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イギリス金融当局、仮想通貨規制方針の明確化へ 4月以降に最終ガイダンス発表を予定

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英金融行為監督機構、仮想通貨に係る明確な規制方針を公開
英国の金融行為監督機構(FCA)が「暗号資産の手引き」と題した政策原案を発表した。4月5日以降に仮想通貨の明確な規制方針設立に向けた確実な一歩となり、規制枠組みの設立が経済大国イギリスでの仮想通貨の普及につながることが期待される。

英規制当局、明確な仮想通貨規制策定へ前進

イギリスの金融行為監督機構(FCA)は1月23日、「暗号資産の手引き」と題し、FCAによる規制範囲及びその対象を定義するとともに、仮想通貨のより明確な規制方針を詳細に説明した政策の原案を公開した。

これから4月5日まで約10週間の間、この原案へ対する関係者及び一般からの意見が受け付けられた後、仮想通貨に関する最終的なガイダンスを含む方針声明を発表する予定となっている。

英国における仮想通貨の規制範囲

今回公開されたFCAの原案は、英財務省に設置された仮想資産タスクフォースとFCAが共同で取り組んだ調査内容に基づき、昨年10月に公表した勧告に即しており、「企業に対し、現在、仮想資産に関する活動がどこで規制されているのか、明確な説明を提供する」ことに対応する内容だと述べられている。

具体的には、仮想資産がどのような規制の範囲で、FCAの管轄となるかどうかに焦点を当る中で、特に次のような状況について検討している。

  • イギリスの認可事項規制(RAO)下で、何が「特定投資」と見なされるか
  • EUの第2次金融商品市場指令 (MiFIDII)下で、何が「譲渡可能証券」 のような「金融商品」と見なされるか
  • 仮想資産関連では、何が決済サービス規制もしくは電子マネー規制に該当するか

また、FCAは、この手引書の中で、仮想資産に対し、交換トークン、セキュリティトークン、およびユーティリティトークンという、3つのカテゴリーを設定している。

交換トークン(Exchange Token)

中央機関によって発行または裏付けされていないもの(ビットコインやライトコイン等)。法定通貨のように、直接の交換手段として使われるものの、現行のイギリス法では、通貨としては定義されていない。

大半の場合、FCA規制の範囲外になると公式文書では予想されている。

法定通貨や他の資産に裏付けられたステーブルコインも、この範疇に入るが、電子マネーと定義付けられる可能性もあり、その場合は FCAによる規制の範囲内となる。

セキュリティトークン(有価証券)

RAO下で、株式等に代表される「特定の投資」の定義を満たすもの。FCA規制の対象となる可能性が高い。また、このトークンは、MiFID II 下でも金融商品と定義される可能性もある。

ユーティリティトークン

「保有者に現在または将来のサービスまたは製品へのアクセスを許可する」トークン。 「特定投資」ではないため、規制の範囲外になるものの、いくつかの状況下では電子マネーと見なされる可能性があり、その場合には、FCAによる規制の対象となるケースも想定される。

今回発表されたFCAの公式文書に関して、仮想通貨やブロックチェーン関連の法案に詳しいBlockchain社のCEOであるMarco Santori氏は英国では「ユティリティートークンが有価証券には該当しない」ことを説明した。

Santori氏は、英国と頻繁に取り上げられる米国の規制方針の違いを明記し、大きな違いは英国には「Howey Test」や投資契約の概念が無いと指摘。

大抵の場合は、ユティリティートークン規制の対象とならないであろうと予想している。

仮想通貨は成長している市場

今回公開されたFCAの文書は、50ページにわたり、いくつかの具体例や想定されるケースも示しながら、仮想通貨の規制の枠を明確化しようとする真摯な姿勢を感じさせるものとなっている。

FCA の戦略・競争部門を統括するChristopher Woolard氏は、次のように述べている。

仮想通貨市場は、小規模ながらも成長している市場だ。我々は、業界と消費者の両方に対し、規制の対象となるものと、対象にならないものを明確に示したいと思っている。

消費者自身が、どのような保護から恩恵を受けられるのかを知り、市場が確実に機能するようにするためには、そうすることが不可欠だ。

英規制当局であるFCAは新しい技術に中立的な立場をとり、あくまで投資家保護を最優先に置いて取り締まる方針を以前から示している。

またFCAは4月5日まで、今回発表された公式見解に対する意見や論点を求めており、その後正式に英国における仮想通貨の規制スタンスが明らかとなる見込みである。

世界経済の中心地の一つであるロンドンを有するイギリスにおいて、仮想通貨に対する規制の明確化が実現すれば業界にとって大きな後押しとなるかもしれない。

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