ビットコイン安値水準脱せず 年末相場「4つの懸念材料」|仮想通貨市況

仮想通貨市場
年末まで1ヶ月を切る中で、ビットコイン価格は依然安値水準である。本記事では、現在の状況を踏まえた上で、年末に向け相場の懸念材料として挙がる「4点」を掲載した。

仮想通貨市場

仮想通貨市場は、ビットコインが断続的な重要ライン抜けで下落、20時時点では一時リバウンドが見られるも、依然弱気相場を抜けきれずにいれるが、下落相場時には見られなかった特定アルトコインのファンダメンタルズ要因に基づく価格上昇も確認され始めている。

特にアルトコインでは、仮想通貨大手取引所Binance同社独自トークンBNBの利用先として、グローバルなホテル予約専門ブロックチェーン企業Tripio(トリピオ)の予約対象仮想通貨に採用された。

Tripioは、日本や米国、中国や欧州などの国や地域における45万軒以上のホテル宿泊の予約と前払いの決済に特化したホテル予約専門でもあり、仮想通貨利用による実需性が向上したことになる。

やはり、ユーティリティトークンを中心に実需の必要性は極めて重要であり、BNBは自社取引所主体で利用されるだけでなく、世界的に展開を図るBinanceがある面で、実需性では特筆している。

まだまだ市場全体の動きに伴い、アルトコインは厳しい面が続いているが、企業の動きも活発になる背景を含め、日の目を見るアルトコインも出てくるのではないだろうか。

ビットコイン相場の懸念材料4選

しかし、業界全体の動きはまだまだ下落の流れにのまれている状況にある。

安値水準で推移するビットコイン価格は上昇が期待されている形ではあるが、ここ数日を焦点に当て、年末に向けた動きとして厳しい懸念材料が4つ挙げられる。

1.51%攻撃再び PoW懸念高まる

2.マイニング損益分岐点割れ マイナーの売却懸念

3.年末税制売り圧力(韓国相場に注意)

4.日経平均急落

51%攻撃再び PoW懸念高まる

位時価総額200位にランクインする仮想通貨Vertcoin(VTC)のブロックチェーン上で22回に渡るチェーン再編が行われ、総額10万ドル(約1130万円)分の二重支払いが行われていた事が発覚した。

(なお調査は現在も進んでいる為、情報は本稿執筆時点)

51%攻撃とは

51%攻撃とは、悪意のある特定のグループがハッシュレートの51%を支配することで、不当な取引を行うこと。攻撃対象となるのは「Proof of Work(PoW)」と呼ばれる、ビットコインも採用するアルゴリズムを採用する仮想通貨。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

VTCの二重支払いは51%攻撃によるもので、現在判明している事例では以下の日程でブロックチェーンが改竄されていた事が判明している。

  • 10月12〜18日
  • 10月27、28日
  • 11月3日
  • 11月29日〜現在

これらの二重支払いが生じていることは51%攻撃が成功している事を指しており、今年だけでもVTCの他にもビットコインゴールド(BTG)、バージ(XVG)、モナコイン (MONA)等でも同様な攻撃が発見されているが、当時PoWの問題露呈から、価格急落に繋がった。

またこのような攻撃の格好な標的として着眼されるのが、膨大な量の仮想通貨を保有する仮想通貨取引所である。

これは、仮想通貨取引所では即座に異なる通貨へ換金し新しい通貨を取引所から出金して攻撃した通貨の取引をやり直すことができるからだ。

また、現相場の下落要因として、ビットコインキャッシュのコミュニティ分裂で懸念されたPoWアルゴリズム化のマイナー集権性の問題があったばかりだ。このタイミングで51%攻撃が続いていることは、相場の懸念材料となりかねない。

ビットコインのマイニング停止続く

ビットコイン下落に伴い、収益率が維持できていない、特に中小マイニング業者が撤退を余儀なくされている実態は度々報じられてきたが、実際に年初から右肩上がりに伸びてきたビットコインハッシュレートが急激に減少、ビットコインの採掘難易度、ハッシュレート共に15%低下した。

出典:blockchain.info

採掘難易度の低下幅は、今までで2番目の大きさは過去2番目となり、XDEXのチーフアナリストFernando Ulrich氏もツイッター上で、今回の状況について言及した。

11月半ばから800,000以上のマイニングマシンが撤去されたことを報じていたが、すでにその時点からも20%以上の安値水準にあり、自体は深刻だ。

実際に9月時点でマイニングマシン毎の収益分岐率(収益が維持できるライン)を掲載したマイニングプール「F2pool」のMao Shixing氏のツイートを引用して考察すると、S7やS9を含むAntminerだけでなく、高い収益性を保っていたイノシリコン「T2」の26636元(現在レート:439374円、3895米ドル)さえ、現在のビットコイン価格が下回っている状況にある。

www.weibo.com

この収益分岐率を掲載した時点では、1BTC=6000ドルを上回る水準で推移していたが、すでにこの一覧表の条件下では、すべてのマイニングマシンがマイナス収益で動いている事が明らかになった。

今回の動きとして、マイニング収益に直結するマイニングマシン性能やデフィカルティ(競争率)の他に、投資コストとしてのマシン購入代、土地代、電気代で差がでる事になるが、マシンを自社供給または格安購入ができ、電気代の優位な土地へ移動が可能となる潤沢な資金がある大手マイナー優位の状況に変化しつつあることを意味する(中小撤退によるデフェィカルティ低下も含め)。

相場への下落懸念としては、マイニング業者撤退による、企業が保有する通貨の売却懸念だ。

収益分岐率が厳しい状況に追い込まれているため、買い支えられるとの見方もあるが、下落相場の中でマイニングシステムを維持する企業や、撤退する企業による通貨売却は、懸念材料として挙がっている。

年末税制売り圧力(韓国相場に注意)

12月に入り年末の税金確定まで1月を切った状況で、日本政府、ビットコイン取引など仮想通貨税に関する新制度作成に乗り出した事が明らかになった

国税当局が、仮想通貨取引所に対して「住所・氏名やマイナンバーなどの個人情報」照会を可能とする仕組みを整え、19年度「与党税制改正大綱」に盛り込む方針で、年間所得1000万円超の取引者が対象となる。

この新制度作成は、現在最大税率が55%の雑所得を変更するというものではなく、悪質な申告漏れを防ぐ狙いである点に注目だ。

また課税関連で注目すべきは、昨年の高騰相場を演出した韓国市場の影響だ。

韓国は2017年末時点では、仮想通貨の収益に関して非課税であるという報道が行われていたが、税務当局による国税行政改革委員会で仮想通貨課税基準が制定、2019年から仮想通貨課税が実施される予定である。

単純に年末で損益確定をする動きが高まることが予想される中で、仮想通貨に馴染みが深い韓国が来年より課税を回避する、売りが相次ぐとの懸念が出てきている。

日経平均急落<

最後に挙げる点は、相場の動きを伺う仮想通貨に、負の相関性(連動性)が強い日経平均の大幅下落だ。

米中貿易摩擦における追加制裁の保留で上昇基調も期待された日経平均株価だが、依然として不透明感が解消できないとして、前営業日比538.71円、2.39%の大幅下落で、

ほぼ安値引けとなった。

直近1週間で約1000円幅上昇していたことによる利確売りに加え、海外ヘッジファンドの先物売り浴びせも観測されているようだ。

これに伴い、仮想通貨(ブロックチェーン)関連株も全面安。マネックスグループ(8698)が、前日までの上昇幅を打ち消す形で-5.12%と下げ足を強めたほか、REMIXやメタップスなども軒並み売られている。

マネックスグループは、今年4月に仮想通貨取引所「コインチェック」をグループ入りさせたことで思惑買いが殺到して急騰していたが、仮想通貨交換業者で不正流出が起こるなど問題が立て続けに起きるなどして正規交換業者への「業務改善命令」も相次いだ。

その影響もあり、金融庁の認可が一向に下りず、ビットコイン価格の底値割れや株式市場の暴落など市況の悪化に伴い、投資家の期待感が徐々に剥離した結果、急騰前水準となる400円台前半まで価格を戻している。

2019年年初は盛り上がりに期待

年末に向けた動きは消極的ではある仮想通貨市場だが、2019年の年初を期待する声は大きい。

これまで秘匿性の特性を悪利用していた層からの需要減などが危惧される形で、相場下落の一因になった各国の法規制だが、逆にルール整備が進む事で、業界参入企業が大きく増加した一年にもなった。

特に大手金融機関の動きは活発であり、Bakktやフィデリティに続き、ナスダックのBTC先物も2019年の1月から3月(米Q1)に控えている。

第1四半期(日本では第2四半期:1月から3月)における重要な動きをまとめると以下の通りになる。

19年1月24日:Bakkt(NY証券取引所親会社ICE)のビットコイン先物

19年第1四半期:idelity Digital Asset(世界有数の資産運用企業)の仮想通貨取引プラットフォーム、カストディ

19年第1四半期:ナスダック(世界2位証券取引所)のビットコイン先物

19年2月:VanEck版CboeビットコインETF最終期限

このような企業の動きも背景に、年末を終えるた後の2019年年初には、期待する声も高まっているといえるだろう。

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