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ビットコイン開発者、大手投資銀行の元CEOらがSECに抗議文書を提出

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ビットコイン開発者などがSECに文書を提出
アメリカ証券取引委員会(SEC)に対して、大手金融と仮想通貨金融出身の複数の著名なリーダーが共同で、規制を今の時代にあったものにしてほしいとの旨を綴った文書を提出した。

時代に遅れぬよう規制を促す重鎮たち

アメリカ証券取引委員会(SEC)に対して、大手金融と仮想通貨金融出身の複数の著名なリーダーが共同で、規制を今の時代にあったものにしてほしいとの旨を綴った文書を提出しました。

その文書を提出した著名人の中には、ビットコイン・コアの開発者Bryan Bishop氏、モルガン・スタンレーの元CEOであったCaitlin Long氏、Eコマースの先駆者Christopher Allen氏、ブロックチェーン開発チームAngus Champion de Crespignyの設立者兼資産運用の専門弁護士Gavin Fearey氏などが含まれます。

仮想通貨業界の長期的な利益を考えた場合、企業からの採用がビットコインの本来のメリットを傷つける可能性がある、と文書中に記述されています。

また特に、ニューヨーク証券取引所の親会社であり、仮想通貨取引所Bakktの立ち上げを発表したICEの商行為を指摘している模様です。

文中の数ある忠告の中で、2014年からビットコイン開発に携わっているBryan Bishop氏が訴える主張は、SECが新たな規制を整えるために仮想通貨のエンジニアと直接協力することが必要だというものです。

フォーブス誌の取材にて、Bishop氏は、

「ビットコインは、ルールの施行が政策によってではなく、ソフトウェアや数学、暗号学によって行われるというコンセプトです。」

と話しました

ウォール街の商行為に警戒を

同文書で、ICEが立ち上げを計画しているBakktがどのように仮想通貨を扱うかに制限を設けるべきだと主張しています。

顧客の資産を預かる既存金融機関は、上述した仮想通貨のコンセプトを損なう可能性が考えられるとされます。

「全ての顧客資産を一箇所に集め、貸付をしたり、保管する仮想通貨で投資に回すなどの混同担保により、手元に資産を置くよりも、流動性が生み出されビットコインの価値が下がる可能性がある。 その結果、2007年と2008年に起きた金融崩壊につながる原因を再び招くかもしれない。」

また、多くの有価証券と違い、ビットコインは無記名アセットのようなものであり、それにより複数の資産から一つのアカウントでビットコインの混同担保を行うことでハニーポットが作り出され、ハッカーによるビットコインの盗難を招きうると、文書に記載されています。

さらに、他に考えられる混同担保の懸念点に、一つの組織がそのバランスシートで資産の所有権を主張し、一方でその資産をその他の組織に貸し出し、それをバランスシートに記録する「再担保設定」と呼ばれる業務を挙げています。

最後、同文書はこのように締めくくられています。

「カストディーを取り巻く既存のSEC規制は、電子資産の管理や、仮想通貨技術の、技術的強みを失うなどのリスクに反映されていない。これら技術的強みは、カストディーの環境を強固なものにする力を秘めており、そのアドバンテージを失わせないために、SECは、暗号学に携わるエンジニアや、ソフトウェアの開発者、ビットコイン取引所、スマートコントラクトの設計者、ブロックチェーン開発者などと、 連携して最も相応しい規制を策定するべきだと、我々は勧めている。」

なお、以前コインポストの記事でも述べた通り、中央銀行や既存の巨大金融機関が作り上げた金融システムに反して、ビットコインは生まれたとされています。

しかし、大手金融機関が続々とカストディーサービス提供を計画するなど、中央集権化が再び逆進しているようです。

本来のビットコインの設計思想から掛け離れつつあり、本末転倒になってしまっている現状に対して、一石を投じるためこの文書を提出したと思われます。

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