CoinPostで今最も読まれています

ビットコインETF最終判断の期日に係る第2の問題点「米政府閉鎖」 当日の影響を米弁護士が解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECが自動的に承認する可能性はない
米SECの内情に詳しいJake Chervinsky弁護士は、閉鎖中も必要な業務は、少数のスタッフにより行われている上に、SECがその自動承認を阻止する業務を遂行する可能性が極めて高いため、ETFが自動的に承認される可能性はないと解説。さらに、2月27日まで政府機関閉鎖が続いた場合、ビットコインETF承認の可能性は、よりゼロに近づく恐れがあるとしている。

長引く米政府機関閉鎖とVanEck版「ビットコインETF」

最有力候補として注目を集めてきた米資産運用大手VanEck社版ビットコインETF、その最終可否判断の期日が2月27日と迫っている。

これまで、米SEC(証券取引委員会)がウィンクルボス兄弟の提出したビットコインETFの申請や、その他9つのETFに対して、厳格な態度を示し、最終的には【非承認】という判断を出してきた主な懸念点として、以下のようにリストアップする。

            
  • 未熟な仮想通貨市場
  • ETFの申請企業による市場の価格操作を防止する方法の欠如。
  • ビットコインの適正な価格形成プロセス
  • ETFの現物である資産における信頼できるカストディ

それらの要素に加え、さらには長引く米政府機関閉鎖により、承認の可能性はより低くなるだろうと予想されている。

米証券取引委員会(SEC)の内情に精通している弁護士、Jake Chervinsky氏がツイッター上で発言し、閉鎖による【自動承認】が極めて低い理由を解説した。

今回の一連のツイートは、政府機関閉鎖によって、ビットコインETFは、「自動的に承認されることにつながる」という噂を否定した上で、法的見地から事実関係を明らかにし、承認の可能性に対する同氏の意見を述べるものだった。

事実1

米連邦法規により、最終判断には、政府公報に公示後240日という期限が課せられているため、政府機関が閉鎖されていようがいまいが、その法的効力に影響はなく、SECに最終判断延期という権限はない。

つまり、VanEck版ビットコインETFの最終判断期日2月27日は変更できない。

事実2

法律により、SECが2月27日の期限までに決定を下せなかった場合、ETFは自動的に承認される。

この二つの事実から、SECが、「最終期日までに判断を下さないかもしれないので、ETFは自動的に承認される」という楽観的な見方をとった一部のETF支持者の考え方に対し、Chervinsky氏は、「その可能性は極めて低い」と述べ、その理由を以下のように説明している。

まず、政府機関閉鎖の影響で、SECはその業務のほとんどを停止することを余儀なくされているものの、緊急の法執行業務、及び「秩序ある閉鎖」のための「短期間、必要な業務」は、少数のスタッフにより行われていると、 Chervinsky氏は言う。

また、SECには、何が「必要な業務」にあたるのか決定する裁量権があるが、「政府機関閉鎖による影響」を格好の理由として注目を集め、大きな論議の的となるビットコインETFの最終可否判断に対し、SECがその自動承認を阻止する業務を「必要な業務」として遂行する可能性が極めて高いと、同氏は述べている。

仮に、政府機関閉鎖が2月27日まで続いた場合でも、SECに残っている最小限度のスタッフは、ETF承認または否認する決定を下す業務を行うことになる可能性が高い。

一方で、Chervinsky氏は、もし上記のような展開にならない場合は、次のようなシナリオが考えられるという。

  • SECは既にETFを承認することを決定していたが、政府機関閉鎖中に承認の指令を発表するよりも、自動承認されることを望んだ。
  • SECは、承認拒否するための必要最小人員を抑えておくことができなかった。

1の場合なら、承認はいずれにせよ決定済みの事実であったわけだが、2の場合、承認されたビットコインETFがその法的効力を維持するのは難しいという。  自動承認は永久的効力を持つものではなく、SECは政府機関閉鎖終了後に、強制的にビットコインETFを上場廃止にすることができるという。

さらに、2月27日まで政府機関閉鎖が続いた場合、ビットコインETF承認の可能性は、よりゼロに近づく恐れがある。Chervinsky氏は、SECの政府機関閉鎖中の運営計画に関する文書を根拠に、次のように説明している。

この文書では、現在提案されている規則の変更について説明されているが、 SECは「新しい金融商品に関する登録申請の審査および承認」を中止すると述べている。つまり、政府機関閉鎖中は、SECがETFの提案を見直したり承認したりすることはないということだ。

なお、今回の政府機関閉鎖前に、SECがETF承認の決断を下していた場合は、ビットコインETFは承認されることとなるため、承認の可能性が全くないわけではない。

一方、注目されているBakktのビットコイン先物取引の審査決定に関しては、SECではなく、CFTCが決定を下すため、決定期限に関する法的規定はなく、政府機関閉鎖終了後も、しばらくは、あまり期待しないほうがいいだろうとChervinsky氏は言及した。

米国の歴史上最長(29日)となった政府機関閉鎖は、仮想通貨業界にさえ影を落としているようだ。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

米政府機関閉鎖が「ビットコインETF」と「Cboe先物決済SQ」に悪影響か、価格変動に警戒感|仮想通貨市況
●JPモルガンも警鐘を鳴らす米政府閉鎖の影響 ●イーサリアムの急落に伴うBTC推移から、意識されやすいポイント ●バイナンスコインが好調に推移 ほか
2月末発表予定のビットコインETFに関する最終判断結果 認可メドについて仮想通貨取引プラットフォーム社長が語る
ソーシャルトレーディングプラットフォームeToroのCEOであるYoni Assia氏が「ビットコインETFの承認には時間が必要となる」という見解を示した。また「5年以内にはビットコインを法定通貨や銀行の代わりに利用する国家が出てくる」とも予想している。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者10,000名突破。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。
14:00
「ビットコイン半減期は年単位で見れば価格に大きなインパクト」Bitwise分析
Bitwiseは今後の価格についてビットコイン半減期の長期的な影響は過小評価されていると述べた。一方、ゴールドマン・サックスはマクロ経済情況も重要と分析している。
12:00
RWA分散型金融Centrifuge、23億円調達
Centrifugeは新たな資金を利用し、Baseチェーン上に構築され、Coinbase Verificationと統合されたRWA向けの機関投資家グレードの融資市場の構築に取り組んでいく。
10:50
分散型決済Slash Payment、エアドロップ第一弾の詳細発表
仮想通貨決済サービス「Slash Payments」は、独自トークンSVLエアドロップ第一弾の詳細を発表した.。SlashのNFT保有者などが対象となる。
08:15
Roninチェーンが初のWeb2ゲームIP導入、韓国の「Ragnarok」
「Ragnarok: Monster World」は、Ragnarokが出すWeb3戦略ゲームで、タワーディフェンスとモンスター収集の要素を組み合わせたこのゲームだ。プレイヤーは「Ragmons」を集めたり、PvPモードで戦ったり、ギルドを作ったりできる。
07:15
「4月末までにブラックロックのビットコインETFがGBTCを追い抜く可能性」アナリスト予想
仮想通貨ビットコインのETFについて、4月末までにはブラックロックのIBITがGBTCを追い抜くとブルームバーグのアナリストが予想。両ETFの差は確実に狭まってきている。
06:30
ワールドコイン、独自のレイヤー2「World Chain」発表
ワールドIDを持ち人間であることが確認されたユーザーは、ボットよりも優先的に仮想通貨のブロックスペースを利用でき、無料のガスも利用できる。
06:00
TikTok関連企業BytePlus、Suiブロックチェーンを採用
BytePlusとの提携のほか、Sui財団がリアル・ワールド・アート・トークン化(RWArt)の先駆である「Artfi」に投資を行ったことも発表された。
04/17 水曜日
17:30
Polyhedra Networkがグーグル・クラウドと提携 ゼロ知識インフラ「Proof Cloud」を発表
Polyhedra NetworkがGoogle Cloudと提携し、ZK-as-a-service「Proof Cloud」を発表。ゼロ知識証明の生成を簡略化し、個別要件に最適なインフラストラクチャを提供する。Google Cloudは、AIの品質管理に関する機械学習機能を強化するため、ゼロ知識技術を活用するためにPolyhedraと協力する方針だ。
17:29
HashPalette『THE LAND エルフの森』と『EXPO 2025 デジタルウォレット』のコラボ企画発表
メタバース型ファーミングブロックチェーンゲーム『THE LAND エルフの森』と『EXPO 2025 デジタルウォレット』のコラボ企画が2024年4月24日に開始。特別な釣りイベントで万博チケットを獲得するチャンス!NFT関連事業を手掛けるHashPaletteが開催。
16:16
コインチェックTVCMを5月に放映開始、稲垣吾郎と鈴木もぐら出演
コインチェックが新CM「コインチェッくん篇」を、半減期後となる2024年5月から放映開始。稲垣吾郎と鈴木もぐらが出演。暗号資産(仮想通貨)「ビットコイン買うならコインチェック」と訴求する。過去のCMからの一貫性にも注目だ。
12:18
ビットコイン推移は正念場、足元のETF需要は伸び悩む
イランとイスラエルを巡る中東情勢不安が株やビットコイン市場に重くのし掛かる中、6万ドルのサポートライン上で際どく推移するBTC価格。ビットコインETFへの資金流入は、過去4週間にわたって減少傾向にある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧