はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

前週末のビットコインは反発続かず失速、政府BTC売りの市場評価は「過剰」との指摘も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
※このページには広告・PRが含まれます

マクロ経済と金融市場

前週末5日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比ドル(0.17%)高の39,375ドル、ナスダック指数は146.4ポイント(0.9%)高の18,352で取引を終えた。

東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は、前週末比39円安の40,882円で推移している。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比6.0%安の1BTC=54,703ドルと反落した。

BTC/USD日足

BTC/USD週足

急落後の反動高で下髭をつけるも、レジスタンスライン(上値抵抗線)の200日移動平均線で戻り売り圧力に押されるようにして失速すると、6万ドルの節目を超えることなく反落した。

ダブルトップのネックラインを割り込む週足大陰線は、調整が長引く可能性を示唆しており、直近安値の53,500ドルを更新せずに済むかどうか、サポートライン(下値支持線)の51,000〜52,000ドル水準(①)までに下げ止まるかどうかが目先の焦点となりそうだ。

調整局面が長引いた場合、1BTC=42,000ドル(②)水準が意識され始める懸念もある。

関連:ビットコイン相場900万円割れ、弱地合い脱却までもう少しの辛抱か|bitbankアナリスト寄稿

今年6月以降にリスク回避姿勢が強まるとともに、クジラ(大口投資家)の売りが相次いでいる。

オンチェーンアナリストのAxel氏は、日次実現利益損失比率(Daily Realized Profit Loss Ratio)の30日移動平均を根拠に、現在の相場では強いパニックの兆候は見られないとし、さらなる淘汰が必要との認識を示した。

オレンジ色のバーは、「パニック売り(Panic Selling)」を示しており、市場が大きな売り圧力にさらされていることを示している。

関連:ビットコイン続落で2週連続陰線、市場から警戒される3つの下落要因は?

関連:ビットコインの買い方|投資メリットやリスク、おすすめ取引所は?

過去数週間にわたり、ドイツ政府やアメリカ政府が犯罪収益として押収した多額のビットコイン(BTC)を売却しているほか、10年越しに弁済されたマウントゴックス(Mt.Gox)債権者の売り圧力に対する懸念が広がった。

トレーディング会社QCPキャピタルは、これらの事情を背景に、ビットコインの第3四半期は低調に推移すると予想している。

政府のBTC売りは過大評価か

その一方、データ分析企業CryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOは、実現時価総額(Realized Cap)を根拠に、「両政府のビットコイン(BTC)売却を市場が必要以上に恐れている」との見方を示した。

2023年以降、ビットコイン市場には2,240億ドルの資金が流入している中で、押収されたビットコインは実現時価総額の90億ドルに相当するが、これは、2023年以降の総実現時価総額のわずか4%に過ぎないという。

短期的には影響を及ぼすものの、長期的には市場全体に与える影響は限定的だと主張した。

他のアナリストからは、22年11月に破綻したFTXの買い圧力を指摘する見解も見られた。

マウントゴックス(Mt.Gox)の場合は暗号資産弁済であったため、ビットコイン(BTC)やビットコインキャッシュ(BCH)の利益確定は市場の売り圧力となるが、FTXの場合は160億ドル相当の“現金(米ドル)”を債権者に弁済するため、第4四半期には数十億ドル規模の買い圧力が生じる可能性があるというものだ。

FTXは弁済原資に充てる債務整理の一環で、保有していた暗号資産(仮想通貨)の売却やAI(人工知能)スタートアップ企業Anthropicの株式を売却し、64億ドル相当の現金を保有しているとされる。

Xremlin(@0x_gremlin)氏によれば、今年10月7日に米国破産裁判所のジョン・ドーシー判事がFTXの破産計画の承認可否を判断する。同判事は、FTXが保有する数十億ドル相当の仮想通貨の販売を許可する計画を過去に承認した経緯がある。

今回の計画が承認されれば、FTXの顧客に対して第3四半期末までに弁済が開始されると予想され、そうなれば暗号資産(仮想通貨)の買い戻しに必要な流動性が提供される可能性がある。

関連:FTXが再建計画書提出、すべてのユーザーに100%以上弁済の見込み

マイナー動向は

データ分析企業CryptoQuantのアナリストによれば、ビットコインマイナー(採掘業者)は降伏状態に陥りつつある。

すでに2022年後半のFTXショック後の水準まで低下している。ビットコインの報酬が6.25 BTCから3.125 BTCに半減したことを受けた収益性悪化で不採算に陥った一部マイナーの採掘事業継続が経済的に困難となり、撤退を余儀なくされたことを示唆している。

関連:ビットコイン63000ドル台回復 マイナー指標はFTX破綻以来の『降伏』水準に達す

ビットコイン(BTC)のハッシュレート(採掘速度)下落およびディフィカルティー(採掘難易度)の易化に転じている。

採掘難易度

ビットコインマイニング大手のF2Poolによると、多くのマイナーの損益分岐点を下回りつつある。

より高いハッシュレートとエネルギー効率を提供する最新鋭のマシンを導入していない限り、現在の採掘難易度とビットコインの市場価格は、マイナーに大きな負担を強いており、前回(2020年)のビットコイン半減期以降に普及した旧型マシン(Bitmain の Antminer S19k Pro)は、損益分岐点1BTC=56,898 ドルであるとの見立てを示した。

ハッシュレート推移

過去の相場サイクルでは、弱小マイナーの淘汰が一巡した頃合いは、相場の底打ちシグナルとして機能した。

関連:ステーキングや積み立てサービスに優位性、仮想通貨取引所「SBI VCトレード」のメリットを解説

ソラナ(SOL)上場の国内取引所

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

本記事は企業の出資による記事広告やアフィリエイト広告を含みます。CoinPostは掲載内容や製品の品質や性能を保証するものではありません。サービス利用やお問い合わせは、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは、本記事の内容やそれを参考にした行動による損害や損失について、直接的・間接的な責任を負いません。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、ご自身で調査し、自己責任で行ってください。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/15 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、米SEC委員長のDeFi支持発言でETH上昇やXRPL採用事例増加など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン中東リスクで調整、FOMC通過後の買い戻し予想|bitbankアナリスト寄稿
bitbank長谷川アナリストによる仮想通貨ビットコイン(BTC)週次分析。中東情勢緊迫化で1600万円から1490万円に下落するも、過去の地政学リスク時と同様に一時的調整と分析。FOMC通過とトランプ減税法案への期待で反発予想。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|アーサー・ヘイズのBTC急騰分析に高い関心
今週は、参政党の神谷代表による仮想通貨政策提案、米コネチカット州による反戦略的ビットコイン準備金法可決、アーサー・ヘイズ氏によるビットコイン急騰分析に関するニュースが最も関心を集めた。
06/14 土曜日
13:55
相次ぐ小規模企業による大規模な仮想通貨投資発表、VanEck専門家は株価操作の可能性を指摘
時価総額数億ドルの小規模上場企業が数百億ドル規模の仮想通貨アルトコイン購入計画を発表する事例が相次いでいる。VanEck専門家は一部を株価操作目的と分析し、投資家に注意を促している。
13:10
ビットコイン保有企業の増加でシステミックリスク上昇=コインベース分析
米コインベースが最新レポートで、現在228社が仮想通貨ビットコインを82万枚保有していると指摘し、こうした財務戦略でシステミックリスクも上昇していると説明した。
11:38
イーサリアム専門家らがETH価格を「大幅に過小評価」と主張、長期目標8万ドルも
イーサリアム技術者らが新報告書でETHを「デジタル石油」と位置付け、ビットコインとの比較で機関投資家向けに大幅な過小評価を訴える。ステーキング収益や供給上限機能により長期的な価値上昇を予測。
10:44
ブラジル下院委員会、ビットコイン戦略準備金法案を可決 
ブラジル下院委員会が仮想通貨ビットコイン戦略準備金法案を可決。外貨準備の最大5%をビットコインで保有する「RESBiT」創設を目指し、中央銀行デジタル通貨の担保活用も検討。
09:50
「ドン・キホーテ」運営のPPIH、オンチェーンでデジタル証券発行へ 若年層支援の仕組み
ドン・キホーテ運営のPPIHは、セキュリタイズジャパンと提携し若年層支援の仕組みを持つデジタル社債を発行する。majicaポイントなどで利息支払いし、若者に特典を付与する。
09:30
ソラナ現物ETF承認へ前進か、複数企業がSEC要請でS-1書類を修正提出
米SEC要請を受けフランクリン・テンプルトンやフィデリティなど複数企業がソラナ現物ETFのS-1書類を修正提出。ステーキング機能組み込みも検討され承認に向け前進。
08:20
ホスキンソン氏、エイダをビットコインやステーブルに替えることを提案
カルダノ創設者チャールズ・ホスキンソン氏は、1億ドル相当の仮想通貨エイダをビットコインや複数のステーブルコインに替えることを提案。背景や目的を説明し、売り圧を懸念する声にも応えている。
07:30
現在最注目の仮想通貨関連法案、来週火曜日に米上院で最終採決見込み
米上院が来週火曜日にステーブルコイン規制法案「GENIUS法」の最終採決を実施。米ドル裏付け義務化や年次監査要件など包括的な規制枠組みを設定する重要法案の行方に注目。
07:05
今年最大規模の流入、ビットコイン長期保有ウォレットに3万超BTC=アナリスト分析
月11日にビットコイン蓄積ウォレットへ3万BTC以上が流入。2025年最大規模で、史上最高値圏でも長期投資家の積極的な買い増しが継続している状況が明らかに。
06:30
ウォルマート・アマゾンが独自ステーブルコイン検討、競争激化でビザとマスターカード株価急落
米大手小売企業がステーブルコイン発行を検討中。年間数十億ドルの決済手数料削減が狙い。競争激化でビザ・マスターカード株価下落、大手銀行も共同発行で対抗策を模索している。
05:55
米ナスダック上場企業、1000億円規模のビットコイン購入を計画 SPAC調達で
著名仮想通貨投資家ポンプリアーノ氏がProCapBTCのCEO就任を協議中。SPAC合併により750億ドルを調達し、全額ビットコイン購入に充当する計画が明らかになった。
05:35
米SharpLink Gaming、670億円でETH大量購入 イーサリアム財団に次ぐ世界2位の保有企業に
米上場企業SharpLink GamingがETH176,270枚を670億円で購入し、イーサリアム財団に次ぐ世界第2位の保有企業となった。Consensys主導の私募増資で最大ETH保有戦略を推進。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧