CoinPostで今最も読まれています

米ユニコーン仮想通貨VCファンド:SECのスタンスはポートフォリオ25%のICOに影響しうる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Pantera Capital社CEO:SECのスタンスが技術的発展を妨げうる
仮想通貨特化型ベンチャーキャピタルPantera Capital社のCEOは、米SECのICOに対する厳格なスタンスが、投資先25%プロジェクトの一部に影響を及ぼしうると言及。規制により技術的発展を妨げるべきではないとの主張を展開した。

Pantera Capital社の懸念点

米有力誌Bloomberg が、仮想通貨・ブロックチェーン系企業を中心に投資を行う数億ドルのベンチャーキャピタルPantera Capital社のCEOを務めるDan Morehead氏は、同社が投資している大半のプロジェクトは、米証券取引委員会(SEC)のICOに対する厳格なスタンスの影響を受けないだろうとの見解を示したと、報じた。

一方で、投資先一部の仮想通貨・トークンはSECのスタンス・取り締まりが影響を及ぼしうるとも案じている。

同氏はそれに関して、以下のように述べている。

我々のポートフォリオの大半は影響を受けないと考えているが、投資ファンドにある約25%を、流動性のあるトークンを販売しているプロジェクトで占め、また、これらのプロジェクトは有価証券登録の免除対象にはなっていない。

仮にこれらプロジェクトが有価証券と判断されれば、SECのスタンスが大きな影響を及ぼすだろう。

続けて同氏は、こうも述べている。

有価証券と見なされうる投資先プロジェクトのうち、3分の1(ポートフォリオの約10%)は、開発が順調に進んでおり、実用的なものだ。

今以上の技術的進捗がなくても、プロジェクトを続けることは可能だが、技術発展が途絶えると、本当のプロジェクト目標達成への道を遮ることになる。

このように同氏は、SECが行き過ぎた規制・取り締まりを実行すれば、技術の革新を妨げることになるため、ブロックチェーン技術などの将来性を考慮した上で規制をすべきだとの主張を展開した。

Morehead氏の懸念していることは、先月SECが二つのICOプロジェクトに対し有価証券登録および罰金・投資家への全額返金を課した取り締まり事例に関係しているとされている。

CoinPost関連記事

米SECが2つの仮想通貨を未登録証券と判断|有価証券問題と専門家の意見
米SECは、米時間金曜日、2つのICOプロジェクトに対する告訴にて、ICOトークンを未登録証券とみなし、投資家への返金、証券登録および罰金を課したと発表した。これは、ICOの有価証券問題における取り締まりの重要な事例となるとされている。今回もこの問題の重要性と、法律家を含む専門家の意見を引用し、今後仮想通貨業界への影響を考察した。

ちなみに同社のポートフォリオは、以下のように構成されている。

出典:PANTERA公式サイト

主な投資先ベンチャー企業(一部抜粋)

  • Bakkt
  • Brave
  • ABRA
  • Circle
  • Chronicle
  • Ripple
  • Zcash

出典:PANTERA公式サイト

主な投資先ICOプロジェクト(一部抜粋)

  • 0x Protocol
  • Bloom
  • Data
  • Enigma
  • ICON
  • Kyber
  • Omisego
  • Polkadot

SECの態度に関して

コインポストで報道した様に、米SEC長官のJay Clayton氏は「バランスの取れた規制をすべきだ」との態度を示している。

Clayton氏は、先日開かれた公聴会にて以下のような旨を述べている。

  • ブロックチェーン・DLT技術が資産の形成を促進できると楽観視している
  • 仮想通貨やICO販売について非常に注意深く見守っており、多くの労力を費やしてきた
  • 機関投資家・個人投資家にとって、同技術は将来性のある投資だ
  • 技術革新と投資家保護が並行するバランスの取れた規制手段を取ってきた

出典:SEC

またClayton長官は、12月6日に行なった年末スピーチにて、ICOを企業の有効な資金調達方法と認めながら、有価証券販売に該当すれば証券法に遵守しなくてはならないとも指摘した。

さらに昨日、SECの仮想通貨部門の責任者Valerie A.Szczepanik氏はICOトークンに関して、『ノー・アクション通知』という認定状を得て、SECの証券登録から免除されることは少なからず可能と言及し、長期的かつ正当なICOは今度も米国市場を対象とする可能性は高いと、ポジティブなスタンスを見せた。

このように、米国の金融分野だけでなく、世界中でも注目されている、大きな影響力を持つSECのトップがブロックチェーン業界に可能性を感じていると言及し、仮想通貨分野の方針・規制の明確化に向けて取り組んでいることは長期的考えると、ポジティブな傾向であると言えるだろう。

しかし、Panteraのようなユニコーン投資ファンドの案じていることから、既存の様々ICOプロジェクトの開発陣も同じ様に懸念しているのではないかと予想されているだろう。

実際、今後SECがどのようにケースバイケースで取り締まり措置を取るか、極めて重要な動きとなると言える。

▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者7,000名突破。

CoinPostの関連記事

米SECの仮想通貨専門部門責任者「有価証券の登録免除申請」に関して初言及|新たな可能性が浮上
米国SECの仮想通貨専門シニアアドバイザーを務めるValerie A.Szczepanik氏がICOトークンに関して、『ノー・アクション通知』という認定状を得て、SECの証券登録から免除されることは少なからず可能と言及した。
米有識弁護士が解説:SECがICOに対する「法的執行」を総括、第二段階に突入
仮想通貨界隈の法律アナリストとしてSNS上で信頼される米国弁護士Jake Chervinsky氏は先日SECが2つのICOに対する法的和解を受け、「ガイダンス段階」が終わり、「業界の清掃」という第二段階を始めようとしているではないかと分析している。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
08:15
zkSync基盤のWeb3ゲーム企業Tevaera、野村などから7.7億円調達
TevaeraはzkSync上でレイヤー3のゲームチェーンを立ち上げる予定で、年内に200万人のプレイヤーと12人のゲーム開発企業をTevaeraエコシステムに参加させようとしている。
07:00
ジャック・ドーシー率いるBlock、店舗売上をビットコインに変換へ
新たに導入する予定の機能は「Bitcoin Conversions」というもので、Cash Appのアカウントを持つSquareのユーザーは、店舗収益の最大10%を仮想通貨ビットコインで受け取ることができるようになる。
06:10
米司法省、バイナンス創業者CZ氏に懲役36ヶ月求刑
仮想通貨取引所バイナンスの元CEOのCZ氏は自分の「不適切な決断」を謝罪し、自分の行動の全責任を受け入れる内容の手紙を2月に提出した判事へ提出したことが明らかになった。
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。
14:35
米ブロックチェーン協会ら、仮想通貨業界の声をまとめSECを提訴
米ブロックチェーン協会とテキサス州暗号資産自由同盟は、米証券取引委員会が新たに制定したディーラー規則の阻止を求めて、SECを提訴した。
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
08:45
ソラナJupiter、DEXモバイルアプリ5月公開予定
既存のUltimateウォレットは5月22日から利用できなくなるため、その前に仮想通貨の一時的移転(PhantomやMagic Edenウォレット)を推奨した。
08:10
米国のイーサリアムETF上場申請、5月承認は見込み薄か
申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。
07:10
ビットコインの機能を拡充する新提案が公開
仮想通貨ビットコインのブロックチェーン上でスマートコントラクトなどを実現する開発提案がBIP-420として公開。以前から関心を集めている提案の内容が改めて説明された。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/24 11:30 ~ 13:30
その他 オンライン
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧