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UPC国内上場から半年、「誰でも使える決済インフラをつくる」──UPCX・佐藤CMOに聞く今後の展望

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2025年3月27日、UPCXのネイティブトークンであるUPCの国内初の取り扱いが、暗号資産(仮想通貨)取引所のビットトレードで始まった。手掛けるのは、シンガポールを拠点とするUPCX-Platforms Pte. Ltd.(UPCX-Platforms社)。同社は2024年10月にUPCXのメインネットを公開している。

8月22日には、ペイクル、NTT Digitalとともに「次世代分散型決済システムの社会実装」に向けた基本合意書を締結したと発表したばかり。UPCX-Platforms社はブロックチェーンの運用を担い、ペイクルはブロックチェーンの技術情報の提供や仕様調整などを担当。NTT Digitalは金融機関や暗号資産取引所向けの実用的なユースケースに対応できるインフラ機能の提供などを担うという。

UPCXは決済と金融サービスに特化したオープンソースの高速ブロックチェーンを基盤とし、デジタル資産の発行・管理・取引を可能にする次世代金融プラットフォームである。スマートコントラクトを活用することで、信頼できる第三者を介したエスクロー決済など多様な金融機能を実装できる点が特徴だ。

決済や資産管理などを一元化する「スーパーアプリ」の実現も掲げるUPCX-Platforms社の最高マーケティング責任者(CMO)佐藤剛基氏に、テストネット公開から1年弱経った現状と今後の戦略について聞いた。

高速かつ低コストの取引とMPAの仕組み

──UPCXという独自ブロックチェーンの開発は、既存の決済システムと比べてどのような優位性をもたらすのか

佐藤氏:既存の決済システムは多くの場合、処理速度や手数料、国際送金の利便性に課題を抱えている。UPCXは、独自のハイブリッドコンセンサスアルゴリズムを採用し、スケーラビリティと互換性を重視した設計により、非常に高速かつ低コストな取引を実現している。

例えば、従来のカード決済では数%の手数料が発生するが、UPCX上では大幅に削減可能だ。さらに、既存のブロックチェーンが抱えるスピードやガス代の問題を解消し、実利用に耐えうるインフラを提供できる点が強みである。

──UPCXの特徴であるMPA(Market Pegged Asset)発行者への報酬制度はどのようなものか

佐藤氏:MPAは法定通貨や資産にペッグされたデジタル資産を発行できる仕組みだ。発行者は、そのMPAを使うユーザーが増えるほど取引手数料から報酬を得られる。このため銀行やフィンテック事業者、小売企業などが独自トークンを発行するインセンティブが生まれ、多様なユースケースの拡大につながる。

──想定する主要なユースケースについて伺いたい。店舗やECサイトでの決済、国際送金などではどのようなメリットをもたらすのか

佐藤氏:まず、店舗やEC決済では「決済スピード」と「低コスト」が大きなメリットとなる。小売事業者は高い手数料を削減でき、ユーザーはシームレスな決済体験を得ることができる。国際送金では、従来数日かかる送金を即時に行えるため、特に新興国やグローバルに展開する企業にとって大きな利点となるだろう。

将来的にはNFTやチケット、ポイントシステムなどにも応用できるため、Web3時代の多様なサービスを支える基盤になり得ると考えている。

ファイナンシャル・スマートコントラクト

──2024年10月のメインネット公開後の状況と今後のロードマップについて教えてほしい

佐藤氏:メインネット公開後は安定性とセキュリティの検証を重ねつつ、新しい機能の開発を進めている。直近では、ファイナンシャル・スマートコントラクトと呼ばれる仕組みの一部をテストネット上で公開した。

具体的には、エスクロー(第三者預託)や自動支払い、マルチシグ(複数署名認証)といった、実際のビジネスや日常決済で重要になる機能で、単なる「送金の速さ」や「手数料の安さ」だけでなく、安全性や柔軟性を伴った金融取引を可能にする。

UPCX最高マーケティング責任者(CMO)の佐藤剛基氏

また、8月22日に発表した通り、ペイクル、NTT Digitalと共同研究・協業を開始した。これまで当社は思い描く思想を形にするための機能開発を中心に進めてきたが、今回の協業によって社会実装に向けた準備が具体化し、実際のサービスやユースケースをお見せできる段階に入っていけると考えている。

ロードマップの詳細は適宜アップデートして公開していくので、引き続きWebサイトをチェックしていただきたい。

国による金融格差をなくす挑戦

──WebXに参加した狙いと自社ブースへの反響は

佐藤氏:昨年のWebXでは、UPCXの「圧倒的な高速処理性能」を体感してもらうことをテーマにしていた。多くの来場者からフィードバックを得られたことは大きな収穫だった。

今年はそこからさらに進化し、単なるスピードだけではなく、日常生活での買い物やイベント会場での支払いなど、より具体的なユースケースをイメージしながら体験してもらえるような展示を用意した。

また、昨年はプラチナスポンサーとしての参加だったが、今年はタイトルスポンサーとして、より大きな役割と責任を持って取り組んだ。最新機能の紹介だけでなく、ブースでは参加者と直接意見交換できた。

──UPCXが目指す長期的なビジョンは何か

佐藤氏:シンプルに言えば「どこにいても、誰でも使える決済インフラをつくること」。国境や産業の垣根を越え、生活に自然に溶け込む存在になりたい。

例えば、ある国では国際送金に、別の国では日常の買い物やオンライン決済に、さらに別の分野では交通やイベントチケットのような日常インフラに活用される。そうして使われ方が広がっていくイメージを持っている。

私自身、海外での生活や仕事を通して「国が違うだけで金融の便利さがまるで別物」という状況を何度も経験してきた。その差をなくし、誰もが公平に経済活動にアクセスできる世界を作りたい。それがUPCXで挑戦している最大の理由だ。

UPCXが広く普及すれば、人々は国境や手数料を気にせずに自由に取引ができるようになる。これは単に決済が便利になるという話ではなく、社会全体で「financial inclusion(金融包括)」が進んでいくことにつながると考えている。

|インタビュー:CoinDesk JAPAN広告制作チーム
|構成・文:瑞澤 圭
|撮影:多田圭佑

※当記事は、CoinDesk JAPANに掲載された広告シリーズ「Sponsored by WebX」からの転載です。

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