CoinPostで今最も読まれています

日本国内における『仮想通貨の新規取り扱いの再開』 について、日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)が提言

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

日本仮想通貨ビジネス協会が『新しいICO規制についての提言』
国内仮想通貨取引所で、約1年間新規取り扱い通貨の変更がされていない点を踏まえ、JCBAが「新しいICO規制についての提言」を行なった。金融商品取引法の規制対象となるセキュリティトークンについても言及している。

日本仮想通貨ビジネス協会が『新しいICO規制についての提言』

一般社団法人日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)は19日、「新しいICO規制についての提言」を行なった。

3月15日、仮想通貨に関連する改正法案「情報通信技術の進展に伴う、金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案」が通常国会に提出され、日本政府が、資金決済法と金融商品取引法における改正案を閣議決定したことも踏まえて行われた。

JCBAには、仮想通貨交換業者のみならず、銀行、保険会社、金融商品取引業者その他仮想通貨に関連するビジネスに従事する事業者やビジネス参入を検討する事業者が、合計123社(2019年2月6日現在)として会員加入している。

ICO規制については、2018年に発足した金融庁の「仮想通貨交換業等に関する研究会」にて、計11回に渡り問題点や新たな法制度に関して議論を重ね、討議内容を報告している。この報告書を踏まえた法改正がなされ、仮想通貨市場に関する規制が見直されることになる。

今回、JCBAが提言を行なった背景には、以下のような問題点が挙げられる。

  • 日本では資金決済法上、原則としてICOのよるトークン発行は仮想通貨交換業に該当するところ、ICOにおけるルールが未整備のため、国内では新規ICOの実施が事実上認められていない状況が続いている。
  • ブロックチェーン技術の応用によるICOの促進は、新たな資金調達手段として、日本の産業発展を促すものとなる可能性があるが、一方で詐欺的事案や事業計画がずさんな事案も多く、利用者保護が不十分であるとの批判もある。
ICOとは
トークンの新規発行を行う行為。発行体はトークン発行の対価として法定通貨または、仮想通貨を集めプロジェクトの運営資金に充当する。投資家はプロジェクトの成功またはトークンへの人気によりトークン価値が上がることでメリットを享受することができる。

仮想通貨の新規取り扱いの再開について

「国内で取り扱うことのできる仮想通貨の健全な拡大に向けての課題整理」のトピックでは、仮想通貨の新規取り扱いの再開について以下のように提言した。

仮想通貨交換業者は、約1年間新規取り扱い通貨の変更がされておらず、利用者への適切な利用機会の提供を行うことで、仮想通貨業界の健全な発展に寄与することができるものと考えられる。

仮想通貨トークンの規制について

「金融商品取引法」の規制対象となるセキュリティトークンについては、「二重規制による混乱を防ぐために、資金決済法の適用除外とする規定が必要と考えられると提言。セキュリティトークンとユーティリティトークン、それぞれの対応について言及した。

SEC(米国証券取引委員会)とFINMA(スイス金融市場監査局)は、仮想通貨トークンを、2つのカテゴリ(セキュリティトークンとユーティリティトークン)に分類している。

トークンとは

一般的には広くしるし、象徴、証拠、記念品、形見、証拠品などの意味で、地下鉄・バス料金などに用いられる代用貨幣、商品との引換券なども含まれる。用途に応じてカード型やUSB型など様々な形態がある。

仮想通貨の領域では「企業・個人よりブロックチェーン上で発行された独自の通貨」ビットコインやイーサリアムなどの既存のブロックチェーンを利用して発行されている(ブロックチェーン自体が独自のものは「コイン」と呼ぶ)

セキュリティトークンに関する規制

セキュリティトークンとは、「証券トークン」のことで、有価証券を代替したものを指す。その性質上、株式や投資信託など様々な形態の金融資産と同様の規制対象となる。

米国を例に挙げると、特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定する「Howeyテスト」が、判断基準の一つとして現行法に準拠する形で利用されている。

なお、特定のブロックチェーントークンが「証券」であるかどうかを判定するテストには、以下の要素があり、ブロックチェーントークンがそれぞれの要素にどれだけ当てはまっているかを数値化し、トークンが証券であるかどうかを判定する。すでにいくつかのICOプロジェクトは、テストスコア結果を公表している。

  • 資金を集めているか
  • 共同事業であるか
  • 収益性があるか

ただし、このテスト結果はあくまでも目安の一つであり、必ずしも規制当局や裁判所の判断と一致するとは限らない。

JCBAは、セキュリティトークンに関して、「二次流通市場」の整備の必要性についても言及した。

セキュリティトークンが、日本国内の金融商品取引所において取り扱われることは当面想定されておらず、海外の二次流通市場に大半の取引が流れることが想定されるため、国内において適法なセキュリティトークンの場が必須であると考えられる。

JCBAは、「今後、有価証券性のあるセキュリティトークンの新規発行は、STOとして金融商品取引法と同様の制限を受ける可能性が高い。」と指摘している。

ユーティリティトークンに関する規制

ユーティリティトークンは、有用性や利便性を対価として提供する仮想通貨のことを指す。

JCBAは、ユーティリティトークンに関する規制について、以下のように提言した。

利用者保護の観点から極めて厳格な規制を行うことにより、事実上実施が不可能となることは、日本国内におけるイノベーションの阻害となると考えるため、一定の条件を満たすユーティリティトークンのICOにおいては、有価証券に認められている少人数私募、プロ私募(有価証券に対する投資に係る専門的知識及び経験を有する者として内閣府令で定める、適格投資家)などの適用除外規定を認めるなどの緩やかな規制枠組みを用意する必要があるものと考えられる

CoinPostの関連記事

バイナンスの仮想通貨ICO第3弾、「過去最大の需要」で4.4億円相当が約17分で完売
大手仮想通貨取引所バイナンスのICOプラットフォーム「Binance Launchpad」で3回目のトークンセールが実施され、約4.4億円相当の「CELR」トークンが開始から17分で完売した。「CELER」トークンはこれまでで最高の購買需要を見せたとCEOのCZ氏は述べている。
日本仮想通貨ビジネス協会、仮想通貨の「新規取り扱い再開」やICOについて提言
JCBAは、1年以上停滞している仮想通貨の新規取り扱い再開に言及。「海外で取り扱いのあるアルトコインやICOトークンの国内での新規取り扱いが再開されるよう、論点整理の機会をぜひ早期にいただきたい。」と言及した。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/29 金曜日
05:50
Bybit、ソラナミームコイン「POPCAT」の永久先物提供
ソラナの仮想通貨ミームコインへの需要は未だ高い。代表的な犬系ミームコイン「WIF」は29日過去最高値を更新し、前日比で20%上昇している。
03/28 木曜日
17:35
分散型AIの3大プロジェクトが団結、新トークン「ASI」に統合へ
SingularityNET、Fetch.ai、Ocean Protocolが人工超知能連合を結成し、各プロジェクトの暗号資産(仮想通貨)を新トークンASIに統合する計画を発表。単一の分散型AIネットワークとしてリニューアルを目指す。AGIの父と呼ばれるベン・ゲーツェル博士が主導する。
15:58
ビットコインのレイヤー2「BEVM」ローンチ
BEVMがメインネットをローンチ。暗号資産(仮想通貨)ビットコインをガス通貨として利用するEVM互換のレイヤー2ネットワーク。シリーズAで数十億円を調達し、分散型ビットコインクロスチェーンカストディサービスを実現。
15:00
NEARプロトコル、マルチチェーン再ステーキング「LiNEAR」始動へ 
NEARプロトコルがChain Signaturesを導入、暗号資産(仮想通貨)の相互運用性を強化。ビットコインやイーサリアムなど複数のブロックチェーンをサポートする。オムニチェーン再ステーキングLiNEARが始動。
14:15
「イーサリアムが有価証券でもETF化は可能」ブラックロックCEO
仮想通貨イーサリアムに関しては、米国においてその法的ステータスが定かではない。CFTCは商品(コモディティ)と見做している一方、SECはETHに関係するスイスのイーサリアム財団を調査していることが先週報じられた。
10:45
Parallel Studios、VanEckやソラナベンチャーズから53億円調達
パラレルはイーサリアムメインネットおよびBaseチェーン上で稼働するものだが、先日発表された、コロニーのローンチ先がソラナのブロックチェーンであることや、今回ソラナベンチャーズが出資したことから、今後クロスチェーンでの展開が考えられる。
10:15
イーサリアム「BLOB」にデジタルアートを記録する方法 Ethscriptionsが導入
イーサリアムのチェーン上にデジタルアートなどを記録するEthscriptionsは「BlobScriptions」を発表。ブロブにデータを記録する方法となる。
08:10
21Shares、欧州でTONの上場取引型金融商品を提供
今月初めテレグラムは仮想通貨TONを正式に統合し広告収入をチャンネル所有者と共有し、TONブロックチェーン上でToncoinを使って報酬を支払うようになった。この動きが投資家からの需要を押し上げたようだ。
07:30
ブラックロック「BUILD」、一週間で240億円超の資金流入を記録
ブロックチェーン上でトークン化された現実世界資産(RWA)の運用を提供するOndo Financeからの10億円以上新たな資金もありファンドの規模は拡大中。
06:50
スクエニやソラナ財団、Elixir Gamesに21億円出資
Elixir Gamesは、ゲームローンチャー「Elixir Games Launcher」で、さまざまなWeb3ゲームを遊べるPCアプリを提供。また、Web3ゲームがNFTなどのゲーム内資産のセールを代行するローンチパッドで、ミントなどの機能を提供する予定だ。
05:50
SECに有利か、裁判官がコインベースの棄却申し立て認めず
その一方、裁判官は、コインベースが顧客が仮想通貨ウォレットアプリを利用できるようにしたときに、無登録ブローカーとして運営していたというSECの主張を取り下げることを決定した。
03/27 水曜日
17:25
Slash Payment、独自トークンのエアドロップ対象条件を発表
暗号資産(仮想通貨)決済サービスSlash PaaymentのエコシステムトークンSVLについて、エアドロップの参加条件が明かされた。分散型決済エコシステムの利益が、ステーキング参加者に還元。スナップショットまでに割り当てを増やすことも可能だ。
17:00
ビットコインなど仮想通貨投資の始め方|初心者が注意すべきリスクとおすすめ戦略
ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)投資の初心者向けスタートガイドを解説。基本戦略や知識、特に注意すべきリスクやセキュリティ対策を紹介し、「何歳から始められる?」のか、取引所ごとの年齢制限一覧も提供。
16:04
KDDIのNFT市場「αU market」、アニモカブランズとの連携開始
KDDIが展開する「αU market」で、『PHANTOM GALAXIES』の限定版NFT販売を開始。アニモカブランズが支援するブロックチェーンゲームとの連携施策の第一弾。暗号資産(仮想通貨)ウォレット「αU wallet」を接続して購入できる。
14:23
21Shares「半減期前のビットコインは、過去の歴史とは異なるダイナミクスを経験している」
スイスを拠点にする資産運用企業21Sharesは、仮想通貨ビットコインの半減期が市場に及ぼす影響について分析したレポートを発表。ビットコインは現在、過去3回の半減期とは、「異なる市場ダイナミクスを経験している」と指摘した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/03/28 15:00 ~ 18:00
東京 東京日本橋タワーB2階
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
重要指標
一覧
新着指標
一覧