CoinPostで今最も読まれています

米国、2018年のブロックチェーン投資額がすでに2017年総計を上回る|とてつもない成長の予兆

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国のブロックチェーン投資額
世界四大会計事務所の一つであるKPMGの最新レポートによると、米国における2018年上半期のブロックチェーン投資額は、すでに2017年の総計をすでに上回っていることが明らかになった。

米国のブロックチェーン投資額

世界四大会計事務所の一つであるKPMGは7月31日、フィンテック業界の注目すべき活動や市場動向を分析した最新レポートを公開しましたが、その中で、アメリカにおける2018年上半期のブロックチェーン投資額は、すでに2017年の総計を上回っていることが明らかになりました。

このレポートは、半年に一度公開されているもので、フィンテック市場のグローバルなトレンド概観とともに、世界のフィンテック主要市場の注視すべき取り組みや動向をまとめています。

身近なところでは、ネットバンキング、クラウド家計簿やスマホ決済、そして仮想通貨取引アプリなどもフィンテックの範疇ですが、融資分野や資産管理を含む伝統的金融機関が提供してきた金融サービスのほとんどの分野で、その適応領域を拡大してきており、新しい金融システムとして独自のエコシステムを構築しています。

そのように私たちの生活の中に、浸透してきているフィンテック業界の中でも、ブロックチェーン技術が投資家から大きな注目を集めていることが、レポートの中で明らかにされています。

ブロックチェーンの実用化へ

レポートによると、ブロックチェーンは実験的段階から、実用化に向けて進んでおり、特にブロックチェーン分野で実績を積んでいる企業に対する「追加ラウンドの資金調達」が活発であったと説明しています。

その代表的な例として、P2P決済会社のCircle Internet Finance社、企業向けブロックチェーン開発コンソーシアムのR3(ともに米国)、そして、仮想通貨ハードウェアウォレットのLedger社(フランス)をあげています。

Circle社は、仮想通貨マイニング大手のBitmainが主体となった1.1億ドル(約122億円)の資金調達ラウンドを終え、SBIホールディングスが提携するR3は、1.7億ドル(約188億円)の資金調達に成功しています。

そして、この2社に対する巨額の投資は、アメリカで今年上半期のブロックチェーン投資額が、去年の総額を超えることに貢献し、アメリカでのブロックチェーン投資が活況を呈している現状を説明しています。 

また、中国政府による禁止令にも関わらず、ICOは引き続き世界的な関心を集め、ケイマン諸島に拠点を置く、EOSエコシステム開発を行った、Block.oneは、40億ドル(4440億円)の資金調達に成功したことを指摘しています。

レポートでは、ブロックチェーン投資の急速な成長の要因として、記録の保管、トランザクションの登録、情報の文書化管理からサプライチェーンの管理までも可能にする、ブロックチェーン技術の広範囲にわたる適用性をあげています。 

これまで主に、銀行などの金融機関や保険業への導入が注目されてきましたが、ブロックチェーン技術は、アメリカをはじめ、グローバルにビジネスを展開する多くの企業にとって多くのチャンスを創出し、その事業のプロセスを強化することができるとその可能性を大きく評価しています。

その顕著な例として、R3が、そのサポートの領域を保険業界まで広げる一方で、ブロックチェーン技術によるサプライチェーン管理支援に特化したコンソーシアムが次々に立ち上がってきていることにも言及しています。 

とてつもない成長の予兆

KPMGアメリカの金融サービス、デジタル&フィンテック部門を率いるSafwan Zaheer氏は、レポートで次のように述べています。

投資の機会よりも、ベンチャーキャピタル投資の流れの方が大きくなっている。それは、このスペースでのとてつもない成長の予兆を意味する。 

ブロックチェーンへの投資は、2017年に比べ、2018年上半期に倍増した。 ブロックチェーンは銀行業を一変させる可能性を秘めており、もし、今日、銀行システムが書き換えられるとしたら、それはブロックチェーンに基づくものとなるだろう。

レポートでは、他にも、イギリスに拠点を置き、昨年12月に仮想通貨での取引オプションを追加したチャレンジャー銀行(注1)である、Revoltや、取引手数料無料で、仮想通貨取引プラットフォームも提供している米株式投資アプリ、Robinhoodへの巨額の資金調達が注目されることにも言及しています。

(注1)イギリスにおいて大手銀行と競合する目的で設立された、新興の小規模銀行のこと

2018年上半期の世界全体でのフィンテック企業に対する投資総額は、579億ドル(6兆4269億円)でしたが、その中でもブロックチェーン関連への投資が、大きく伸びていることを示唆するとともに、アジアでの大きな投資の関心度にも言及、今後もAIへの投資と並んで、その勢いは衰えないだろうと、レポートでは述べられています。

CoinPostの関連記事

SBI北尾代表:コンソーシアムを率いるR3社との合弁会社設立を提案
3月7日(水)に東京で行われたCordaCon Tokyo 2018で、SBIグループの北尾代表が、米国のFinTech企業であるR3社に対して、合弁会社の設立を提案しました。
Googleがブロックチェーン企業2社と提携:Cloud上でブロックチェーンフレームワークを提供へ
世界的に有名なGoogleが、Digital Asset社および、Block Apps社という2社のブロックチェーン企業と提携を結び、自社サービスGoogle Cloud上でブロックチェーンフレームワークを提供することを発表した。サンフランシスコで開始されたGoogle Cloud Next 2018年会議も開催され、関心の高まりが伺える。
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/02 土曜日
16:25
エルサルバドルのブケレ大統領、2024年再選を見据え職務離脱へ
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン支持者で知られる、エルサルバドルのナイブ・ブケレ大統領が総選挙キャンペーンのため職を離れる。再選を目指す中で、国内政治のチェック・アンド・バランスの弱体化と、国際関係への影響を探る。
14:00
2024年に半減期を迎えるビットコインは約1800万円到達、Matrixport分析
Matrixportによる暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格予測を深掘り。2024年に1835万円到達の可能性、歴史的なデータ分析、マクロ経済要因と地政学的影響を詳細に解説。ビットコイン投資の未来を探る。
13:00
米サークル社、「テロ資金調達への関与はない」
ステーブルコイン「USDC」を提供するサークル社は、公開書簡を米議員らに提出。テロ資金など不正金融への関与はないと強調した。
12:00
イーサリアム運用で高利回りを実現、Cegaのデュアルカレンシー戦略とは?
セガ・ファイナンスが新しいオプション戦略「デュアルカレンシー」を発表。暗号資産(仮想通貨)イーサリアム、stETH、USDCホルダーに向けて、年利22%以上の収益を提供。この戦略は、リスクを最小限に抑えつつ、市場での高い固定利回りを実現する。
10:45
コインベースCEOがBaseトークン発行を否定 ソラナなどの統合計画も
米仮想通貨取引所コインベースのCEOは、イーサリアムL2「Base」に関する展望について話した。独自トークンや取引高速化について説明している。
09:55
コインベース・マイニング株大幅高、ビットコイン年初来高値更新|2日金融短観
本日のNYダウは+294.6ドルと続伸し、債券市場は反発した。この日にパウエル連邦準備制度理事会議長の発言からトーンダウンが示唆され2024年にFRBが利下げに動くとの観測がますます広がった格好だ。
08:30
Starknet独自通貨の無料配布、スナップショット実施済み
仮想通貨イーサリアムのL2「Starknet」は今週SNSで出回っていたSTRKトークンのエアドロップのスクリーンショットの真贋を確認し権利獲得にあたるスナップショットはすでに実施されたことを明かした。
07:20
ビットコイン価格は24年に上昇加速か=グレースケールレポート
仮想通貨運用会社グレースケールは、2023年11月版の市況レポートを公開。2024年は複数の条件が重なることによって、ビットコインの価格に上昇圧力がかかる可能性があるとの見解を示している。
06:50
ビットコインETFの上場申請めぐり今週3社目のSEC面談、専門家が承認楽観視
米SECは、GBTCから現物型ビットコインETFへの転換申請について、今週29日に申請側のグレースケール(2度目)と会議を行ったことが判明した。仮想通貨ビットコインは年初来高値を更新した。
06:00
ソラナDEX「Jupiter」、仮想通貨JUP無料配布の事前確認ページ公開
ソラナ基盤の分散型取引所アグリゲーター「Jupiter Exchange」は独自トークン「JUP」の無料配布(エアドロップ)計画について、事前確認の公式ページを公開した。
12/01 金曜日
17:41
「暗号資産の投資状況と確定申告」に関する調査、年内取引で約7割が利益
Aerial Partnersが2023年の暗号資産取引調査結果を公開。ビットコインなどの現物取引だけでなく、PoS銘柄のステーキング利用度が高まりつつあり、利益を出している投資家増加に伴い「確定申告」の必要性も上がっている。
16:03
米投資会社タイガー・グローバル、BAYCやOpenSea投資の評価額を大幅下方修正
タイガー・グローバル・マネジメントが、有名なNFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」(BAYC)と主要なNFTマーケットプレイスであるOpenSeaへの投資により、大幅な含み損を抱えていると報じられた。同社の直近の投資動向と報告内容についてまとめる。
16:00
「ビットコインがもたらす革命をSNSへ」Nostrasia特集を配信
第10回のGM Radio:Beyond The Priceは11月22日に公開。今回は11月に東京などで開催されたイベントNostrasiaを特集した。
14:00
「イルビウム」、eスポーツチームTeam Liquidと提携
Web3ゲームIlluviumは、世界最大級のeスポーツチーム「Team Liquid」と提携すると発表した。独自NFTのリリースやトーナメント開催を予定している。
13:21
4年越しの復帰、bitFlyerの加納CEOが“世界と戦う”ために求める人材は?
国内大手暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するbitFlyer HD加納裕三CEOに独占インタビュー。bitFlyerの強みや求める人材、ビットコインETFの影響について注目される暗号資産市場の展望について伺った。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア