CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン暴落相場が継続 3つの下落要因と相場の注目点|仮想通貨市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場の暴落続く
BCH分裂騒動で揺れた仮想通貨市場、ビットコインやアルトも影響する形で暴落相場を形成したが、本日更なる下落へと繋がった。本記事では、現在仮想通貨市場で起きている問題と、相場の下落の要因をまとめた。

仮想通貨市場の暴落続く

ビットコインキャッシュの分裂騒動で揺れた仮想通貨市場、ビットコインや他のアルトコインも続く形で暴落相場を形成したが、市場は大きく値を戻すことなく、更なる下落へと繋がった。

年初来安値を更新して厳しい立ち位置に置かれているビットコインは、bitFlyer BTC/JPY日足RSIが20%割るほどの大暴落を記録していたが、本日も続落した影響でRSIの回復は未だ見られない厳しい状況だ。

RSIとは

投資家の心理状況を表す為に考案されたテクニカル指標。このRSIの数字が高いと「買われ過ぎ」、低いと「売られ過ぎ」となり、相場の強弱を教えてくれるテクニカル指標で、株式の世界では一般的には70%以上だと買われ過ぎ、30%以下になると売られ過ぎと言われている。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

直近の主要通貨の乱高下の状況を比較すると、ビットコインキャッシュフォークで暴落した15日未明以降、BCHの価格の下落率が著しく高いことが確認できる。

今回の分裂騒動で問題化したPoWプロトコルの非中央集権化への疑問が影響し、一時はPoW通貨ビットコインやイーサリアム、ライトコインが相関する形で下落、XRP(リップル)のProof of Consensusや、ステラのStellar Consensus Protocolといった、独自ネットワークを敷く通貨への買いが集まった状況も見られたが、本日の急落を伴う全面安の状況をみると、単純にビットコインキャッシュ騒動からの下落だけではなく、市場自体の地合いの悪化など、複合的な要因が関係したと考えられることができる。

上記の点を踏まえると、今回下落要因に挙げられるのは以下の3点だ。

ビットコインキャッシュに関する3つの影響

ビットコインのレンジ相場抜け

ブルームバーグの分析家が長期的な暴落になると言及

ビットコインキャッシュに関する3つの影響

考えられる下落要因として、今回も一番大きい要因は、やはりビットコインキャッシュの状況にあるだろう。

BCHティッカーによる混乱

先日のアップデートフォークに伴いブロックチェーン分岐して誕生したBitcoinABCとBitcoinSVだが、未だに続くハッシュ戦争の中で、取引所による取扱方針に異なる動きが見られた。

事の発端となったのは、昨日夜に発表を行なった大手仮想通貨取引所Huobiのビットコインキャッシュ分裂通貨の取扱方針だ。

これまで実際に取引所に各通貨を取扱いユーザーに付与を行なった大手取引所は、CZ氏率いるBinanceだったが、同取引所では、分裂通貨のどちらかにBCHのティッカーを引き継ぐことなく、BCHSVと、BCHABCのティッカーシンボルに分けて上場することを発表、実質BCHのティッカーは消えるという先例が出ていた。

しかし、本日BCH分裂通貨に関して声明を発表したHuobiは、取扱上での障壁となり得ていたリプレイプロテクションの実装が確認できたことから、明確に両通貨の分岐状況を把握できるとした上で、BitcoinABCにBCHのティッカーを引き継ぎ、ButcoinSVを分裂通貨扱いとすることを示した。

Binanceの取扱方針

  • ビットコインキャッシュSV = BCHSV
  • ビットコインキャッシュABC = BCHABC

Huobi・Krakenの取扱方針

  • ビットコインキャッシュABC = BCH
  • ビットコインキャッシュSV = 付与通貨

状況の悪化が不安視されていた中で、リプレイプロテクションの実装が取引所の発表で公表されたことや、これまで主要通貨の一つとして魅了してきたBCHのティッカーが引き継がれる取引所が出てきたことは、ビットコインキャッシュの長期的な将来性に重要な動きであることは間違いないが、各取引所での通貨のルールが異なるという状況が、一時的に投資家の混乱の種となったのではないか考えられる。

この状況から考えうる短期的な価格下落の要因だが、大手取引所がBitcoinABCをBCHのティッカーと引き継ぐと表明したことで、BitcoinABCの価格に、まだ分岐対応の価格を掲載していないBCH価格がつられた可能性や、通貨対応方針が異なる状況で、適正価格を見定めにくい状況があると言えるだろう。

ビットコインキャッシュコミュニティの争い

また、投資家の不安を煽ってしまっている要因に挙げられるのが、BitcoinSVを率いるクレイグ氏の言動だ。

クレイグ氏は、これまでBitcoinABCに対してだけでなく、他の通貨コミュニティに対しても攻撃的な発言を繰り返してきたことで注目を集めたが、ここにきて更に言動の勢いを強めている傾向が見受けられている。

コミュニティの争いが激化した当初も、通貨分裂後、以下のような下落を煽る過激発言を展開したクレイグ氏だが、他のネットワークへの攻撃を示唆するなど、投資家心理には厳しい影響が出てしまっていると言わざるを得ない状況だ。

全てのビットコインのマイナーに告ぐ。

ビットコインキャッシュの採掘に移行した場合、コストをビットコインで担う必要が出る。売却すれば米ドル建てで売り、ビットコイン市場はそれに耐えられず、急落するだろう。

考えてみれば尋常ではない量の売りとなるだろう。

良い1日を…(ビットコイン1000ドルを私は恐れない)

ハッシュ戦争による弊害

11月16日に公開されたBitmexリサーチのレポートにて、ハッシュをBCHに無理やり集めている状況の中、両陣営は巨額の損失を出しながら継続するハッシュウォーの状況が明らかになった。

出典:BitmexResearch

先行きの見えないまま巨額の資本が消えゆくハッシュ戦争が原因となり、ビットコインキャッシュをサポートしてきたチームの資金力が細ってしまう可能性も懸念されている。

単純に「厳しい状況」という訳ではない

このように見るとビットコインキャッシュの状況がかなり厳しいと感じると思うが、混乱こそ生じているものの、状況としては改善へと向かっている。

まず、BitcoinCashの従来のティッカーであるBCHを引き継ぐ大手取引所が出てきたことや、リプレイプロテクションの実装により、通貨の送金が再開される可能性が出てきたことは、大きな進展であると言える。

また、SV側の暴力的な発言などが見られてはいるが、CoinPostでの取材でもわかったように、本来のハードフォーク目的であったアップデートによるBCH(ABC)ブロックチェーンの強化も行われている。

ロジャーバー氏も、状況の争いが起こっていることこそ認めてはいるものの、技術的な進展に期待感を示しており、ビットコインキャッシュの将来性に関しても以下のように発言、後ろ向きな見方はしていない。

ビットコインキャッシュは世界中に経済的な自由をもたらす為に最適なツールだ。だからビットコインキャッシュを世界の通貨にしようと情熱を持っている人達がいる。

ビットコインレンジ抜け

直接的な要因とは考えることはできないが、これまでBCHの分裂騒動に影響され急落した14日以降、アルトコインの下落相場には影響されず、様子を見るレンジ相場を形成していたビットコインの価格が大きく崩れたことも、急落を助長する要因になったと考えられる。

記事上部の画像と同様のものとなるが、この様にビットコインはアルトコインの下落に大きく影響されない価格推移を継続していた。

その価格推移の中での上値と下値が交差するラインを本日大きく割り、ビットコイン価格も急落、BCH騒動では逆行高を見せていたXRPも、BTCを中心とした地合いの悪化に影響され下落に転じたと思われる。

ビットコイン(BTC)価格は、60万円を割ったのち、一時的に下落は落ち着いた動きを見せているが、前回大きく反発した状況とは対照的で、リバウンドの勢いも極めて弱い。

60万円ラインを大きく下回り、下落が継続した場合は、さらに一段下に行く可能性が十分あるため、慎重に見ていきたい相場だ。

ブルームバーグのアナリスト:ビットコインが1500ドルへ

また下落の要因となり得た要因に、専門家の弱気な立場を示す動きも影響したと考えられる。

年初から継続して強気な姿勢を示してきたTom Lee氏も、年末相場を25000ドル(約280万円)から15000ドル(約170万円)にまでひき下げるなど、未だ高い水準を予想するも、弱気な姿勢を見せた。

特先週木曜日以降続くビットコインおよび全体相場の下落を受け、米有力誌ブルームバーグの取材に応じた、複数のヘッジファンドの分析家が厳しい状況を示唆したことが、今回の懸念点として挙げられる。

現在BCH分裂騒動による急落した相場は、現在の水準で止まることでなく、さらに70%の下落を記録し、最終的には、1500ドル(16万9500円)へと落ちてしまう可能性が高い、とかなり厳しい分析結果を示した。

まず、ヘッジファンドIkigaiの創設者は、ビットコインキャッシュが分裂した直後に以下の様に言及している。

ビットコインキャッシュ関連の悪ファンダが仮想通貨市場全体にどのような衝撃を与えていくかは測りがたい。

ブルームバーグの記事では、一部の投資家は、「ビットコインキャッシュの二つの分裂通貨の誕生により、ビットコインから投資資金とハッシュレートを奪ってしまう可能性が高いと見ている」と報道した。

ブルームバーグ・インテレジェンス所属のアナリストMike McGlone氏はこの説に同意しており、以下の様に続けた。

今回の暴落は、ビットコインキャッシュのハードフォークが原因だった。数週間前からの価格パンプ(BCHの価格急騰)は市場がいかに好景気の様なロング目線が続くかの様に見せかけて、現在では、下落相場に続く形になっている。

仮想通貨(ブロックチェーン)関連株

仮想通貨(ブロックチェーン)関連銘柄

貿易問題に関する米中関係の改善期待などから、日経平均株価は微反発。

仮想通貨(ブロックチェーン)関連株は、寄りから売られる展開だったが、寄り底となって一定の回復を見せている。

そんな中、大幅上昇を見せたのは、仮想通貨事業にも注力する「セレス(3696)」で、前日比9.47%で引けている。ここのところ乱高下しているものの、14日大引け後に発表した第3四半期の業績が下支えしてる状況だ。「1-9月期経常は通期計画超過、配当を6円増額」が好感されており、業績上振れを期待する買いが向かっているとされる。

CoinPostのLINE@

早くも登録者4,000名突破。スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれるLINE@です。

▶️本日の速報をチェック
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/29 金曜日
17:08
HSBC銀行がトークン化されたゴールド商品を香港で提供開始
HSBCは香港の個人投資家に向けて、オンラインバンキングとウェブサイトを通じたトークン化されたゴールド商品のアクセスを提供開始した。トークンはHSBC Orionプラットフォームで発行され、リテール向け、HSBCオンラインバンキングおよびHSBC香港モバイルアプリを通じて提供される。
15:30
Filecoinステーキング大手、Glifがポイントプログラム開始
暗号資産(仮想通貨)ファイルコイン(FIL)の、ステーキング・プロトコルGlifがポイントプログラムを開始した。FILトークン保有者は流動性プールにFILを預けることで、Glifのネイティブ・リキッド・リース・トークンである「iFIL」を受け取り、運用できる。
14:34
イーサリアム共同創設者ブテリン氏、Dencun後の改善点を語る
仮想通貨イーサリアムの共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏は、Dencunが完了した今後の技術的な改善点を提案した。
14:11
CoinTradeがソラナ含む4銘柄の取扱い開始、ステーキングサービスにSOL追加
暗号資産(仮想通貨)販売所CoinTradeがソラナを含む4銘柄の取り扱いを開始。ステーキングサービスにSOLを追加した。条件をクリアすることでSOLをプレゼントするキャンペーンを開催中。ジパングコイン(ZPG)など三井物産デジタルコモディティーズも新規で取り扱う。
12:55
日本DAO協会4月1日に立ち上げ 府令改正も同日公布
日本DAO協会が4月1日に設立される。DAOの自主規制や健全なエコシステムづくりを推進していくもので、協会自体の運営もDAOで行う計画だ。
12:24
ビットコイン7万ドル台で高止まり、ブラックロックの新規ファンド好調でRWA関連銘柄買われる
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが7万ドル台新高値をうかがう展開。アルト相場ではブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」絶好調の影響で、ONDOなどのRWA関連銘柄が買われた。
11:30
Googleサーチ、ビットコインやArbitrumなどのアドレスで資産残高を確認可能に
全ての資産を表示するわけではなく、残高は各ネットワークのネイティブトークン(ETHやARB、OPなど)のみを表示。
10:50
5月のローンチ目指す、香港でビットコイン現物ETF申請のVSFG
仮に香港で承認された場合、アジア初の事例となり、今後日本でのビットコインETF上場や発行にも追い風になりうるとみられる。
10:00
FTXのサム前CEOに懲役25年の判決 カリフォルニアで服役へ
米国地方裁判所の判事は28日、破綻した仮想通貨取引所FTXのサム前CEOに対して懲役25年、および最大1.7兆円の資産没収という判決を言い渡した。
08:40
2.6兆円相当のBTC保有数到達、ブラックロックのビットコイン現物ETF
純流入再び加速 ブラックロックのIBIT・ビットコイン現物ETFの運用資産は初めて、250,000 BTC(2.6兆円)を超えた。1月11日の取引開始からわずか11週間で2兆円…
08:10
Wormholeの仮想通貨「W」、取得開始日明かす
Wormholeは、今月7日に、Wトークンのエアドロップアロケーションや適合対象アドレスを公開。ソラナ、EVM系、Sui、Aptos、Osmosis、Injectiveといったネットワークでのユーザーや、ソラナNo.1NFTコレクションである「Mad Lads」のホルダーを対象としている。
07:40
米投資会社、マイクロストラテジーの株はBTCより割高と指摘
マイクロストラテジーの株価から概算する仮想通貨ビットコインの価格は17万ドル超であると米ケリスデールが分析。同社の株は、ビットコインに対し正当ではないプレミアムがついて取引されているとの見方を示した。
07:20
アバランチ財団「Codebase」、最初の支援プロジェクト15社を選出
アバランチではすでに「Colony Lab」という分散型アクセラレーターが活動しているが、今回Codebaseと連携し支援対象への資金提供を拡大し、1プロジェクトにつき、100万ドルを超える金額を提供する可能性がある。
06:45
5月承認の可能性低いもBitwiseらがイーサリアム現物ETFの上場申請行う
イーサリアムETFが現在の多くの申請の最終期限となる5月に承認される見込みは、SECがイーサリアム財団を調査しているとの報道などを受け大幅に後退している。1月には70%あったが、現在は20%程度まで低下してきた模様だ。
05:50
Bybit、ソラナミームコイン「POPCAT」の永久先物提供
ソラナの仮想通貨ミームコインへの需要は未だ高い。代表的な犬系ミームコイン「WIF」は29日過去最高値を更新し、前日比で20%上昇している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
2024/04/13 10:00 ~ 17:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧