CoinPostで今最も読まれています

SEC共同ディレクター、ハーバード大で「国際的な仮想通貨関連規制」の必要性を主張

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

国際的なICO規制の必要性
12月3日に、SEC共同ディレクターを務めるPeikin氏は、ICO分野が各国の規制では対処しきれないほど肥大化し、国際化していることから、国際的な協力が必要であると述べた。
検討される規制枠組み
G20や欧州連合など、様々な場所で仮想通貨規制が議論され、アメリカ、カナダ間でCrypto Sweepなども行われているが、未だ世界的な規制枠組みの制定には至っていない。

国際的なICO規制の必要性

12月3日にアメリカ証券取引員会(SEC)で監視部の共同ディレクターを務めるSteven Peikin氏(以下、Peikin氏)が、ハーバード法科大学院で仮想通貨業界への自身の見解を述べた。

その中でも特に注目されたのが、ICO規制に対する指摘だ。

Peikin氏は、2016年にICOで調達された資金は、わずか1億ドル(約113億円)ほどであったのに対し、2018年にはその額が220億ドル(約2.5兆円)ほどにまで膨れ上がっていると主張。その高まりに伴って詐欺まがいのプロジェクトも非常に多くなってきていることを指摘した。

ICO市場の急激な成長に目を奪われ、投資家たちは投資対象がハイリスクであることを忘れてしまう傾向があり、詐欺に該当するようなプロジェクトに投資してしまっている。

そして、その詐欺まがいなプロジェクトも含むICOは、金融、トレード、Eコマース、ゲーム、広告、輸送、SNSなど多岐分野に渡り、もはやアメリカ国内だけでなく、世界中の国々から投資家が参加していることを強調した。

さらに、これら詐欺的プロジェクトに加え、ICO業界では証券に定義されるにも関わらず、認可を受けていない未登録証券を販売するプロジェクトが多く存在していることを問題点として挙げた。

この現状を受け、Peikin氏は以下のようにコメントしている。

「この分野において、適切な監視、必要に応じて委員会の法的措置を行うには、国際的な協力が必要不可欠だ。」

このように、ICOも含む仮想通貨は、国境を超えて使用(参加)することができ、管理者のいない非中央集権的特徴を持つ場合が多いことから、もはや1カ国の規制では対処できず、国際的な協力のみがこれら問題の解決策であると記述された。

検討される規制枠組み

実際、この”仮想通貨規制における国際協力の必要性”は、Peikin氏だけでなく、以下のような様々な国、または重要機関の重役達が指摘していた。

  • ホワイトハウスのサイバーセキュリティコーディネーターを務めたRob Joyce氏
  • 国際通貨基金(IMF)のGerry Rice氏
  • ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)代表のFelix Hufel氏
  • 韓国金融監督院(FSS)代表Yoon Suk-heun氏
  • カザフスタン首相Nursultan Nazarbayev氏

国際的な協力として、注目されているのがG20会議であったが、明確な規制枠組みが定義されたとは言い難い。欧州連合でも、今年9月にその加盟国28カ国の財務大臣が集結し、話し合いの場が設けられたが、具体的な規制はまだ先だ。

現時点で、複数国家間で注目されている取り組みは、アメリカとカナダの40以上の規制機関が共同で仮想通貨詐欺の対処を試みているOperation Crypto Sweepだろう。しかし、この取り組みも現時点では2カ国間だけのものであり、世界的な協力には至っていない。

一方アメリカでは、米下院議員のWarren Davidson氏が、今月12月に証券ではなくトークンとしての新たな”資産クラス”を定義し、政府がICOを適切に規制できるような法案を提出し、起業家が新たな資金調達方法として選択できるように促した。

さらに今年10月には、SECがICO関連のスタートアップに特化した新しい部署も立ち上げており、その翌月11月には、AirfoxとParagonという2つのICOプロジェクトがSECによって未登録証券であると定義され、民事調停が行われている。

このように、世界的に共通する仮想通貨規制枠組みには至っていないが、各国、または各地域にて、仮想通貨やICOに対する規制の透明性が高まり、積極的な規制措置が執り行われてきていることは、市場にとってポジティブな変化であると言えるだろう。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者7,000名突破。

CoinPostの関連記事

最有力ビットコインETFの申請企業が再度米SECにプレゼン|新たな角度から市場の成熟度を強調
最有力視されているビットコインETFを申請中のVanEck社が米SECに対し、新たな観点から、その承認の妥当性をプレゼンにて立証したと、SECの公式文書により判明した。
ICOなどの仮想通貨規制に対し、「金商法」ベースに検討|金融庁 第10回 仮想通貨研究会
仮想通貨規制に関する第10回討議では、配当を出すICOなどに関して金融商品として扱い、有価証券同様「金融商品取引法」に基づく登録制の導入や、プロの適格投資家に対象を限定する案を検討した。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。
06:00
コインベース、ソラナミームコイン「WIF」の永久先物提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベース(およびインターナショナル取引所)は19日、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧