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「ビットコイン市場が冷え込むリスク依然高い」Glassnode市場分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインの勢いには疲弊の徴候

オンチェーン分析企業Glassnodeは25日、最新の暗号資産(仮想通貨)市場週次レポートを発表。ビットコイン(BTC)の勢いは疲弊の兆候を見せていると分析した。

長期保有者はすでに340万BTCの利益を実現したが、ETF(上場投資信託)への流入は鈍化していると指摘する。機関投資家と保有者からの需要が再び足並みをそろえない限り、市場がさらに冷え込むリスクが依然として高いと述べた。

Glassnodeは、ビットコインは米連邦公開市場委員会(FOMC)会合主導の急騰後、調整局面に入っており、典型的な「噂で買い、事実で売る」という動きが見られると指摘した。

ボラティリティ(価格変動)については、最高値の12万4,000ドルから11万3,700ドルへのドローダウン(下落幅)は8%であり、このサイクルで以前に見られた28%の下落や、以前のサイクルの60%の下落と比較すると抑えられていると述べる。

出典:Glassnode

これは、マクロサイクル全体と各サイクル内の両方においてボラティリティが低下するという長期的なトレンドと一致していると続けた。過去4つのサイクルを重ね合わせると、現在の軌道は過去2つのサイクルとほぼ一致しているが、ピーク時のリターンが時間の経過とともに低下していることも示される。

長期保有者に焦点を当てると、今回のサイクルでは、すでに340万BTCの利益を実現し、過去のサイクルを上回っている状態だ。

また、実現時価総額は今回のサイクル(2022年~現在)ですでに6,780億ドル(約102兆円)に達しており、前回のサイクル(2018~2022年)における3,830億ドル(約57兆円)の約1.8倍に相当。市場の拡大と成熟を示している。

Glassnodeは、今回のサイクルが長期保有者による売却と、米国の現物ETFおよびビットコイン・トレジャリー企業を介した機関投資家の購入との間の綱引きによっても形作られてきたと指摘した。

ビットコイン現物ETFとは

実際にビットコインを購入し、そのビットコインを基にした信託(ETF)を株式市場で取引するもの。投資家は直接ビットコインを購入することなく、その価値に投資することが可能になる。さらにはデジタル通貨市場の成熟と認知度の向上が期待される。

ETFへの流入はこれまでのところ長期保有者の売りを相殺してきたものの、FOMC前後では、長期保有者の売却が月間12万2,000BTCに急増した一方で、ETFの純流入(7日移動平均線)は1日あたり2万6,000BTCからゼロにまで減少。売り圧力の増大と機関投資家の需要減退が重なり、脆弱な状況が生まれた。

関連:ビットコイン大規模清算後のリバウンドは一時的か、予断許さぬ状況続く

特に、現物市場ではFOMC後の売り圧力の高まりにより、強制清算と流動性の低さがビットコインの下落を加速させ、取引量が急増した。

また、先物市場ではビットコインが11万3,000ドルを下回ったことで、建玉が448億ドルから427億ドルに急減した。レバレッジのかかったロングポジションが一掃され、下落圧力が強まった形だ。一方で、過剰なレバレッジを解消し、デリバティブ市場のバランスを取り戻すのに役立っている。

オプション市場では、スキュー(プットとコールの需要の差)が急上昇し、下落リスクが織り込まれた。

Glassnodeによると、現在は売り圧力を受けて、プット(売る権利)の側が利益を確定し、他のトレーダーが割安なコール(買う権利)にシフトしたため、プット/コールの出来高比率は低下傾向にある。

短期および中期オプションは依然としてプットの割合が多く、下落リスクに対して防御するポジションが、上昇リスクに備えるものに比べて割高になっている状況だ。

Glassnodeは、以上のようなシグナルは市場の燃料切れを示唆しており、価格変動は流動性に左右されやすくなっていると分析している。

関連:ビットコイン急落、米株・金が最高値圏のなか独歩安、トレジャリー企業とステーブル増発に限界感|仮想NISHI

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