CoinPostで今最も読まれています

国際通貨基金:マーシャル諸島の「ソブリン」仮想通貨は計画中止せよ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

IMFは、マーシャル諸島の仮想通貨発行計画を止めたがっている
アメリカドルを基軸通貨とするマーシャル諸島は、仮想通貨「ソブリン」を発行することで、アメリカドル強依存からの脱却を図るが、IMFは計画の危険性を指摘する。
マネーロンダリング防止/テロ資金供与対策が確立できなければ、コルレス銀行との関係を失う
マーシャル諸島の仮想通貨計画は、マネーロンダリング防止/テロ資金供与対策、コンプライアンスなどの点で解決できていない問題があり、今のまま仮想通貨を発行すれば、リスクを恐れた金融ネットワークから排除されるだろう。
コルレス銀行とは
外国銀行間の決済にあたり、中継となる銀行のこと。海外へ送金するには、コルレス銀行を中継する必要がある。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

マーシャル諸島のローカル仮想通貨ソブリンの計画

太平洋に浮かぶマーシャル諸島は、独自のローカル仮想通貨「ソブリン(SOV)」を発行しようとしていますが、IMFはそれを思いとどまらせようとしています。

同国は現在、アメリカドルを基軸通貨として採用していますが、これに加えて独自に発行する仮想通貨ソブリンの使用を計画しています。

国際通貨基金(IMF)によれば、この計画は同国のマクロ経済の財務リスクを増大させるばかりでなく、コルレス銀行とのネットワーク切断につながる危険を孕んでいるとのことです。

インフラ投資の撤退や自然災害、気象変化などによってマーシャル諸島の景気は後退を続けており、ローカル経済はアメリカドルでの支援によって維持されています。

彼らがアメリカドルとのネットワークであるコルレス銀行との接続を失うことになれば、深刻な金融リスクに直面することは必然と言えます。

コルレス銀行との(接続切断)はなぜ起こる

では、なぜソブリンの導入がコルレス銀行からの切断につながるのでしょうか?

IMFの報告書によれば、ソブリンのマネーロンダリング防止/テロ資金供与対策(以下AML/CFT)手続きは曖昧なままとなっている点が多く、重要な経済ツールであるコルレス銀行、または金融ネットワークとの繋がりが切れてしまう可能性があるとされています。

ソブリンの新規発行にあたって、厳格な本人確認(KYC)とマネーロンダリング防止措置が講じられない場合、ソブリンは潜在的な犯罪促進、テロ資金供与やマネーロンダリングの手段として捉えられ、コルレス銀行との接続を喪失する可能性があるのです。

「マネーローンダリングやテロ資金調達の目的で仮想通貨が悪用される可能性を考慮すると、 包括的なAML/CFT措置を講じていないソブリンの発行は、AML/CFTの基準を更に厳しくさせ、コルレス銀行との接続喪失までを含むような対策が講じられるだろう。」

ソブリン発行への道は険しい

IMFは、ソブリンにおけるコンプライアンスの枠組み自体にも不備があるほか、トランザクション監視、疑わしい取引の報告、コンプライアンス違反者への制裁など多くの問題が片付いていないと指摘しています。

マーシャル諸島は、ソブリンを使ってアメリカドルへの強依存から脱却しようとしているのですが、そう簡単な道ではなさそうです。

IMF Expresses Concern About Marshall Islands Sovereign Cryptocurrency as Legal Tender

Bitcoin Exchange Guide News Team – 9/11/2018

参考記事はこちらから

CoinPostの関連記事

ベネズエラ:仮想通貨に価格連動させる新法定通貨を発表
ベネズエラで、新通貨の流通が8月20日から開始することを発表された。新通貨は、現在の法定通貨ボリバル・フエルテの単位を5桁切り下げるデノミを行い、さらに石油価格と政府の信頼性で価格決定する仮想通貨”ペトロ”にペッグする通貨となる予定。
バハマ政府、仮想通貨を試験的に導入へ|島国でブロックチェーン導入の動きが進む
6月20日、バハマ財務大臣が国内のカンファレンスで、ブロックチェーン技術を用いて自国の行政・金融サービスをデジタル化する構想を語りました。近隣の島嶼国でも仮想通貨やブロックチェーンの導入の動きが進んでいます。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/29 金曜日
17:08
HSBC銀行がトークン化されたゴールド商品を香港で提供開始
HSBCは香港の個人投資家に向けて、オンラインバンキングとウェブサイトを通じたトークン化されたゴールド商品のアクセスを提供開始した。トークンはHSBC Orionプラットフォームで発行され、リテール向け、HSBCオンラインバンキングおよびHSBC香港モバイルアプリを通じて提供される。
15:30
Filecoinステーキング大手、Glifがポイントプログラム開始
暗号資産(仮想通貨)ファイルコイン(FIL)の、ステーキング・プロトコルGlifがポイントプログラムを開始した。FILトークン保有者は流動性プールにFILを預けることで、Glifのネイティブ・リキッド・リース・トークンである「iFIL」を受け取り、運用できる。
14:34
イーサリアム共同創設者ブテリン氏、Dencun後の改善点を語る
仮想通貨イーサリアムの共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏は、Dencunが完了した今後の技術的な改善点を提案した。
14:11
CoinTradeがソラナ含む4銘柄の取扱い開始、ステーキングサービスにSOL追加
暗号資産(仮想通貨)販売所CoinTradeがソラナを含む4銘柄の取り扱いを開始。ステーキングサービスにSOLを追加した。条件をクリアすることでSOLをプレゼントするキャンペーンを開催中。ジパングコイン(ZPG)など三井物産デジタルコモディティーズも新規で取り扱う。
12:55
日本DAO協会4月1日に立ち上げ 府令改正も同日公布
日本DAO協会が4月1日に設立される。DAOの自主規制や健全なエコシステムづくりを推進していくもので、協会自体の運営もDAOで行う計画だ。
12:24
ビットコイン7万ドル台で高止まり、ブラックロックの新規ファンド好調でRWA関連銘柄買われる
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが7万ドル台新高値をうかがう展開。アルト相場ではブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」絶好調の影響で、ONDOなどのRWA関連銘柄が買われた。
11:30
Googleサーチ、ビットコインやArbitrumなどのアドレスで資産残高を確認可能に
全ての資産を表示するわけではなく、残高は各ネットワークのネイティブトークン(ETHやARB、OPなど)のみを表示。
10:50
5月のローンチ目指す、香港でビットコイン現物ETF申請のVSFG
仮に香港で承認された場合、アジア初の事例となり、今後日本でのビットコインETF上場や発行にも追い風になりうるとみられる。
10:00
FTXのサム前CEOに懲役25年の判決 カリフォルニアで服役へ
米国地方裁判所の判事は28日、破綻した仮想通貨取引所FTXのサム前CEOに対して懲役25年、および最大1.7兆円の資産没収という判決を言い渡した。
08:40
2.6兆円相当のBTC保有数到達、ブラックロックのビットコイン現物ETF
純流入再び加速 ブラックロックのIBIT・ビットコイン現物ETFの運用資産は初めて、250,000 BTC(2.6兆円)を超えた。1月11日の取引開始からわずか11週間で2兆円…
08:10
Wormholeの仮想通貨「W」、取得開始日明かす
Wormholeは、今月7日に、Wトークンのエアドロップアロケーションや適合対象アドレスを公開。ソラナ、EVM系、Sui、Aptos、Osmosis、Injectiveといったネットワークでのユーザーや、ソラナNo.1NFTコレクションである「Mad Lads」のホルダーを対象としている。
07:40
米投資会社、マイクロストラテジーの株はBTCより割高と指摘
マイクロストラテジーの株価から概算する仮想通貨ビットコインの価格は17万ドル超であると米ケリスデールが分析。同社の株は、ビットコインに対し正当ではないプレミアムがついて取引されているとの見方を示した。
07:20
アバランチ財団「Codebase」、最初の支援プロジェクト15社を選出
アバランチではすでに「Colony Lab」という分散型アクセラレーターが活動しているが、今回Codebaseと連携し支援対象への資金提供を拡大し、1プロジェクトにつき、100万ドルを超える金額を提供する可能性がある。
06:45
5月承認の可能性低いもBitwiseらがイーサリアム現物ETFの上場申請行う
イーサリアムETFが現在の多くの申請の最終期限となる5月に承認される見込みは、SECがイーサリアム財団を調査しているとの報道などを受け大幅に後退している。1月には70%あったが、現在は20%程度まで低下してきた模様だ。
05:50
Bybit、ソラナミームコイン「POPCAT」の永久先物提供
ソラナの仮想通貨ミームコインへの需要は未だ高い。代表的な犬系ミームコイン「WIF」は29日過去最高値を更新し、前日比で20%上昇している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
2024/04/13 10:00 ~ 17:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧