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米仮想通貨取引所Coinbase、東京を拠点にアジア圏の「大口顧客向け」サービスを拡大へ

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Coinbaseが大口顧客向けのサービス拡大へ
ビットコイン低迷のなか、大手取引所の大口・機関投資家向けサービス拡大が相次いでいる。米コインベースは、アジア地域の大口顧客に向けて、同取引所が機関投資家向けに提供している取引プラットフォーム及び、カストディ業務を拡大する方針を発表した。

Coinbaseが大口顧客向けのサービス拡大へ

サンフランシスコに本拠を置く、アメリカ最大手の仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)は米国時間22日、アジア地域の大口顧客に向けて、同取引所が機関投資家向けに提供している取引プラットフォーム及び、カストディ業務を拡大する方針を発表 した。

さらに、これらのサービス利用に際し、アジア在住の顧客が、米国外の銀行口座から資金の入出金が行えるよう、SWIFTを利用した電信送金サービスも提供も行うとしており、アジア圏からの需要拡大や、特に大口取引を行う顧客向けのサービス拡充に動くという。

アジア地区機関投資向けセールス部門を率いるKayvon Pirestani氏は、仮想通貨取引におけるアジアの重要性に関して、次のように述べている。

「アジアは仮想通貨エコシステムにとって非常に重要だ。世界で最も活発な、多くの個人トレーダーや機関投資家が生活の拠点としている地域である。」

Coinbaseとアジア

コインベースには2016年、三菱UFJファイナンシャルグループが10億円を超える出資を行っているが、同取引所はアジアの拠点として、昨年6月、東京にオフィスを構え、資産運用サービス 「お金のデザイン」の最高執行責任者(COO)を務めた北沢直氏が社長に就任している。Pirestani 氏はこの東京オフィスより、アジアのセールス部門を統括するという。

現状新規のライセンス取得企業は見られていない(CoinCheckはみなし企業からの取得)が、日本におけるCoinbaseの交換所ライセンスの取得に関して、日経アジアレビューが2018年10月に行ったインタビュー内で「2019年中の取得」に強気な姿勢を示していた。

Coinbaseのこのような動きをみるに、日本を拠点としたアジア展開を強く進めていく意思が見られるほか、日本のライセンス取得に関する重要性も示しているとも思われる。

これらの動きが確立されれば、より幅広い日本人顧客の需要にも答えていくことができるプラットフォームが誕生することになるだろう。

大口の需要に包括的な対応

コインベースは同時、アジア圏以外にもヨーロッパの大口顧客にも向けた、同じ電信送金サービスを提供を発表しており、法令に遵守する中で、アジアとヨーロッパの顧客に、流動性の高い、コインベースの仮想通貨市場へアクセスを提供していく。

また、米ドルでの入出金と取引に加え、コインベースが引当金として保有する米ドルによって裏付けられたステーブルコイン、USDCを手数料なしに、利用することが可能となるという。

カストディも提供

承認された大口の顧客には、カストディ業務の提供も行う。このCoinbase Custodyは、ニューヨーク金融サービス局により、信託銀行として規制されており、大量の仮想通貨を保管するために、最適化された機関レベルのサービスだとコインベースは述べている。 Coinbase Custodyに預けられたすべての資産は強固なセキュリティ管理のもと、オフラインで保管され、保険によって保護されているということだ。

OTC取引

一方、コインベースは昨年11月に、機関投資家顧客の要請を受け、OTC(店頭取引)トレーディングデスクを設立し業務を開始しているが、このOTC取引は米国とヨーロッパの顧客向けとなっている。OTC取引により、市場に大きな変動をもたらすことなく、重要顧客の大口注文を実行することが可能になる。 

OTCとは

仮想通貨取引所での売買ではなく、相対や店頭取引とも呼ばれ、売り手と買い手が1対1で取引を行うこと。

KYC準拠のOTC取引では、板取引や流動性に直接左右される事を避ける大口取引ユーザーに好んで利用される。よって、最小取引額が1000万円を超える場合も多くある。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

コインベースは、機関投資家同士の直接取引を取り持つエージェントとしての役割に徹し、自己勘定取引は行わないと述べており、ヘッジファンドや商社をはじめ、ファミリーオフィスや寄付基金などの機関投資家向けに、このOTC取引サービスを開始している。

大手取引所が大口参入を見越した動きが加速

相場の地合いこそ転換せず、約1ヶ月で過去最長の弱気相場期間に到達する仮想通貨市場であるが、2017年末あたりから、大手取引所を中心とした大口・機関投資家のサポートを行う動きが加速している。

その動きの一つとして、22日にもBinanceが大口参入の環境整備強化へ向けたOTCデスクの開始を発表している。

これまで個人投資家主導の仮想通貨市場が、各国の規制の動きなどを経て、取引所などへの相談が増えているとの見方もあり、大手取引所にあたるBinanceやCoinbaseなどが、サービスとしてローンチ、機関投資家の受け入れに動き出している可能性が高まっている。

仮想通貨市場の低迷が続く中で変化する取引所の動き、今後も情報を追っていく必要はありそうだ。

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