CoinPostで今最も読まれています

韓国の政府や金融機関に仮想通貨支援要請 取引所5社と政府間初の公式会合が実現

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

韓国企業、政府や金融機関に仮想通貨関連の支援要請
韓国最大規模を誇る仮想通貨取引所5社と韓国政府間で同国初の公式な会合が開催。米トレーディング企業DRW韓国支部CEOは、韓国おける仮想通貨産業の発展に政府および地方の金融機関の理解や支援が欠かせない点を強調し、仮想通貨関連の支援要請を行なった。

韓国企業、政府や金融機関に仮想通貨関連の支援要請

韓国最大規模を誇る仮想通貨取引所5社と韓国政府間で同国初の公式な会合が開催され、様々な議論が交わされた。

同会合にて、米トレーディング企業DRWの仮想通貨部門であるカンバーランドの韓国支部ホン・ジュンギ最高経営責任者(CEO)は、自国における仮想通貨産業の発展に政府および地方の金融機関の理解や支援が欠かせない点を強調した。

ジュンギCEOは「ナスダックやフィデリティ、世界最大規模の国際コングロマリットが仮想通貨関連のインフラ強化に取り組んでいることを、韓国政府と地方の金融機関は認識すべき」と発言。韓国の政府および金融機関に、米国の前向きな努力とオープンマインドを手本にするよう呼びかけた。

2017年12月、仮想通貨市場の熱狂を懸念した韓国政府は、ICOのみならず未成年および外国人による国内での取引、仮想通貨取引を目的とする銀行口座の開設を禁じたほか、仮想通貨で得た利益に対する課税法案など、あらゆる手段を講じて規制強化に乗りだしている。一時は全仮想通貨取引所の閉鎖も検討されてるほど、圧力は増していた格好だ。

しかし2018年に入りICO合法案が提出されたのを機に、10月には韓国与党民主党議員のミン委員長が「規制は必要だが、ドアが完全に閉ざされるようなことがあってはならない」とICOの合法化を求める発言。続いてホン・ナムギ国務調整室長が「ブロックチェーン技術を積極的に育成する」という政府の方針を明らかにするなど、法整備は整えるものの、仮想通貨に対する厳しい姿勢には、緩和する動きが急速に進んでいる。

ジュンギCEOの発言からは、こうした潮流をさらにポジティブな方向へと引導して行く力強さが感じられる。

同氏は自身が1993年、デリバティブの専門家として韓国にやって来た当初、政府や地元の市場が「デリバティブを危険かつ危険な投機手段」と見なした過去を指摘。そうした逆風に怯むことなく、20年が経過した現在、韓国は海外市場に進出する目的で債券やデリバティブを発行している事実と照らし合わせている。「韓国の金融機関は真剣にクリプト市場を考慮し、政府は金融機関が仮想通貨投資家にサービスを提供するよう促す必要がある」と呼びかけた。

規制環境強化・仮想通貨産業の発展に積極的な米国

米国では米国商品先物取引委員会(CFTC)が比較的早期から先物市場における仮想通貨の可能性を認識していたほか、現在は証券取引委員会(SEC)が「仮想通貨ICO規制ガイダンス」を準備中など、成長を促進する為の規制環境整備が積極的に進められている。

こうしたポジティブな流れを受け、世界最大の新興企業向け株式市場であるナスダックやBakktやフィデリティといった大手が続々と仮想通貨市場への参入を発表。

ナスダックは2019年にビットコインの先物取引を開始予定。同じくビットコインの先物取引を年内に予定していたBakktは、顧客のオンボーディング準備などの理由で開始を延期しているものの、順調に物事が運べば2019年1月にはゴーサインが出る。資産運用大手のフィデリティは2019年Q1に「機関投資家向け仮想通貨取引デスク」の設立を予定しており、ビットコインやイーサリアムに加えリップル(XRP)を取り扱う可能性が報じられている。

こうした流れは、低迷中の仮想通貨市場を一転させる可能性を秘めている。

日本もネガティブなイメージ払しょくに向け前進

日本では金融庁が自主規制団体を認可。資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)第87条に基づく「一般社団法人 日本仮想通貨交換業協会」を、認定資金決済事業者協会として認定したことを発表した。日本仮想通貨交換業協会はSBIバーチャル・カレンシーズやGMOコイン、bitFlyerを含む16の仮想通貨取引所で構成されている。

仮想通貨交換業協会の「自主規制原案」によると、オンライン環境で利用者から預かった仮想通貨の秘密鍵の管理について、サイバー攻撃による秘密鍵の喪失リスクを評価したうえで、当該リスクに見合った額を銀行預金や国債、地方債などの安全資産で保有するよう義務付けるなど、仮想通貨をめぐるネガティブなイメージ払しょくに向け積極的な取り組みがなされている。

またSBIの仮想通貨取引所VCTRADEが仮想通貨ウォレットの開発に着手。自社のセキュリティ改善に役立てる意図で、デンマークを拠点とするSepiorが開発した”Threshold-Sig Wallet”技術を活用している。この技術は、複数の秘密鍵を複数の参加者が所有するMulti-Sigとは異なり、単体の秘密鍵を分割して複数の参加者が所有するThreshold Signature(閾値署名)を用いたものだ。こうした取り組みはハッキング防止対策として非常に重要な意味をもつ。

「国際仮想通貨市場はセキュリティトークンへと迅速に移行するだろう。ベンチャーキャピタル、ヘッジファンド、スポーツチーム、不動産、アートワーク、およびさまざまな種類の資産がブロックチェーン上でトークン化される。グローバル金融機関は、既存の資産をトークン化およびデジタル化するというビジョンをもって仮想通貨市場に参入しており、イニシアチブを拡大している」というジュンギCEOの予言が現実となる日が、刻々と近付いているのかも知れない。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

金融庁認定後初となる大きな動き 仮想通貨取引所が自主規制案に基づく「取引ルール変更」を実施
金融庁公認の規制団体JVCEAが定めたレバレッジに関する自主規制案に基づき、正規仮想通貨交換業者「DMM Bitcoin」が新たな取引ルールを適用する。今後の自主規制ルールによって日本の取引所がどのように変化するか、注目すべき自主規制案をまとめた。
金融庁、投資家保護のためICO投資を制限:金商法を改正か
金融庁が、投資家保護のためICO規制に取り組む姿勢を見せた。1日に時事通信社は、金融庁が独自通貨を販売する事業者に登録を義務付ける方針であると報道した。同局は、投資家保護を図るべく、新たにICOを行う事業者に対し登録制を設ける方針で、来年の通常国会に金融商品取引法、資金決済法の改正案の提出を目指す。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者7,000名突破。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。
14:00
「ビットコイン半減期は年単位で見れば価格に大きなインパクト」Bitwise分析
Bitwiseは今後の価格についてビットコイン半減期の長期的な影響は過小評価されていると述べた。一方、ゴールドマン・サックスはマクロ経済情況も重要と分析している。
12:00
RWA分散型金融Centrifuge、23億円調達
Centrifugeは新たな資金を利用し、Baseチェーン上に構築され、Coinbase Verificationと統合されたRWA向けの機関投資家グレードの融資市場の構築に取り組んでいく。
10:50
分散型決済Slash Payment、エアドロップ第一弾の詳細発表
仮想通貨決済サービス「Slash Payments」は、独自トークンSVLエアドロップ第一弾の詳細を発表した.。SlashのNFT保有者などが対象となる。
08:15
Roninチェーンが初のWeb2ゲームIP導入、韓国の「Ragnarok」
「Ragnarok: Monster World」は、Ragnarokが出すWeb3戦略ゲームで、タワーディフェンスとモンスター収集の要素を組み合わせたこのゲームだ。プレイヤーは「Ragmons」を集めたり、PvPモードで戦ったり、ギルドを作ったりできる。
07:15
「4月末までにブラックロックのビットコインETFがGBTCを追い抜く可能性」アナリスト予想
仮想通貨ビットコインのETFについて、4月末までにはブラックロックのIBITがGBTCを追い抜くとブルームバーグのアナリストが予想。両ETFの差は確実に狭まってきている。
06:30
ワールドコイン、独自のレイヤー2「World Chain」発表
ワールドIDを持ち人間であることが確認されたユーザーは、ボットよりも優先的に仮想通貨のブロックスペースを利用でき、無料のガスも利用できる。
06:00
TikTok関連企業BytePlus、Suiブロックチェーンを採用
BytePlusとの提携のほか、Sui財団がリアル・ワールド・アート・トークン化(RWArt)の先駆である「Artfi」に投資を行ったことも発表された。
04/17 水曜日
17:30
Polyhedra Networkがグーグル・クラウドと提携 ゼロ知識インフラ「Proof Cloud」を発表
Polyhedra NetworkがGoogle Cloudと提携し、ZK-as-a-service「Proof Cloud」を発表。ゼロ知識証明の生成を簡略化し、個別要件に最適なインフラストラクチャを提供する。Google Cloudは、AIの品質管理に関する機械学習機能を強化するため、ゼロ知識技術を活用するためにPolyhedraと協力する方針だ。
17:29
HashPalette『THE LAND エルフの森』と『EXPO 2025 デジタルウォレット』のコラボ企画発表
メタバース型ファーミングブロックチェーンゲーム『THE LAND エルフの森』と『EXPO 2025 デジタルウォレット』のコラボ企画が2024年4月24日に開始。特別な釣りイベントで万博チケットを獲得するチャンス!NFT関連事業を手掛けるHashPaletteが開催。
16:16
コインチェックTVCMを5月に放映開始、稲垣吾郎と鈴木もぐら出演
コインチェックが新CM「コインチェッくん篇」を、半減期後となる2024年5月から放映開始。稲垣吾郎と鈴木もぐらが出演。暗号資産(仮想通貨)「ビットコイン買うならコインチェック」と訴求する。過去のCMからの一貫性にも注目だ。
12:18
ビットコイン推移は正念場、足元のETF需要は伸び悩む
イランとイスラエルを巡る中東情勢不安が株やビットコイン市場に重くのし掛かる中、6万ドルのサポートライン上で際どく推移するBTC価格。ビットコインETFへの資金流入は、過去4週間にわたって減少傾向にある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧