating Bitcoin Price: Prominent Trader

May 31, 2018 by Joseph Young

参考記事はこちらから
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/19 金曜日
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。
06:00
コインベース、ソラナミームコイン「WIF」の永久先物提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベース(およびインターナショナル取引所)は19日、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。
14:00
「ビットコイン半減期は年単位で見れば価格に大きなインパクト」Bitwise分析
Bitwiseは今後の価格についてビットコイン半減期の長期的な影響は過小評価されていると述べた。一方、ゴールドマン・サックスはマクロ経済情況も重要と分析している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧