CoinPostで今最も読まれています

メイカーダオ、DAI安定性強化に向けたUSDC低減提案が緊急可決

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DAI調整の緊急提案

DeFi(分散型金融)大手Makerプロトコルを管理する「MakerDAO」で11日、中央集権型の米ドル連動型ステーブルコインUSDCの影響を低減するための緊急提案が提出され、同日中に可決された。

Makerプロトコルで発行されるステーブルコイン「ダイ(DAI)」は、米ドルの価値と連動し、1DAI≒1ドルを維持するよう設計されている。DAIの時価総額は64億ドル(約8,560億円)に上り、ステーブルコイン分野で時価総額4位を誇る(執筆時点)。

DAIはスマートコントラクトにロックされた仮想通貨を担保に発行可能だが、担保資産の半数が「USDCoin(USDC)」で構成されている。

そのため、先週発生した米シリコンバレー銀行(SVB)破綻と、SVBに資金を拘束されたUSDCの取り付け騒ぎの影響を受けた。1ドルの基準値から乖離(ディペッグ)して、USDC・DAIの実勢価格はどちらも一時0.9ドル付近まで下落した。

週明けに、シリコンバレー銀行に残されていた約4,400億円(33億ドル)のUSDC準備金が回収可能であることが伝わると、USDCとDAIは共に1ドル近くに値を戻している。

これらの経緯を踏まえ、MakerDAOではドルペグを強化するための緊急提案が可決。重要な変更点は、USDCのペグ安定モジュール(PSM)であり、USDC担保DAIの1日の上限を9億5,000万DAIから2億5,000万DAIに引き下げたこと。

さらに、USDCからDAIのスワップ手数料を0%から1%に引き上げた。PSMがUSDCを過剰に抱えるリスクを抑え、ユーザーに別の方法でUSDCを処分するよう促すねらい。新たなパラメーターは14日中にも反映される。

関連:ビットコインなど仮想通貨反発、シリコンバレー銀行巡る「信用不安」後退で

USDPを高評価

同様に、米仮想通貨取引所Gemini(Gemini Trust Company LLC)が発行するジェミニ・ダラー(GUSD)も、無保険の銀行預金に多額のエクスポージャーを持つとの理由から、Maker PSMで1日の発行上限が5000万DAIから1000万削減された。伝染リスクに直面した場合に備えた判断としている。

なお、米Paxos National Trustが発行するパクソス(USDP)のDAIモジュールについては1日の発行上限を4億5000万DAIから10億に引き上げている。また、USDPからDAIのスワップ手数料を0.2%から0%に引き上げる一方、DAIからUSDPへの手数料を0.1%に引き上げることで、USDPを貯蔵する体制を整えた。

MakerはUSDPの準備資産のポートフォリオが流動性を高く維持する様に設計されていることを指摘。他のステーブルコインより減損の可能性が低く、市場急変時にDAI契約の清算を保護するバックストップ流動性として機能する可能性があると評価した。

Paxosのレポートによると、USDPの準備金は、主に米国債、米国債を担保とするリバースレポ契約、保険付き銀行預金(FDICの制限を受けないように預金仲介ネットワークを介して配置)、民間保険付き銀行預金で構成される。

Paxos(Paxos National Trust)社は、2021年4月にOCCから国法銀行免許に関する条件付きの承認を受けて、カストディサービス、ステーブルコイン管理、支払い、交換、その他のサービスを提供するエンティティとして規制上認可されていた。

同社は2種類のステーブルコイン「Paxドル(USDP)」と「バイナンスUSD(BUSD)」の発行に携わってきた。USDPの発行量は8.7億ドル。BUSDは流通規模が87億ドルに上るが、2月にPaxosは米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)からBUSDの新規発行停止命令を受けていた。

関連:米ニューヨーク当局、パクソスにステーブルコイン「BUSD」の新規発行停止を命じる

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12:00
知らずに損しているかも?取引所選び 3つの注意点
ビットコインなどの投資初心者に大事な暗号資産(仮想通貨)取引所選びと、後悔しがちな代表的な失敗事例3つを解説。手数料、価格、取扱銘柄の違いを比較し、最適な仮想通貨取引所を見極めるポイント、賢い投資戦略と失敗回避のためのチェックリストも提供。
10:30
ソラナWeb3ゲーム「Nyan Heroes」、Epicのストアでトップ30入り
ブロックチェーンゲーム「Nyan Heroes」はEpic Games Storeで最もプレイされたゲームでトップ30以内に入った。今後NFT機能や独自の仮想通貨も導入する予定だ。
09:15
ビットコイン、4度目の半減期完了 報酬が3.125 BTCに
直近の米経済指標(3月の雇用統計やCPI等)が景気の堅調さを改めて示しているため、FRBが利下げを急ぐ必要がなくなりつつあるとの観測が高まってきており、仮想通貨や株のようなリスク資産をさらに押し上げる力は弱まってきたようだ。
08:25
BTCクジラが1900億円相当のビットコイン押し目買い、エヌビディアなど大幅安|金融短観
19日のアジア時間はイスラエルがイランに対して報復攻撃を実施したとのメディア報道が嫌気され日経平均指数や上海総合指数などは大きく下がったが、その後攻撃の規模が限定されており核施設に被害はなかったとの報道を受け米国の株式市場ではこのニュースへの反応は見られなかった。
06:45
Magic Eden、BaseチェーンのNFTに対応へ Open Editionミントも予定
Magic Edenは現在NFTマーケットプレイスのランキングで1位。ビットコイン半減期を背景に需要が高まるビットコインOrdinalsおよびビットコイン上の「Runes」への期待が出来高を押し上げている。
06:15
マイクロストラテジーのセイラー会長、自社株売却で570億円の利益
マイクロストラテジーの株価は仮想通貨ビットコインの3月の高騰に伴い3月27日に1,919ドルまで値上がりした。同株は年初来+71.37%のパフォーマンスを見せた。
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧