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米国内でも「仮想通貨課税の明確化」を望む声、複数の国会議員がIRS長官に強く要請

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IRSのガイドライン発表から4年
IRSは2014年、仮想通貨に対して暫定的に「Notice2014-12」を発表したが、4年経った今も今だに明確化されない仮想通貨課税に関する規制。アメリカ国民が合法的に新たな技術を活用できるよう、規制の明確化をIRSのトップに書簡を通じて呼びかけた。
IRSとは
IRSはアメリカ合衆国国内歳入庁の略称。日本の国税庁に相当する。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

アメリカ連邦議員5名が、米国国税庁へ仮想通貨課税の明確性を求める書簡を送っていたことが判明しました。

仮想通貨課税の明確化を

9月19日付の、IRS長官David Kautter氏宛の公開書簡は、米下院歳入委員会のKevin Brady委員長を筆頭にその他4名の議員が、「仮想通貨使用の際の納税者の義務を明確にするため、より確固たる指針の迅速な交付」を要求する内容となっています。

なお、同委員長と連邦議員は、2017年5月にも、IRSの仮想通貨課税方策の欠如を指摘する書簡を送っており、それから1年以上が経過する中、IRS側の対応が後手に回っている責任を、今回の書簡で改めて追求しています。

IRSは、2014年3月に、仮想通貨は税務上「資産(property)」として扱われるという指針 (Notice2014-12) を発表し、税金関連の課題を明確にする取り組みを始めました。

出典:irs.gov

しかし、2016年には、IRS税務管理監査官をはじめ、国際公認会計士協会、アメリカ法曹協会などの団体から、IRSは未だ包括的な仮想通貨課税方策を策定していなかった為、仮想通貨の様々な用途を考慮にいれ、2014年の指針を更新する必要性を指摘されていました。

前出の2017年の連邦議員からの書簡に対するIRS長官の回答は、「Notice2014-12」は予備的ガイドラインであるというものでしたが、IRSからの仮想通貨税務に関する追加指針は、いまだに発表されていない状況です。

さらに、納税者の納税判断の拠り所は、この予備的ガイドラインしかないという状況にも関わらず、IRSは、このガイドラインの執行を優先させ、多くの面で妥協のない執行措置を実施してきました。

その一例として、2016年12月、IRSがアメリカ大手仮想通貨取引所のCoinbaseにおよそ50万人分の顧客データの提出を求めた件です。

法廷での長期にわたる抗争の結果、今年2月にコインベース に有利な判決が下されています。(2013年から2015年の、取引高の多い約13,000人の顧客データの引き渡しに限定)

出典:coinbase.com

2018年3月に、IRSは警告を呼びかけ、納税者に対し仮想通貨取引の適切な税の申告がなされない場合は、監査の対象となり、罰金および利息に対する責任が生じること、また、より深刻な場合は、刑事訴訟の対象となる可能性もあるとしました。

このように一方的とも言えるIRSの措置に対する今回の書簡は提出されました。

日々進化しつつある仮想通貨取引に対する課税問題は複雑であることは認めるものの、納税者が税制を理解しやすく、法律に準拠する形で納税できる体制を作ることこそ、租税管理者であるIRSの義務であるとしました。

また、Notice2014-12が初めて発表されてから経った4年という期間は、より明確な納税のガイドラインを策定するには十分な時間であったと主張しています。

そのため、書簡では一歩踏み込んで、「下院歳入委員会のこの問題に対する理解がより深まるため、会計検査院へこの件に関する監査に着手するよう求める」としています。

ワシントンDCに拠点をおく非営利の仮想通貨支援団体Coin Centerは、今回の書簡を歓迎する旨を表明しており、同団体のコミュニケーション責任者のNeeraj Agrawal氏は、公式ブログの中で、次のように述べています。

昨年4月に我々が呼びかけた”僅少額”取引に対する税の免除についても、IRSに問いかけていたことを嬉しく思う。

現状仮想通貨で何かを購入したい場合、仮想通貨ユーザーはわずかガム一枚でも買えば、キャピタルゲインの計算をしなければならなく、これは全く筋が通っていない。去年成立した仮想通貨税公正法によって、この問題には対処するだろう。

アメリカ連邦議会の議員が、仮想通貨税制に対して行動を起こし、新しいテクノロジーにとってより発展しやすい環境を作り出すことに一歩を踏み出していることは、仮想通貨の将来に非常に明るいニュースであることは間違いありません。

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