CoinPostで今最も読まれています

米SEC、証券法違反でジェミナイとジェネシスを提訴

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨融資サービスを問題視

米証券取引委員会(SEC)は12日、暗号資産(仮想通貨)の大手取引所ジェミナイ(Gemini)と融資企業ジェネシス(Genesis)を、証券法違反で提訴したと発表した。

ジェネシスを介して提供されていたジェミナイの利回りサービス「Gemini Earn」が、未登録有価証券の募集・販売に該当すると主張。SECはニューヨークの地裁に訴状を提出し、罰金の支払いや不正利得の返還などを求めた。

SECとは

「Securities and Exchange Commission」の略で、株や債券などの証券を監督する米政府機関のこと。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。

▶️仮想通貨用語集

Gemini Earnに関連する両社の関係は、ジェネシスの親企業デジタルカレンシーグループ(DCG)を巻き込み、最近多くの関心を集めている。FTX破綻の影響を受け、ジェネシスは昨年11月に出金や償還を停止。それに伴い、ジェミナイもGemini Earnの償還を停止している。

関連米Genesis Capital、償還とローン組成のサービスを停止

SECによると、ジェミナイとジェネシスは2020年12月に、ジェミナイの顧客に利回りサービスを提供する契約を締結。サービス提供の対象には、米国の個人投資家も含まれていたと指摘している。

その後、2021年2月にGemini Earnの提供を開始。Gemini Earnは、顧客がジェミニを介してジェネシスに仮想通貨を貸し付け、金利を得られるサービスだった。ジェミニは取引を促進する役割を果たし、最大で4.29%の手数料を徴収。顧客の仮想通貨をどのように運用するかは、ジェネシスが判断していたという。

またSECは、出金や償還を停止した11月当時、ジェネシスはGemini Earnの34万の顧客から預かった約1,160億円(9億ドル)相当の資産を保有していたと指摘している。SECの調査は現在も継続中だ。

関連ジェネシスとDCG、ジェミナイに1,000億円超の債務=報道

この通り、Gemini Earnは顧客である投資家から資金を集め、ジェミナイやジェネシスを含めた共同事業によって収益が期待されていた。収益の獲得は、ジェミナイやジェネシスの努力に左右されている。SECは、このGemini Earnのサービスが有価証券の募集・販売にあたるとし、事前にSECに登録すべきであったと主張した。

関連仮想通貨が「証券」に該当するかを判定するHowey(ハウェイ)テストとは

SECのゲリー・ゲンスラー委員長は、以下のようにコメントしている。

ジェミナイとジェネシスは、投資家保護のための情報開示を行うことなく、未登録有価証券を公募した。

我々はこれまでも、仮想通貨融資プラットフォームや仲介企業が、長年遵守されてきた証券法に従う必要性を、市場や一般投資家に明確に示している。

ジェミナイ側のコメント

今回のSECの対応について、ジェミナイの共同創設者タイラー・ウィンクルボス氏は今朝、コメントを発表した。

タイラー氏によると、Gemini Earnは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の規制下にあったという。そして、17カ月以上Gemini EarnについてSECと話し合いをしてきたにも関わらず、ジェネシスが昨年11月に出金などを停止するまで、SECは訴訟の可能性には一切言及しなかったと説明した。

そして、ジェミニは常に関連する法律や規則に従うよう努めてきたと主張。SECが事前に通知することなく、投資家を保護する代わりに訴訟を行なったことを残念に思うと述べている。

また、今回の訴訟が、資産を取り戻すことに影響しないようにするとも説明した。

Gemini Earnの償還

Gemini Earnの償還はまだ再開されておらず、ジェミナイの共同創設者キャメロン・ウィンクルボス氏を中心に、ジェネシスやDCGに対応を求めている。10日にはキャメロン氏がDCGの取締役会に書簡を送付。その中で、問題解決を進めるために、DCGのバリー・シルバート氏をCEOから解任することも要求した。

昨日にはジェネシスが、債権者に合計3,880億円(30億ドル)超の債務を負っていることが報じられている。DCGがジェネシスのために資金を確保する目的で、ポートフォリオにある資産の一部を売却する可能性が浮上した。

関連仮想通貨大手DCG、資産を一部売却か 子会社ジェネシスが3,880億円の債務=報道

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/31 金曜日
17:01
ETHGlobal Tokyo、世界的ハッカソンイベントを東京で開催へ
ETHGlobal Tokyoという世界的ハッカソンイベントが、東京で開催されます。ハッカソンとは、エンジニアやプログラマーが集結し、短期間でプロダクトを開発するイベントのこと。ETHGlobal TokyoではWeb3市場の知識を持たない開発者でも楽しめるような取り組みも充実しています。
16:34
DEA、国内電力大手の合弁会社とMOU締結
NFTゲーム開発・運用を展開するDEAは、「電力アセットNFT」を活用した社会貢献ゲームを検討する目的でGGG社とMoUを締結したことを発表した。GGGは東京電力パワーグリッドや中部電力等の合弁会社。電力アセットNFTは4月3日に発売予定。
16:32
ネクソン、「Oasys」バリデータに参画 
国内発のゲーム特化型ブロックチェーン「Oasys」のバリデータとして、大手ゲーム開発企業のネクソンが参加することが明らかになった。Oasysは第二群バリデーターとして計4社を追加予定。KDDI、ソフトバンクの参画がこれまでに発表されており、残り1社の公開が期待される。
15:04
加納裕三氏、仮想通貨取引所bitFlyerの社長復帰へ
国内有数の暗号資産(仮想通貨)取引所bitFlyer創業者の加納裕三氏が代表取締役CEOに復帰することが発表された。今後は経営改革を加速し、株式市場での新規株式公開(IPO)を目指す。
13:40
NFTゲーム「アクシーインフィニティ」開発会社、5つのゲームスタジオと提携
人気NFTゲーム「アクシーインフィニティ」を開発するSky Mavisは、「Ronin」ブロックチェーンを大幅にアップグレードし、5つのゲームスタジオと提携して、Roninエコシステムを拡大すると発表した。
12:43
AI画像生成ツールMidjourney、無料版を一時停止
AI画像生成ツールMidjourneyは、新規ユーザーの急増や無料トライアルの乱用を受け、無料トライアル版へのアクセスを一時停止した。当初、この決定は拡散されたディープフェイク画像との関連が疑われたが、新規ユーザーの流入によりサービスに支障が出たことが原因だという。
12:25
ビットコイン直近高値圏で揉み合う、イーサリアム先物の月間取引高は昨年5月以来の高水準に
暗号資産(仮想通貨)市場ではDeribitのオプションカットオフやCME先物SQを控え、ボラティリティが強まることへの警戒感も見られる。アルト相場では、上海アップグレードを前にイーサリアム先物の月間取引高が昨年5月以来の高水準に達した。
11:15
米ワーナー・ミュージック、人員削減もWeb3チームは維持か=報道
米ワーナー・ミュージック・グループは、全世界のスタッフの約4%を削減すると発表した。一方、Web3などに取り組む従業員については維持する可能性が高いとされる。
10:50
Magic Eden、ビットコイン版NFT「Ordinals」でシェア急増
クロスチェーンNFT電子市場Magic Edenがビットコイン版NFT「Ordinals」のマーケットプレイスをオープンして以来、Ordinals市場でMagic Edenのシェアが50%を超えるまでに増加していることが分かった。
10:00
独シュトゥットガルト証券取引所、仮想通貨カストディの認可取得
ドイツのシュトゥットガルト証券取引所は、デジタル部門が規制当局から仮想通貨カストディアンとしての最終的なライセンスを取得したと発表。ビットコインなどを扱う一連のサービスを提供する。
09:10
Web3カンファレンス「WebX」、チケット販売開始
CoinPostが企画・運営に関わるアジア最大級の国際Web3カンファレンス「WebX」のチケット販売が開始。チケット販売に合わせて、WebX公式ホームページを公開した。
08:25
Injective、SVM向け新ソリューションをリリースへ
L1ブロックチェーンプロジェクトInjectiveは、ロールアップソリューションCascadeをパブリックテストネットにリリース。Cascadeの利用で、ソラナのアプリをコスモスに展開しやすくなる。
08:05
米国株一部続伸、米四半期GDP確定値が下方修正|31日
本日のNYダウは続伸し+141ドルで取引を終えた。ナスダックもIT・テック株の買い優勢で+87ドルと続伸した。インフレ鈍化を示す経済指標が買い材料となったようだ。
03/30 木曜日
17:51
メジャーSQ前のビットコインデリバティブ相場をプロが分析|寄稿:仮想NISHI
メジャーSQを前にCFTCによるバイナンス提訴を受け一時急落したビットコイン(BTC)デリバティブ市場を金融のプロが分析。暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリスト「仮想NISHI」氏が市場動向を解説。
17:28
国内IEOで関心集める「Nippon Idol Token(NIDT)」とは、秋元康が次世代アイドルをプロデュース
国内4例目のIEO「Nippon Idol Token」について詳しく解説。秋元康氏が総合プロデューサーとして関わる次世代のアイドルグループ創造プロジェクトとして、メタバース及びブロックチェーン技術を用いて活動を推進する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア