CoinPostで今最も読まれています

日本政府が「令和6年」に新紙幣発行を発表、キャッシュレス社会と仮想通貨決済への影響は

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

新紙幣発行、キャッシュレス社会と仮想通貨決済への影響は
日銀は、千円、5千円、1万円の新紙幣を2024年度上期に発行する。景気刺激策になるとの見方もあり、XRPの分散型元帳技術を搭載したSBIのマネータップや、三菱UFJのデジタル通貨を始め、キャッシュレス社会および仮想通貨決済への影響にも関心が集まる。

新紙幣発行、キャッシュレス社会と仮想通貨決済への影響は

政府・日銀は、千円、5千円、1万円の新紙幣を令和6年(2024年度上期)に発行すると発表した。500円硬貨も刷新し、2024年度上期に発行される予定としている。

麻生財務大臣は、記者会見で「偽造防止の観点から約20年ごとに改札を行ってきた」とし、3Dホログラムなど世界最先端の技術を駆使することで、偽造防止策を強化する。

心理的な個人消費意欲の喚起に加え、ATMや自動販売機などの関連特需による1.6兆円の経済効果も期待できるという。紙幣と硬貨の刷新に伴い、小売店などで関連機器における改修費用が想定される現金決済よりも、安価で導入できるキャッシュレス決済が促進されやすいとの見方が強い。

紙幣に印刷される肖像については、前2回の改札時の考え方を踏襲し、明治維新以降の文化人から選出された。

一万円札は、日本の資本主義の父とされる「渋沢栄一」、五千円札は、津田塾大学の創始者で、特に女子の英語教育の指導に注力した「津田梅子」、日本における近代医学の父とされる「北里柴三郎」の肖像が印刷される。

紙幣 1984年(昭和59年)〜 2004年(平成16年)〜 2024年(令和6年)〜
一万円札
五千円札
千円札

遅れを取るキャッシュレス文化

2004年以来、20年ぶりの刷新となるが、政府は他国に遅れをとる「キャッシュレス決済比率」を現在の20%から40%に倍増させる方針も打ち出している。キャッシュレス分野には、クレジットカードや電子マネーのほか、デジタル通貨および仮想通貨も含まれる。

シンガポールやインドなどでもキャッシュレス化やマネーロンダリング(資金洗浄)対策で高額紙幣を廃止する流れがあり、日本経済新聞の報道によれば、1万円札の廃止も議論されたが、国内総生産(GDP)に占める現金の割合が突出するなど、世界的に見ても現金志向の強い日本では混乱を招きかねないと見送られたという。

国際決済銀行(BIS)の2015年の調査によれば、現金流通残高の対名目GDP比率は19.4%に及び、2位の香港の約16%、米国の8%、スウェーデン1.7%と比べて群をぬいていることが分かる。

現金の流通が多い背景には、日銀の超金利政策などで利子が減少した影響もあり、銀行口座に入れず自宅の金庫などに眠る、想定50兆円規模の「タンス預金」の存在がある。

仮想通貨やデジタル通貨決済の普及

また、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、仮想通貨の根幹技術のブロックチェーンを利用し、開発を進めているデジタル通貨「coin(コイン)=MUFGコイン」を2019年後半に実装する方針を固めた。

利用用途として、ビットコインなどの特徴でもあるP2P取引だけでなく、家電やモノがインターネットに接続されるIoTを前提とした電子決済や、キャッシュレス化への対応も行う。また、利用者はお会計時の割り勘ができるようになるほか、加盟店への特典も決済時に付与する仕組みなども考えられているという。

仮想通貨・ブロックチェーン技術を使用したキャッシュレス分野では、デジタル通貨等の発行プラットフォームである「Sコインプラットフォーム」の動きにも関心が高まっている。

コインポストのインタビューに対し、SBIホールディングスの北尾社長は、以下のように述べている。

Sコインプラットフォーム」自体は、お台場(東京、UC台場コイン)やニセコ(北海道、NISEKO Pay)のプロジェクトなどで利用されてきたが、本命は、大阪万博(2025年国際博覧会)にある。ここでの決済プラットフォームとして採用されるように持っていきたい。そのために、コルダ・セトラーを基盤に組み込んでいく。

また、次世代の送金アプリ「マネータップ」について、以下のように述べた。

仮想通貨リップル(XRP)のテクノロジーである分散型元帳技術を搭載した、スマートフォンのiOSとAndroid用の支払いアプリケーション「マネータップ」は、将来的にはグローバルになり得る。

もはや、膨大なコストの掛かるATMの時代ではない。24時間チャージ不要、送金手数料無料、スマートフォンを使い、QRコードで送金できるようにしたものだ。接続銀行も早急に増やし、徹底的に拡販していくものだ。

マネータップは、Rippleの分散台帳技術である「xCurrent」を利用したオープンな決済ネットワークであり、例えばCAFIS(主にクレジットカードを中心とした共同利用型のオンラインシステム)のような高い維持コストと手数料は不要となる。

インタビュー全文

今年3月には、国内最大手企業19社が出資する仮想通貨交換業者ディーカレットの金融庁による認可を契機に、JR東日本が発行する電子マネーSuicaに仮想通貨チャージ出来るようにする案を検討するなど、キャッシュレス決済の促進が期待されている。

大混雑の予想される東京オリンピック2020や大阪万博2025を見据えた外国人観光客のインバウンド需要を背景に、国内でもキャッシュレス化が推進される中、およそ20年ぶりとなる新札の刷新がどのような影響をもたらすのか注目される。

CoinPostの関連記事

三菱UFJ 「MUFGコイン」を2019年内に実利用へ|銀行初の仮想通貨技術応用事例となるか
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、開発を進めているデジタル通貨「coin(コイン)=MUFGコイン」を2019年後半に実装する方針であることがわかった。銀行初の仮想通貨技術の応用モデルとなるか注目が集まる。
JR東日本の電子マネー「Suica(スイカ)」に仮想通貨チャージを検討|キャッシュレス社会で普及するか
金融庁に認可を受けたばかりの仮想通貨交換業者ディーカレットが、JR東日本の「Suica」を含む複数の電子マネーで、今年6月から順次、仮想通貨でチャージ出来るサービスを検討していることが分かった。チャージ出来るのはビットコインではなく、独自ステーブルコインの可能性がある。7500万枚発行されるSuicaは、大手コンビニなど58万店で利用可能。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。
06:00
コインベース、ソラナミームコイン「WIF」の永久先物提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベース(およびインターナショナル取引所)は19日、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧