CoinPostで今最も読まれています

「英ブレグジット」期日が4月12日に迫る中、国境審査や関税問題で取り沙汰されるブロックチェーン

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーン
イギリスのEU離脱問題が難航する中、4月12日に「合意なき離脱」のシナリオを迎える可能性もある。経済的混乱も予想される中、関税などの点でブロックチェーンによる解決策を提供する事は出来るのだろうか。

ブロックチェーンは、難航するブレグジットの救世主となり得るのか

イギリスが、ブレグジットを前に再び大きく揺れ動いている。

これまでにも度々、イギリス政府とEUとの間で作られた離脱案が議会で否決されており、今月の5日には、メイ首相によって離脱期限を6月30日まで延長してもらいたいとの要請が出されたばかりだ。

仮に、EUの27の加盟国がイギリスのEU離脱期限延長の要請に同意しなかった場合、4月12日に合意がなされないまま、イギリスがEU離脱する「ハードブレグジット(合意なき離脱)」になることが予定されている。

争点の一つとなるのは、アイルランドとの国境をめぐるバックストップ条項と呼ばれるものだ。

元々イギリスのEU離脱は、EU圏に対する貿易赤字に一因があり、バックストップ条項は貿易に関する明確な合意があるまで、EU内の関税枠組みにイギリスを留めるというもので、これを実質的なEUへの残留と見る勢力もあり、反発の声も多い。

VeriFi(Hong Kong)Ltdの会長であるPindar Wong氏は、仮に「合意なき離脱」が起きた場合、イギリスはEUの貿易圏を法的な同意なしに離脱することになり、法的安定性が損なわれ、国境を越えたサプライチェーン・ネットワークの混乱に伴う、日常生活への影響もあるとの考えを示した

同氏は、「ブロックチェーン・ブレグジット」を設立するためのボトムアッププロセスに、イギリスとEUの参加を求めている。これは、EU離脱に伴う税関の復活に関して、税当局がブロックチェーン技術を活用することにより、関税業務の円滑化を進めるというものだ。

また、同氏は鍵となるのは、政府の認めたステーブルコインの使用や、ProvenanceMaerskといった、既存の国際貿易の電子化を目的とする既存のソリューションを補完し、奨励することだとした。

イギリスは、仮想通貨及びブロックチェーンの法規制などに関しては、他の先進国に遅れを取っている状況だ。こうした状況を打破しようと、イギリスの金融行動監視機構(FCA)は、4月以降に仮想通貨に対する明確な規制の枠組みの方針を発表するとしている。

なお、2018年10月1日には、英フィリップ・ハモンド財務相が、英国バーミンガムで開催された保守党会議の声明の中で、アイルランドとの国境を跨ぐ摩擦のない取引を行うための解決策として、ブロックチェーンの使用に言及した経緯がある。

EU離脱後のアイルランド(英国の一部)に関するEU規制にまつわる国境・関税問題(英本土との間に位置するアイリッシュ海との国境)がネックとなる中、ブロックチェーン技術を活用することで、国境審査や関税問題などで情報を追跡しやすくなるほか、アイルランドの国境問題を解消しつつ、独立を進めることが出来るという狙いがある。

ハイパーインフレを起こすベネズエラのような発展途上国と異なり、先進国での通貨不安は、世界経済への波及度はより甚大になるものと考えられる。欧州の金融大国、イギリスの動きに今後も注目していきたい。

CoinPostの関連記事

イギリス金融当局、仮想通貨規制方針の明確化へ 4月以降に最終ガイダンス発表を予定
英国の金融行為監督機構(FCA)が「暗号資産の手引き」と題した政策原案を発表。4月5日以降に仮想通貨の明確な規制ガイダンス発表に向けた確実な一歩となった。
仮想通貨の市場整備に遅れをとるイギリスが、2年以内に世界のリーダーになれる可能性
16日には、英国が2020年までにブロックチェーン(仮想通貨)市場で世界を牽引できる可能性があるとの調査報告書が発表された。しかし、政府の対応は鈍く、議員からも急かす声が上がっている。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/29 金曜日
15:30
Filecoinステーキング大手、Glifがポイントプログラム開始
暗号資産(仮想通貨)ファイルコイン(FIL)の、ステーキング・プロトコルGlifがポイントプログラムを開始した。FILトークン保有者は流動性プールにFILを預けることで、Glifのネイティブ・リキッド・リース・トークンである「iFIL」を受け取り、運用できる。
14:34
イーサリアム共同創設者ブテリン氏、Dencun後の改善点を語る
仮想通貨イーサリアムの共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏は、Dencunが完了した今後の技術的な改善点を提案した。
14:11
CoinTradeがソラナ含む4銘柄の取扱い開始、ステーキングサービスにSOL追加
暗号資産(仮想通貨)販売所CoinTradeがソラナを含む4銘柄の取り扱いを開始。ステーキングサービスにSOLを追加した。条件をクリアすることでSOLをプレゼントするキャンペーンを開催中。ジパングコイン(ZPG)など三井物産デジタルコモディティーズも新規で取り扱う。
12:55
日本DAO協会4月1日に立ち上げ 府令改正も同日公布
日本DAO協会が4月1日に設立される。DAOの自主規制や健全なエコシステムづくりを推進していくもので、協会自体の運営もDAOで行う計画だ。
12:24
ビットコイン7万ドル台で高止まり、ブラックロックの新規ファンド好調でRWA関連銘柄買われる
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが7万ドル台新高値をうかがう展開。アルト相場ではブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」絶好調の影響で、ONDOなどのRWA関連銘柄が買われた。
11:30
Googleサーチ、ビットコインやArbitrumなどのアドレスで資産残高を確認可能に
全ての資産を表示するわけではなく、残高は各ネットワークのネイティブトークン(ETHやARB、OPなど)のみを表示。
10:50
5月のローンチ目指す、香港でビットコイン現物ETF申請のVSFG
仮に香港で承認された場合、アジア初の事例となり、今後日本でのビットコインETF上場や発行にも追い風になりうるとみられる。
10:00
FTXのサム前CEOに懲役25年の判決 カリフォルニアで服役へ
米国地方裁判所の判事は28日、破綻した仮想通貨取引所FTXのサム前CEOに対して懲役25年、および最大1.7兆円の資産没収という判決を言い渡した。
08:40
2.6兆円相当のBTC保有数到達、ブラックロックのビットコイン現物ETF
純流入再び加速 ブラックロックのIBIT・ビットコイン現物ETFの運用資産は初めて、250,000 BTC(2.6兆円)を超えた。1月11日の取引開始からわずか11週間で2兆円…
08:10
Wormholeの仮想通貨「W」、取得開始日明かす
Wormholeは、今月7日に、Wトークンのエアドロップアロケーションや適合対象アドレスを公開。ソラナ、EVM系、Sui、Aptos、Osmosis、Injectiveといったネットワークでのユーザーや、ソラナNo.1NFTコレクションである「Mad Lads」のホルダーを対象としている。
07:40
米投資会社、マイクロストラテジーの株はBTCより割高と指摘
マイクロストラテジーの株価から概算する仮想通貨ビットコインの価格は17万ドル超であると米ケリスデールが分析。同社の株は、ビットコインに対し正当ではないプレミアムがついて取引されているとの見方を示した。
07:20
アバランチ財団「Codebase」、最初の支援プロジェクト15社を選出
アバランチではすでに「Colony Lab」という分散型アクセラレーターが活動しているが、今回Codebaseと連携し支援対象への資金提供を拡大し、1プロジェクトにつき、100万ドルを超える金額を提供する可能性がある。
06:45
5月承認の可能性低いもBitwiseらがイーサリアム現物ETFの上場申請行う
イーサリアムETFが現在の多くの申請の最終期限となる5月に承認される見込みは、SECがイーサリアム財団を調査しているとの報道などを受け大幅に後退している。1月には70%あったが、現在は20%程度まで低下してきた模様だ。
05:50
Bybit、ソラナミームコイン「POPCAT」の永久先物提供
ソラナの仮想通貨ミームコインへの需要は未だ高い。代表的な犬系ミームコイン「WIF」は29日過去最高値を更新し、前日比で20%上昇している。
03/28 木曜日
17:35
分散型AIの3大プロジェクトが団結、新トークン「ASI」に統合へ
SingularityNET、Fetch.ai、Ocean Protocolが人工超知能連合を結成し、各プロジェクトの暗号資産(仮想通貨)を新トークンASIに統合する計画を発表。単一の分散型AIネットワークとしてリニューアルを目指す。AGIの父と呼ばれるベン・ゲーツェル博士が主導する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
2024/04/13 10:00 ~ 17:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧