CoinPostで今最も読まれています

ロシア政府、米経済制裁を受け1兆円相当の予算を仮想通貨ビットコインに投じる構想|露大学教授が明かす

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ロシア政府、1兆円分のビットコイン購入を検討か|経済学者が語る
アメリカ政府からの断続的な経済制裁に対抗する手段として、ロシア政府が仮想通貨ビットコインへの分散化を図っている計画がある事が、露経済学者の言及により明らかになった。50兆円の予算を有するロシアは2月から予算の一部を仮想通貨BTC購入を検討しているとのこと。

ロシア政府、経済制裁の対抗手段として仮想通貨に目を向ける

ロシアの大学教授の仮想通貨に関する発言が界隈から注目を集めている。

ロシア最大級の大学RANEPA(Russian Presidential Academy of National Economy and Public Administration)で教授を務めるVladislav Ginko氏は9日、ロシア政府が米政府からの経済制裁を理由に100億ドル(約1兆円)をビットコインに換金する構想がある事を明かした

米国の経済制裁の影響はビットコインで軽減されるかもしれない。現在ロシアのエリート層は経済制裁を理由に、米資産や米ドルの投資をビットコインに入れ替えざるを得ない状況となっている。

ロシアの中央銀行は、4660億ドル分の資産を有しているが、将来的なリスクも考えて分散化を検討している。

Ginko氏によると、ロシア政府は総額4700億ドル(約50兆円)の資金の一部を段階的にビットコインに換金していく構想を有しており、まずは100億ドル(約1兆円)からスタートすると語っている。法定通貨の予算を仮想通貨に変えるのが目的である。

なおロシア政府からビットコインの購入に関する正式な声明は未だ発表されていない。

米政府がロシア政府に新たな経済制裁を下す2月頃からロシアはビットコインに出資する事で国家資産(予備金)の分散化を図るだろう。

Ginko氏は露政府に経済における専門家として務めながら、ロシア政府高官達にビットコインが米政府の経済制裁に最も有力な対抗策である事を説明しようと尽力していると説明している。

ロシア国家経済行政学院の経済学者である私は全力でロシア社会の様々なステークホルダーに中央銀行の資産をビットコインに投じる必要性を強調している。

露政府は仮想通貨に反対はしていない。ロシア大統領はフィンテックの導入をロシア経済の存続に重要であると言及している。

同氏は今後ロシアだけではなく、他国もビットコインに国家資産を投じて仮想通貨に分散化してくると独自の予想を語りながら、

ロシアは売られ過ぎているビットコインに投資できる素晴らしいチャンスを持っている。

とロシア政府にビットコインが参入すべきだとしている姿勢を再度強調した。

ロシア政府の動き

プーチン大統領は経済制裁に対して以下のように言及している。

ドルから離れる意図はない。むしろドルが我々から離れている。

米国は2014年からロシアに対して経済制裁を発しており、これを受けてロシア政府はプーチン政権発足当初と比較すると保有する金資産の量が3倍まで増加している事がWorld Gold Councilの発表で明らかになっている

プーチン大統領は過去にもビットコインや仮想通貨に対して言及している。 2015年にはビットコインが実在する資産に担保されていない点を大きな問題視していた事が国家の運営するメディアIRAが報じていた。

2017年に仮想通貨バブルで市場が全面的に高騰していた中、プーチン大統領は仮想通貨の匿名性や投機熱、そしてテロ組織への資金援助における可能性を批判しつつも、

我々は新技術の提供する優位性を活用していくべきだ。

もちろん不必要な規制は設けるべきではないが、国家金融システムを前進させる環境を整えるルールは必要だ。

仮想通貨市場への影響

今回のロシア政府がビットコインへ資金を投じる可能性は政府から正式な発表はされていないものの、実現すれば仮想通貨市場だけでなく国際情勢にも関与してくる。しかし仮に、ロシア政府が2月にビットコインへ100億ドル(約1兆円)分の資金をビットコインへ分散するとなると仮想通貨市場への影響は大きい。

本稿執筆時点で、ビットコインの時価総額は約6.9兆円に相当する。

出典:CoinMarketCap

1兆円のロシア政府からの資金がビットコインに投じられた場合、仮想通貨市場に大量の資金が投入するだけではなく、ロシア同様、アメリカから経済制裁を受けているイランなどの国々も後に続く可能性も指摘されている。

もしこれが実現した場合、国家レベルでの資金投入となるため、仮想通貨市場の流動性が高まるだけでなく、長期的にはビットコインのイメージ向上にもつながると考えられるだろう。

匿名通貨でアルトコインANONの創設者は以下のようにツイートした。

(これが実現すれば、ロシア政府は)ビットコインの5〜10%を保有することとなる。そして多くの国々も後を追う形で低リスクでのビットコイン市場への参入を図るだろう。

前向きに言えば、この可能性は計り知れない。仮に下落した場合、多くの人々の税金が失われる事となる。

仮にロシア政府がOTC取引でビットコインを購入した場合でも市場に与える影響は大きいと予想できる。

今後のアメリカ政府のロシアに対する経済制裁や、ロシア政府の動向が気になるところだ。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者10,000名突破。

CoinPostの関連記事

ビットコイン2度の急落で再度40万円下回る 下落要因と専門家の最新意見まとめ|仮想通貨朝市況 
ビットコインは、方向性を見定めていた動きから一変、レンジ相場をブレイクする形で2度の急落を記録し、24時間の値幅では4万6000円の暴落相場を経て、40万円をついに割った。
仮想通貨ビットコインOTC取引量はロシアとベネズエラが独占|OTC取引所データを分析
仮想通貨メディアTheBlockの独自調査分析によると、指標となるLocalBitcoinsの世界全体ビットコイン取引では主要先進国よりもロシアとベネズエラの方が大きな役割を果たしている模様だ。
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/27 月曜日
17:37
人類vsゾンビのサバイバル・ブロックチェーンゲーム「Undeads Metaverse」とは
Undeads Metaverse(アンデッドメタバース)は、ゾンビ軍と人類軍の衝突をストーリーに持つブロックチェーンゲームです。プレイヤーはゾンビ軍または人類軍に所属し、資源の収集や装備品作成を行いながら勢力を拡大していきます。
15:10
IEOを発表した国内の暗号資産取引所「coinbook」とは|口座開設キャンペーンも実施
暗号資産取引所「coinbook(コインブック)」がIEOの実施や口座開設キャンペーン等の開催を発表しました。新たに取引サービスをはじめたcoinbookの概要やサービス内容、予定されるイベントについて紹介します。
14:43
ソニー、ゲームプラットフォーム間のNFT送信に関する特許を出願
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは世界知的所有権機関にNFT関連の特許出願を行った。様々なゲームプラットフォームで使えるNFTの枠組みを申請している。
13:07
コインベースの L2「Base」、重点的に取り組むべき4分野で開発呼びかけ
米大手仮想通貨コインベースが開発を主導するイーサリアムの独自L2ネットワーク「Base」は、「開発者への要望」と題し、重点的に取り組んでもらいたい四つの分野を発表した。
12:48
米商業銀行の銀行預金、金融不安の影響で前週比13兆円減
米国の銀行預金は、3月前半の一週間で大きく減少している。一方、仮想通貨ビットコインの価格は上昇傾向にあり、特に米国の機関投資家が購入していると見られる。
12:32
ビットコイン横ばい、ハッシュレートは過去最高値の350 EH/s水準へ
ドイツ銀行株が急落するなどクレディスイスに続き金融不安が台頭する中、暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインのハッシュレート(採掘速度)が過去最高値の350 EH/s水準に達した。
09:00
「GM Radio」 次回は分散型AIプロジェクト「SingularityNET」が参加
グローバル版CoinPostによる第16回GM Radioは、3月28日の12:30からツイッタースペースで配信予定。ゲストに分散型AIプロジェクトSingularityNETを招待する。
03/26 日曜日
11:30
ビットコインは「三役好転」の示現で上昇余地ありか|bitbankアナリスト寄稿
国内大手取引所bitbankのアナリストが、9ヶ月ぶりに380万円を記録した今週のビットコインチャートを図解し今後の展望を読み解く。ビットコイン・オンチェーンデータも掲載。
11:00
週刊ニュース|米SECのコインベースへの警告に注目集まる
今週は、米仮想通貨取引所コインベースが、米SECからウェルズ通知を受け取ったニュースが最も多く読まれた。このほか、テラのDo Kwon共同創設者の追跡など、一週間分の情報をお届けする。
03/25 土曜日
17:00
金融庁、NFTの暗号資産該当性など訊ねるパブリックコメントに回答
金融庁は、各種トークンの暗号資産該当性を巡る見解や、買収された暗号資産交換業者への監督対応等に関するパブリックコメントに対して、回答を公開した。NFTをはじめ、トークンが多様化する中で、資金決済法上の暗号資産の解釈の明確化に取り組んでいる。
13:00
仮想通貨ウォレットMetaMask、EIP-4361を実装
仮想通貨の自己管理型ウォレット「MetaMask」は、EIP-4361を実装したことを発表した。Gmailなどの中央集権的なIDに代わり、自己管理型のIDとしてウォレットアドレスを使用可能になった。
12:00
米ナスダック、仮想通貨カストディサービスを間もなく開始へ
米証券取引所大手ナスダックは、2023年の第2四半期(4~6月)に、機関投資家向け仮想通貨カストディサービスの開始を目指している。ビットコインとイーサリアムの保管から始める予定だ。
11:00
米OpenAI、ChatGPTプラグイン対応開始へ
米OpenAIは、AI言語モデル「ChatGPT」にプラグイン機能の実装に向けた試験プロセスを開始したことを発表した。プラグインを使用可能になることで、最新の情報を使用するためにインターネットにアクセスできるようになる。
10:10
エルサルバドル大統領、イノベーションに免税する法案提出へ
仮想通貨ビットコインの政策を進めるエルサルバドルのブケレ大統領は、「ソフトウェアとハードウェアの技術革新」に対する税金を免除する法案を提出予定だと述べた。
09:00
ドイツ銀行株急落 米国株式市場は上昇、バイナンスのシステム障害を受けビットコイン下落
本日のNYダウは小幅に続伸し+132ドルで取引を終えた。ドイツの金融最大手ドイツ銀行の株価は一時14%急落し、金融機関への信用不安を高めた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2023/04/13 00:00 ~ 23:59
東京 神田明神ホール
2023/04/13 00:00 ~ 23:59
東京 神田明神ホール
重要指標
一覧
新着指標
一覧