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仮想通貨ビットコインの乱高下と株式市場の相関をデータ分析|リサーチ会社の見解も

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ビットコインは資産の安全な避難先と言えるのか
ビットコイン価格の乱高下に株式と正の関係が見られた件をリサーチ企業が分析。現在では下落時のみ相関が見られることでリスクオフ資産との見方はされていないようだ。では今後のビットコインはどう変化するのか?

ビットコインは安全資産なのか

金融危機や地政学リスク回避のための安全な資産逃避先として、伝統的に信頼されてきた「有事の金」。

そして、「採掘=マイニング」の難易度と、限定された供給量から、金になぞらえ、「デジタルゴールド」として、安全な資産逃避先の選択肢の一つになるのでは、期待されているビットコイン。

しかし、その期待は、未だ現実とはなっていないと思われる。

SPXとの相関性

ビットコインなどの仮想通貨は、株式をはじめ、債券や金などの従来の投資商品との価格の相関関係が低いとされていたため、投資リスクの分散に最適だとする投資アドバイスが多く散見される。だが、先週の世界の株式市場の急落は、仮想通貨市場にも影響を与え、その価格は全面的に下落した。

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ビットコインと世界株式相場の指標とされているS&P 500指数(SPX)の9月以降のチャートを下図のように見比べてみると、そのパターンが著しく類似していることがわかる。

この期間に限ってみると、価格動向と方向性において正の相関を表している。

(また、日経平均なども同様で、全体的な株価が連動している動きに、ビットコインも正の相関が見られた。)

ビットコインの先週の価格下落の最初の兆候は、10月4日から5日にかけて、SPXチャートに見られる。要するに、ビットコインは、SPXが急落した1日後、それに倣うように、急激な下落に転じている。

ここでは、SPXがビットコイン市場の値動きのサインを1日程前から提供したかのように見受けられる。

一方、90日スパンでの相関関係はどうだろうか。

出典:SifrData

SPXとビットコインの相関の値は、0.2で、価格の正の相関関係は「弱い」ことがわかる。

(値は1から−1で、−1は逆相関を表す。0.5~1: 強い正の相関、 0.3~0.5: 適度な正の相関、 0.1~0.3:弱い正の相関)

米リサーチ企業、DataTreckは、「アメリカの株価が悪化すると価格の相関関係は高まり、株式が好調になると、相関関係が切れるようだ」と分析している。

つまり、「安全資産」の定義から考えると、ビットコインはまだその地位からは、程遠いだろう。

ビットコインの将来性

価格変動が大きいため、あらかじめ、固定利回りを提供するなど、将来の収益が確定されるようなことはない。将来の収益予想が非常に困難な株式やコモデティ(商品)同様、リスク資産の要素が強いと言える。

 

また、一般に安全資産と認識されている金と比べても次のような違いが見られる。※和訳したものである

作成画像

とはいえ、革新的なブロックチェーン技術を基盤とするビットコインは、新しい資産クラスであるとしての認識が、徐々に社会に受け入れられつつあるのも事実である。

通貨危機リスクという視点から見ると、ハイパーインフレの進むベネズエラ、アルゼンチン、ならびにジンバブエなどでは、ビットコインをはじめとする仮想通貨が、資金の逃避先として使われるようになっている。

 

また、2013年のキプロスにおける預金封鎖、繰り返されるギリシャ金融危機、そして、今年に入ってからのイタリアの政局混乱と国債急落に始まる財政危機では、ビットコインに資産を分散させる動きが繰り返し報じられ、その「資産逃避先」としての有用性が注目されている。

まさに「有事のビットコイン」とも言えるようなトレンドは、規制の有無にかかわらず、一般の人々の間から、自発的に沸き起こってきている。

世界レベルで見ると、このような風潮は、未だ限定的であるかもしれない。しかしながら、ビットコインをはじめとする仮想通貨が社会全般に普及するにつれて、伝統的な資産逃避先と並び、選択肢の一つと考えられる日も来るのではないだろうか。

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