はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

今週のビットコインは反落推移、FRB慎重姿勢で利下げ観測後退|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は、先週までの上昇から一転して反落し、26日正午時点で、1650万円周辺で推移している。

週明けのCMEのBTC先物取引開始からBTCは弱含みに推移すると、クジラによるイーサリアム(ETH)売却の情報が転がり込み、暗号資産(仮想通貨)市場は全面安となった。これでBTCは1700万円を明確に割り込み、1670万円周辺まで下落。その後も弱地合いが続いた。23日の東京時間には、売りが一服するも、パウエルFRB議長が利下げを急がない姿勢を示すと、一時1660万円を割り込んだ。

週央の相場はCMEの先物が窓埋めを達成したことで、押し目買いの様相で反発。この日はドル円相場の上昇も支援となり、1700万円に肉薄した。一方、ドル建てで11.4万ドルとなる同水準で失速すると、アルトコインの売りが再び加速しBTCも反落。25日米国時間に発表された一連の経済指標が景気の底堅さを示すと、利下げ観測がさらに後退し、1640万円近辺まで一時下値を広げた。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

先週のBTCドルは半値戻しを回復したほか、一目均衡表の「三役好転」が完成したことで、全値戻しも視野に入ってきたかと思われたが、今週は一転して上げ幅を吐き出す展開となり、9月1日の安値に接近した(第2図)。

クジラによる売却は一時的な影響で収まることが殆どと言えるが、ドル高・債券安(金利は上昇)の流れが想定以上に長く続いている。

FOMCは年内の段階的な利下げの可能性を示唆したが、今週発言したパウエル議長やウィリアムズ総裁、デイリー総裁らは追加利下げに慎重姿勢を示した上、四半期のGDP成長率は市場予想を上回るなど、利下げの継続可能性が早くも疑問視され始めた。

【第2図:BTC対ドルチャート(日足)】
出所:Glassnodeより作成

BTCは短期的にやや売られ過ぎの印象もあるが、9月1日の安値10万7300ドルの維持に失敗すれば、失望感から狼狽売りを誘う可能性も指摘され、正念場に立たされていると言えよう。ただ、FRBの政策舵取りはあくまで「データ次第」だ。この先は、26日のPCEデフレーター、10月3日の雇用統計、10月15日にはCPIも控えており、10月FOMCでの利下げ判断に関してはこれらのデータの方が重要と言える。

関税の影響は依然として解消されていないとみているが、8月はPPIの伸びが減速しており、PCEやCPIが大きく上振れる可能性は低いだろう。また、労働市場ではindeedの求人掲載件数低下や失業保険の継続申請件数を見る限り、眼に見える改善は期待し難い。

他方、米国では繋ぎ予算案を巡る共和党と民主党の対立を背景に、10月1日の政府閉鎖が危惧されている。実際に政府機関が閉鎖されれば、金融市場は混乱する公算が高いが、信用毀損によって米国債の利回り曲線のスティープ化が加速すれば、無国籍通貨のBTCには追い風となるか。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング

関連:ビットバンクプラス公式サイト

過去のレポート一覧

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
17:48
メタプラネット、第3四半期決算でビットコイン評価益206億円を計上
メタプラネットの2025年12月期第3四半期決算発表。BTC保有量30,823枚に到達し目標前倒し達成、インカム事業過去最高売上。純利益135億円計上、1億ドル借入で追加取得へ。優先株活用の新戦略で普通株希薄化回避、2027年21万BTC目標を掲げる。
15:22
CMEグループとFanDuel、仮想通貨や株価指数などの予測市場アプリを12月に開始
FanDuelとCMEグループが12月に予測市場プラットフォーム「FanDuel Predicts」を開始。株価指数、仮想通貨、商品などのイベント契約取引が可能に。2035年に14兆円規模へ成長が予測される予測市場に、ロビンフッドやドラフトキングスなど大手企業も参入。
13:50
レンジ相場続くビットコイン、10万ドルが防衛線に=Glassnode分析
Glassnodeの最新分析によると、ビットコインは9.7万〜11.2万ドルのレンジ相場が継続している。10万ドルが重要な心理的防衛ラインとなっており、これを下回ると急落リスクが高まる可能性がある。
13:43
イーサリアム上のトークン化資産が30兆円突破 他のチェーン合計を上回る
イーサリアム上のトークン化資産が2010億ドル(約30兆円)を突破し、全ブロックチェーンの3分の2を占める。ステーブルコイン27兆円、機関投資家向けファンド、RWA1.8兆円と多様なエコシステムが拡大中。
13:35
Visa、ステーブルコイン決済の試験運用を開始 クリエイターやギグワーカー向け
Visaが米ドル連動型ステーブルコインUSDCを活用した決済サービスの試験運用を開始。クリエイターやギグワーカーに数分以内の即時入金を提供し、国境を越えた決済を迅速化。2026年後半に本格展開予定。
13:25
円建てJPYC、日本国債の新たな購入者に 日銀の穴埋め役として期待も=報道
JPYC株式会社の岡部代表が、JPYCの準備金が日本国債市場で新たな力になる可能性を話した。日銀の購入縮小も背景に、今後ステーブルコイン発行者の存在感が拡大することも考えられる。
13:15
トランプ大統領、米史上最長43日間の政府閉鎖を終了させる予算案に署名 仮想通貨市場への影響は
トランプ米大統領が連邦政府機関の閉鎖を終了させる予算法案に署名し、43日間続いた米史上最長の閉鎖が終結した。下院は222対209で法案を可決。再開により複数の仮想通貨ETFが承認される見通しだ。
11:25
ブラジル大統領、押収仮想通貨の即時売却を合法化する法案を提出 組織犯罪対策強化へ
ブラジルのルラ大統領が犯罪捜査で押収した仮想通貨を裁判結果前に売却できる法案を議会に提出した。中央銀行は今週、仮想通貨事業者への認可制導入を含む新規制も公表している。
10:25
ユーザー資金を凍結できる16ものブロックチェーンを特定、分散化の観点で議論呼ぶ=Bybit
仮想通貨取引所Bybitがユーザー資金の凍結機能を持つブロックチェーンを特定した。ハッキング対策に有効だが、分散化の理念と矛盾するとの指摘もある。
10:15
SBIグループで資産運用|証券・銀行・仮想通貨投資を効率的に
証券・銀行・仮想通貨を1つのエコシステムで管理できるSBIグループ。スマホ1つで株式、投資信託、金ETF、仮想通貨への投資を始められます。手数料優遇、ポイント連携、スムーズな資…
09:45
ヤフー・ファイナンス、ポリマーケットと提携し予測市場ハブを数カ月以内に開設へ
ヤフー・ファイナンスが予測市場プラットフォームのポリマーケットと提携し、新たな予測市場ハブを立ち上げる。経済や市場動向の確率データと分析を組み合わせて投資家を支援。
09:20
ビットワイズ、2026年にICO復活で数十億ドル規模の資金調達を予測 コインベーストークン販売サービス立ち上げを受け
仮想通貨資産運用会社ビットワイズのホーガンCIOが、コインベースのトークンセール・プラットフォーム立ち上げを受けて2026年にICOが資本調達の重要手段として復活すると予測。
08:50
モバイルゲーム大手KLab、ビットコインをトレジャリー資産として購入
モバイルゲーム開発のKLabが約2,000万円のビットコインを購入。国内では今夏以降、Defコンサルティング約50億円、イオレ約160億円など上場企業のトレジャリー戦略が加速。
08:30
JPモルガン、ベースチェーンで「JPMコイン」提供開始
JPモルガンが米ドル建て預金トークン「JPMコイン」を機関投資家向けにイーサリアムL2のBase上で提供開始した。B2C2、コインベース、マスターカードがテスト取引を完了している。
07:55
スイ、ネイティブステーブルコイン「USDsui」を年内ローンチ
ブロックチェーンのスイ(SUI)がネイティブステーブルコイン「USDsui」を年内に立ち上げる。ストライプ傘下のブリッジが発行し、主要プラットフォームとの相互運用性を備える。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧