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米有力ヘッジファンドPantera Capital、仮想通貨リブラの理念と設計を高評価

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有力仮想通貨ヘッジファンド リブラを高評価
米有力仮想通貨ヘッジファンドの Pantera Capital社は、7月の投資家向け広報誌で、フェイスブックのリブラプロジェクトに言及し、その理念と設計に高い評価を下した。

リブラの発行は仮想通貨全体へも好影響

米有力仮想通貨ヘッジファンドの Pantera Capital社は、7月の投資家向け広報誌で、フェイスブックのリブラプロジェクトに言及し、その理念と設計に高い評価を下した。

Pantera社の最高経営責任者Dan Morehead氏は、リブラは、その語源「Libra」の定義である「お金、正義、自由」を中核となる理念としており、それは当初からビットコイン機関投資家として同社が支援する「民主化された金融への動きの基盤」に通じるものだと主張。

その意味でリブラは、ビットコインの価値観を共有しており、フェイスブックがこの金融民主化の動きに加わることで、ビットコインコミュニティの当初の目的がさらに強化されると述べた。

フェイスブックが提案するリブラに懐疑的な意見も散見される中、Morehead氏は、仮想通貨の種類にかかわらず、安価で信頼性の高い金融サービスへの開かれたアクセスを提供するのが、ブロックチェーンの可能性だと述べた。 

そして、リブラの設計の特性として次の三点を挙げ、それぞれの利点を解説した。

目次
  1. リブラ協会
  2. 多通貨による裏付け(SDR型バスケット制)
  3. 世界的な広がり/連結性

リブラ協会:リブラの運営

リブラ協会は、リブラブロックチェーンとリブラ準備金の両者を管理する運営機関となるように設計されていて、協会への参加基準を満たす約100社が、運営と取引の検証(PoS)に参加する権利を持ち、準備金から得られる利益を分配することになる。

リブラは短~中期的には、グローバルなスケーラビリティと機敏な管理運営を可能にするため、パーミッション型のブロックチェーンとなるが、最終的な目標はより分権化された運営システムへの移行だと言明している。

多通貨による裏付け(SDR型バスケット制):多通貨を担保するステーブルコインとして設計

Morehead氏は、フェイスブックが、リブラの裏付け担保として、国際通貨基金(IMF)が創設した特別引出権(SDR)を模した通貨バスケット制を採用したことに「特に感服させられた」と述べている。

SDRとは
Special Drawing Rights(特別引き出し権)。国際通貨基金(IMF)に加盟する国や公的な主体が持つ通貨の「特別引き出し権」。IMFの出資比率に応じて加盟国に割り当てる仮想通貨で、加盟国は自国が通貨危機などで外貨不足になったとき、他の加盟国にSDRを譲渡して必要な外貨と交換することができる。IMFは支援融資をSDR建てで実施している。

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Morehead氏によると、現実的には、 世界金融の重要性により選ばれた複数の法定通貨で構成されるIMFのSDRは、実際の取引を行うことが困難だったため、使用されることはほどんどなかったが、リブラは取引に使用されるために設計されていると強調している。

世界レベルで見ると、米ドル、英ポンド、ユーロと円で構成された通貨バスケット制という選択は、米ドルのみに裏付けられたステーブルコインよりも、自国通貨に対するボラティリティが低いため、世界の消費者にとってより有利だと続ける。

そして長期的には、米ドルの覇権に対する信頼の低下を補完するものとなる可能性も指摘した。

ちなみに、現在最も流通しているステーブルコイン、テザー(USDT)に関して、Pantera社は同広報誌で、痛烈に批判している。

テザーは究極のフィアット通貨=不換紙幣だ。テザーは、Bitfinex / Tetherの所有者がそう主張することだけを根拠に、薄い空気から作られている。もしそれが何かに裏付けられてるのなら、彼らは監査を許可するだろう。

世界的な広がり/連結性:世界規模のネットワークと仮想通貨への影響

仮想通貨が直面している課題の一つは、社会への普及がなかなか進まないことだが、フェイスブックがすでに手に入れているグローバルネットワークが、この問題の解決のきっかけとなる可能性を、Pantera社は示唆している。

フェイスブックの中核製品であるMessengerやWhatsAppと統合されるウォレット、Calibraのリリースは、24億もの人々が、簡単にデジタル資産へアクセスできるようになることを意味する。アクセスが増加することで、その採用が促進され、仮想通貨へより親しみを感じるようになるだろう。

Pantera社はリブラの発行がビットコインや他の仮想通貨に大きなプラスの効果をもたらすと確信しているという。

仮想通貨が金融における次の進化となる可能性と同様、仮想通貨自体の中にも進化があり、リブラがもたらす競争の激化は、「社会に真の利益をもたらす最強のネットワークを生み出す」ものとして歓迎する意向を示した。

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