CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン急落と「クジラ」の影響に関する仮想通貨調査報告書が公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

研究報告:相場キラーはクジラならぬ
9月初頭にBTC価格は2日で15%下落し、コミュニティ内では、その理由がクジラにあると予想されていた。 しかし、今回公開されたChainalysisによる報告書では、彼らは、弱気相場でも売却よりも購入を積極的に行い、大量売却の際もOTC市場を使い、実際頻繁に取引を行うトレーダーの割合も少ないとの結果が明らかになり、自発的に市場に影響を及ぼす可能性は低いと示唆した。

クジラは下落相場の要因ではない

ビットコイン価格は12日急落、仮想通貨市場の大きなボラティリティが顕著になり始めている。

特にいまだ記憶に残っているのは、9月の初めにビットコインの価格がわずか2日間で15%もの急落が確認されたことだろう。

この当時、米有力紙ブルームバーグは、8月23日から30日にかけて、とあるウォレットから計50,500BTCが50回もの入出金を経て移動されていたことから、その価格下落の裏には、クジラ(大口)の動きがあるのではないかと予想していた。

RedditやTwitter等のSNSでも、この資金移動からビットコイン価格の暴落が起きたと主張され、このウォレットは、Mt.Goxやシルクロードのものではないかと噂されている。クジラは「暴落を誘い、市場を不安定にさせる」といったイメージを払拭できていなかった様だ。

しかし、10月10日に大手仮想通貨調査会社Chainalysis は、ビットコインクジラが、市場の不安定性をもたらしているのではなく、むしろ、市場を安定化させていることを示唆する最新報告書を公開した。

Chainalysisの分析

Chainalysisは、取引所ウォレットを除いたビットコインの保有量上位32ウォレットを分析し、その保有者の特性が多様であり、ビットコイン暴落時には売却ではなく、大半の人とは真逆の行動となる買いを行っていると報告。

Chainalysisによって公開された以下の図を見ても、クジラは、2017年末から2018年初頭にビットコインへの投資が高まっていることに加え、今年5月から7月にかけても積極的な投資が見られたとしている。

出典:chainalysis.com

彼らは市場を下落させることが可能な保有量を有しているとしても、市場下落の際には、結果的に安定化に作用する買いを行い、換金する為に大量売却を行う際にも、市場に影響の少ないOTC市場での売却を行っていると示唆されている。

その取引所ウォレットを除いた保有量上位32ウォレットは、総額約63億ドル(約7000億円)相当の合計100万BTCを保有していることが明らかになった。

そして、その32ウォレットは、頻繁に取引を行うトレーダー(Trader)、2017年以前からビットコインを保有し、価格が上昇した2016、2017年に売却を行い、現在は、非常に裕福であるとされるマイナー/アーリーアダプター(Miner/Early Adapter)、2011年以降取引がない秘密鍵紛失(Lost)、ダークネット市場に関連があるとされている犯罪者(Criminals)の4つのグループに分けられ、以下のような保有割合になっている。

Trader(投資家) 約33.2万BTC (33.1%)

Miner/Early Adapter(マイナー) 約33.2万BTC (33.1%)

Lost(秘密鍵紛失) 約21.2万BTC (21.2%)

Criminals(犯罪者) 約12.5万BTC (12.5%)

出典:chainalysis.com

実際、マイナー/アーリーアダプター(Miner/Early Adapter)、秘密鍵紛失(Lost)、犯罪者(Criminals)は、その保有数が多いものの仮想通貨市場とのやり取りが頻繁に行われているわけではない。

実質、市場に大半の影響を及ぼしているのは、約33.2万BTCを保有するトレーダー(Trader)であり、彼らの保有BTCも、10月時点でのBTC総供給量約1700万BTCのほんの一部に過ぎないのだ。

このように、そのクジラがファミリーオフィスであれ、ヘッジファンドであれ、仮想通貨億万長者であれ、彼らは、弱気相場においても売却より購入を積極的に行い、大きな売却の際にもOTC市場といった直接いた取引に影響しない形を利用するなどの理由から、自発的に市場に影響を及ぼす可能性は低いとの研究結果だ。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/28 木曜日
17:35
分散型AIの3大プロジェクトが団結、新トークン「ASI」に統合へ
SingularityNET、Fetch.ai、Ocean Protocolが人工超知能連合を結成し、各プロジェクトの暗号資産(仮想通貨)を新トークンASIに統合する計画を発表。単一の分散型AIネットワークとしてリニューアルを目指す。AGIの父と呼ばれるベン・ゲーツェル博士が主導する。
15:58
ビットコインのレイヤー2「BEVM」ローンチ
BEVMがメインネットをローンチ。暗号資産(仮想通貨)ビットコインをガス通貨として利用するEVM互換のレイヤー2ネットワーク。シリーズAで数十億円を調達し、分散型ビットコインクロスチェーンカストディサービスを実現。
15:00
NEARプロトコル、マルチチェーン再ステーキング「LiNEAR」始動へ 
NEARプロトコルがChain Signaturesを導入、暗号資産(仮想通貨)の相互運用性を強化。ビットコインやイーサリアムなど複数のブロックチェーンをサポートする。オムニチェーン再ステーキングLiNEARが始動。
14:15
「イーサリアムが有価証券でもETF化は可能」ブラックロックCEO
仮想通貨イーサリアムに関しては、米国においてその法的ステータスが定かではない。CFTCは商品(コモディティ)と見做している一方、SECはETHに関係するスイスのイーサリアム財団を調査していることが先週報じられた。
10:45
Parallel Studios、VanEckやソラナベンチャーズから53億円調達
パラレルはイーサリアムメインネットおよびBaseチェーン上で稼働するものだが、先日発表された、コロニーのローンチ先がソラナのブロックチェーンであることや、今回ソラナベンチャーズが出資したことから、今後クロスチェーンでの展開が考えられる。
10:15
イーサリアム「BLOB」にデジタルアートを記録する方法 Ethscriptionsが導入
イーサリアムのチェーン上にデジタルアートなどを記録するEthscriptionsは「BlobScriptions」を発表。ブロブにデータを記録する方法となる。
08:10
21Shares、欧州でTONの上場取引型金融商品を提供
今月初めテレグラムは仮想通貨TONを正式に統合し広告収入をチャンネル所有者と共有し、TONブロックチェーン上でToncoinを使って報酬を支払うようになった。この動きが投資家からの需要を押し上げたようだ。
07:30
ブラックロック「BUILD」、一週間で240億円超の資金流入を記録
ブロックチェーン上でトークン化された現実世界資産(RWA)の運用を提供するOndo Financeからの10億円以上新たな資金もありファンドの規模は拡大中。
06:50
スクエニやソラナ財団、Elixir Gamesに21億円出資
Elixir Gamesは、ゲームローンチャー「Elixir Games Launcher」で、さまざまなWeb3ゲームを遊べるPCアプリを提供。また、Web3ゲームがNFTなどのゲーム内資産のセールを代行するローンチパッドで、ミントなどの機能を提供する予定だ。
05:50
SECに有利か、裁判官がコインベースの棄却申し立て認めず
その一方、裁判官は、コインベースが顧客が仮想通貨ウォレットアプリを利用できるようにしたときに、無登録ブローカーとして運営していたというSECの主張を取り下げることを決定した。
03/27 水曜日
17:25
Slash Payment、独自トークンのエアドロップ対象条件を発表
暗号資産(仮想通貨)決済サービスSlash PaaymentのエコシステムトークンSVLについて、エアドロップの参加条件が明かされた。分散型決済エコシステムの利益が、ステーキング参加者に還元。スナップショットまでに割り当てを増やすことも可能だ。
17:00
ビットコインなど仮想通貨投資の始め方|初心者が注意すべきリスクとおすすめ戦略
ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)投資の初心者向けスタートガイドを解説。基本戦略や知識、特に注意すべきリスクやセキュリティ対策を紹介し、「何歳から始められる?」のか、取引所ごとの年齢制限一覧も提供。
16:04
KDDIのNFT市場「αU market」、アニモカブランズとの連携開始
KDDIが展開する「αU market」で、『PHANTOM GALAXIES』の限定版NFT販売を開始。アニモカブランズが支援するブロックチェーンゲームとの連携施策の第一弾。暗号資産(仮想通貨)ウォレット「αU wallet」を接続して購入できる。
14:23
21Shares「半減期前のビットコインは、過去の歴史とは異なるダイナミクスを経験している」
スイスを拠点にする資産運用企業21Sharesは、仮想通貨ビットコインの半減期が市場に及ぼす影響について分析したレポートを発表。ビットコインは現在、過去3回の半減期とは、「異なる市場ダイナミクスを経験している」と指摘した。
12:23
ビットコイン7万ドル台で堅調推移、コインベース・プレミアムは強気から中立に
暗号資産(仮想通貨)市場では、半減期前のビットコインは過去最高値に迫る7万ドル台まで反発して堅調推移を辿る。米国の機関投資家動向を示すコインベース・プレミアムは強気から中立に転じた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/03/28 15:00 ~ 18:00
東京 東京日本橋タワーB2階
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
重要指標
一覧
新着指標
一覧