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メインネット3周年迎えたAptosのCEOが語る次世代ブロックチェーンの未来|独占インタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Aptos Labsは2025年10月、メインネットローンチから3周年を迎えた。同社は、かつてFacebookのLibraプロジェクトで培った技術を活かし、ブロックチェーンを構築してきた。

10月15-16日にニューヨーク・ブルックリンで開催された「Aptos Experience 2025」において、Aptos Labsの創業者兼CEOであるAvery Ching氏を独占取材。

3周年を迎えた今後のビジョン、新プロジェクトShelbyとWatchee、そして日本市場への期待について話を聞いた。

関連:Aptos LabsとJump Crypto、分散型ストレージ「Shelby」を発表

インタビュイー紹介

Avery Ching氏:Aptos Labs 創業者兼CEO

Aptos Labs共同創業前は、Meta(旧Facebook)で暗号資産プラットフォームチームを率い、特にDiemブロックチェーン(旧Libra)の開発をリード。それ以前は、Metaのバッチ処理システムの技術リーダーとして、全製品の基盤となる分析機能の開発を統括。BlackRock、Franklin Templeton、Apolloなど大手機関投資家からの出資を受け、暗号資産と伝統的金融の橋渡しを推進している。

Aptos 3周年:2018年から続く長期的ミッション

Aptosメインネット3周年を振り返り、最も印象的だった瞬間や成長を象徴する出来事は

私たちにとって、これは3年間だけのことではありません。2018年からLibraとDiemの一部としてこれに取り組んできました。粘り強さがこの業界で最も重要な課題だと考えています。

多くのプロジェクトは短期的な焦点で、クイックマネーグラブ(短期的な利益追求)やトークンプレイ(トークン価格の投機的な操作)に終始しています。それに対して私たちは、分散型インターネットを構築し、人々がつながり合う方法を根本から変えるという長期的な旅を続けてきました。この旅は非常に長いものですが、私たちはまだこの分野で初期段階にいます。

2025年の規制分野での取り組みを見てください。新政権のもとで、ステーブルコイン法案や市場構造法案の明確化が進んでいます。私たちの役割も大きく変わりました。Facebookにいたときは規制当局と非常に密接に協力して承認を得ようとしていましたが、うまくいきませんでした。

そして今、2018年から7年が経ち、政権は非常に支援的になりました。現在、私たちはCFTC(米国商品先物取引委員会)の最前線にいます。デジタル資産に関する公聴会で証言しています。物事は180度変わりました。変化への適応力、粘り強さ、そして暗号資産業界の進化が、私たちを大きく前進させています。まだ何年も先の長い道のりがあります。

これはインフラ構築です。日本では、企業が300年以上続くことも珍しくありません。長期的視点で見れば、私たちはまだ始まったばかりです。

ブロックチェーンが実現する公平なアクセス

「グローバル・トレーディング・エンジン」のビジョンについて、市場の流動性や効率性をどう変革していくか

今年の初めから考えていたことです。ブロックチェーンは本当に何に役立つのか、この根本的な問いに業界はまだ十分に答えていないと考えています。

そこで私たちは、既存の常識にとらわれずゼロベースで考え直しました。何のために構築しようとしているのか、今から2〜5年後に見られる主要なユースケースは何か。その答えがグローバル・トレーディング・エンジンでした。ブロックチェーンなら誰もが公平にアクセスでき、世界中の人々が同じ条件で取引できるからです。

既存の中央集権的な取引所と比較してみましょう。今日、私たちはそこで取引していますが、資本市場へのアクセスは限られています。例えばIPO(新規株式公開)があるとき、誰が最初に投資できるでしょうか。一定の資産要件を満たした認定投資家だけです。NASDAQ、NYSE、東京証券取引所で一般の人も株取引はできますが、魅力的な投資機会には最初からアクセスできません。これは真の意味での公平なアクセスとは言えないのです。

分散型取引所なら誰もが同じ機会を持て、グローバルにアクセスでき、資産をこれまで以上に速く移動させられます。ブロックチェーンはそれを実現する唯一の方法です。技術は長い間不足していましたが、私たちの研究により、ここで限界を打ち破り、単一のネットワーク上で世界中の金融取引を大規模に処理できるものを実際に構築できると確信しています。

DePINとコンテンツ産業の革新

Aptos Labsは新プロジェクト「Shelby」と「Watchee」を発表した。この2つが分散型インフラの未来をどう変えるのか

グローバル・トレーディング・エンジンを実現するには、もう1つ重要な要素があります。それが分散型物理インフラ、DePIN(ディーピン)です。

DePINを簡単に説明すると、世界中に分散したコンピューターやストレージなどのリソースを、ブロックチェーンでつないで1つの大きなインフラとして使える仕組みです。リソースを提供する人、使う人、そしてそれらをマッチングする仕組みがあり、サービスを使った分だけ自動で支払いが行われます。これがAptosを、資産の取引だけでなく、実世界のインフラ構築にも使える優れたプラットフォームにしています。

そこで私たちが開発したのがShelby(シェルビー)です。これは世界初のリアルタイム分散型ストレージで、AmazonのS3のような大手クラウドストレージの代わりになるものです。年間3,000億ドル規模で年率30%成長している巨大なクラウド市場に、分散型という新しい選択肢を提供します。

ただ、ストレージだけでは十分ではありません。その上に様々なサービスが必要です。例えば、クラウドにはデータベースやサーバーレス機能など、特定の用途に特化したサービスが用意されています。

コンテンツ産業で長年の課題だったのが、「クリエイターが本当に自分のコンテンツを管理できるプラットフォーム」です。そこで登場するのがWatcheeです。

Watcheeは、Shelbyプロトコル上に構築されたコンテンツのための分散型プラットフォームです。クリエイターがコンテンツをアップロードすると、著作権の管理、配信、収益の受け取りまで、すべて自分でコントロールできます。従来のプラットフォームでは、大手事業者に手数料を取られたり、アルゴリズムで勝手にランキングを決められたりしていましたが、Watcheeではそうした問題を解決できます。

すでに世界最大級のコンテンツ企業NBC Universalが実際に使い始めている、全く新しいプラットフォームです。

2026年に向けた成長戦略

2026年を見据え、次の成長段階の主な優先事項やテーマは何か

成長は製品から生まれると確信しています。それが、ブロックチェーンインフラだけでなく、完全な製品スタックの構築に多大な投資をしてきた理由です。

分散型取引所であるDecibelは、グローバル・トレーディング・エンジンのビジョンに適合します。Shelbyは世界初のリアルタイム分散型ストレージです。AIや企業向けの用途を通じて、そしてクリエイターがオンチェーンに参入することで価値を創造します。

これら2つの製品間には大きな価値創造の機会があります。Shelby上で価値を創造し、Decibel上で交換する。データの共有・交換・作成から取引まで、この組み合わせが重要な相乗効果を生みます。その上に数十億ドル規模のビジネスが構築されるでしょう。これは開発者や機関投資家にとって魅力的なエコシステムになります。

日本では多くの機関と資産について議論を進めています。これは非常に大きな取り組みです。日本のコインだけでなく、より大きな顧客ベースとサービス提供網を構築しようとしている取引所とも協力しています。

日本市場への期待:AIとデータセンターの親和性

Aptosの技術は、スケーラビリティとパフォーマンスの強みが、どのような新しいユーザー体験を可能にするか

何十年もかけて洗練されてきたWeb2の体験に、暗号資産は追いつく必要があります。私たちが取り組んできたのは、Web2の優れたユーザー体験をWeb3に持ち込むことです。それを示すいくつかの製品があります。

1つはAptos Connectです。Apple ID、Google ID、または日本やアジア、世界中の地域のローカルな認証サービスなど、よく知られた方法を使って、ブロックチェーンベースのアカウントにログインできます。人々が普段使っている方法でログインできる、これは大きな変化をもたらします。

もう1つの取り組みがShelbyです。Shelbyはブロックチェーンプロジェクトだけでなく、一般企業も利用できるインフラです。それだけでなく、非ブロックチェーン企業のためでもあります。インフラの裏側でクラウドを使っている場合、それを顧客に公開する必要はありません。彼らにとっては、より安く、より速く、契約にサインする必要がない新しいクラウドプロバイダーという位置づけになります。

日本では、地域全体でのコラボレーションとイノベーションについて強い勢いの感覚があります。あなたの視点から、日本のWeb3へのアプローチについて最も興味深かったことは何ですか

EXPO 2025では、政府がAIと暗号資産を非常に強く推進していることは、とても印象的です。多くのシミュレーション技術が展示され、ウォレットを通じた統合が見られ、人々がそれを実際に使用していました。

これは未来がどこに向かうかの完璧な例です。私も参加しましたが、ウォレット(Aptosブロックチェーンを採用したEXPO2025デジタルウォレットを含む)について話している人がたくさんいました。日本市場は常に問題なく機能しており、これが実際に使用できることを示しています。

特に注目しているのが、日本のAI・データセンター分野です。日本ではデータセンターに関する規制が他国に比べて緩く、多くのデータセンターが建設されています。データセンターには高速なストレージへのアクセスが不可欠なため、Shelbyにとって素晴らしいユースケースになります。企業がデータを持ち込むのがはるかに安く効果的になる、最適なソリューションになるはずです。

Aptos開発者へのメッセージ

日本の利用者にどのようなメッセージを共有したいか

過去にWeb3で開発した経験があれば、高いガス料金(ブロックチェーン上での取引手数料)などの限界に失望されたかもしれません。または、処理が遅すぎることが大きな課題だったかもしれません。誰もがリアルタイムの体験に慣れているからです。

それらの問題はもはや存在しません。Aptosなら、普段使っているインターネットサービスと同じような快適な体験を実現できます。トランザクションのファイナリティ(取引の確定)は0.5秒で得られます。ブロックタイム(新しいブロックが生成される間隔)は約85ミリ秒、非常に近い将来には60ミリ秒になります。ブロックチェーンが日常の一部になれるように感じさせる体験です。

クリエイティブに、ハングリーに、非常に高い期待を持って挑戦してください。それがまさに私たちが実現したい場所です。

最近、日本のコミュニティから多くのハッカソン開催の要望が寄せられています。Expoをきっかけに、多くの著名な開発者の方々が注目してくれており、非常に嬉しく思っています。

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